オウシュウ・ベイコク・ベース廃墟


久々観たK-1にいた異形(の候補)・木村”フィリップ”ミノル

Category: プロ格闘技   Tags: K-1  立ち技  



 さあ完全に立ち技関連は沈黙しきっていたこのブログなんですが、ひっさかたぶりにK-1のネタです!しかも、もう1月もいやいや3、4月も前くらいに終わってる大会をいまさらと言う体たらく。もう石井館長は関わっておらず、前田憲作がプロデューサーとなっている今完全に日本人の中軽量級中心となっており、かつてからの甲子園勢やkrush勢などなどが顔を揃えているのである。

  K-1ってのは今の段階で観ると往年の面倒な部分もいろいろ思い出す。おおよそ日本のキックボクシング土壌とその命題としてのムエタイみたいな部分を引っ張りながら、(いまやTVもないのに)スぺクタキュラーな展開を生もうとするルールを持たせるという、立ち技の中で特に興行価値のサイドに寄っている異形な部分だ。ろくに大きなメディアにもなっていないいまのK-1は、もしかしたら半端な位置かもわからない。

 しかしだ、どうあれK-1がK-1らしい、良くも悪くも異形な性質である場に映える異質なスタイルや経歴の選手がいたのだ。目を奪われたのはいよいよオーソドックスなスタイルに愚直に固まりつつあるHIROYAをまるで周辺の選手のスタイルを思わせない柔らかな全身連動の動作の打撃で打ち抜き、KOしてしまった木村”フィリップ”ミノルだ。


 一瞬「山本”KID”徳郁」とか「長島”自演乙”雄一郎」みたいなリングネームの日本人なのかと思いきやブラジル国籍の選手はインタビューを読む限りMMAの選手への言及も多いなどなど異質。がしかし純キックボクサータイプとは異なる柔らかな動きで純キックボクサーやムエタイに立ち向かっている構図はK-1の求めているそれと言う感じがある。


 ハイライトとなったゲーオとの試合展開はまさに往年のK-1MAX的なものだ。ここにK-1という場特有の立ち技のあらゆる業と面白味みたいなものが集まっているかのようで久方ぶりに見入ったのだった。キックボクシングの永遠の目標であるムエタイ、そこに硬化させたスタイルではなく現代MMA的な全身連動系の動きによる打撃選手、予想外に打撃が打ち抜く、しかし反撃の首相撲が入る、しかし注意が入りゲーオの得意部分が抑えられる…という中での判定勝利という一連の流れには、かつてから解決しないまま興奮するみたいなK-1らしい光景が繰り広げられていたのである。


 魔裟斗の後継者という名目ながらさっぱり似ていない、タイトなキック選手である左右田には逆転KO負けを喫するなど負けっぷりもすげえのだが、現在のK-1であろうとかつてのころのような興奮や問題みたいな部分を引き継いだままの選手がいることがオレにはなにかおかしくてしょうがなかった。

 

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リコ・ヴァーホーベンを真剣に楽しむためのコツは誰も教えてくれない

Category: プロ格闘技   Tags: 立ち技  

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 競技や技術全体の進歩は「スターがいたから」「団体に金があったから」「ルールの整備のおかげで」だなんて一面的には語れない。結局他の分野の進化や成功の逸話と同じく多元的な要因が重なるものであり、たとえば現在の立ち技の進歩の停滞に関しての指摘も正確に行うことなんて難しい。

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明けましておめでとうございます。オウシュウベイコクベースの2013年ベスト10

Category: 年別ベスト   Tags: MMA  ボクシング  立ち技  
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 新年あけましておめでとうございます。月並みなエントリですが2013年のベストをまとめたものです。基本MMA中心に立ち技やボクシングが混合しているという、相も変わらず雑食にして混沌とした方針のため普段文脈だのパースペクティブだのを挙げておきながらその実でたらめな印象論というのが強い生焼けのランクです。

MVP

ジャンルを前進させる印象深い仕事を為した選手たち

1 堀口恭司 (修斗・VTJ→UFC)
2 デメトリアス・ジョンソン(UFC)
3 アンディ・リスティ(GLORY)
4 ビクトー・ベウフォート(UFC)
5 ロンダ・ラウジー(UFC)
6 アレクサンダー・シュレメンコ(ベラトール)
7 ジョニー・ヘンドリックス(UFC)
8 アンソニー・ペティス(UFC)
9 村田諒太(ボクシング)
10 石井慧 (IGF)

Best Bout

現在のシーンの文脈的に意味の深い部分や、質の高さを実現した試合


1 石渡伸太郎vs堀口恭司 (VTJ2nd)
2 アンデウソン・シウバvsクリス・ワイドマンⅡ (UFC168)
3 アンディ・リスティvsジョルジオ・ペトロシアン (GLORY12)
4 ロンダ・ラウジーvsリズ・カモーシェ (UFC157)
5 マイケル・チャンドラーvsエディ・アルバレスⅡ (ベラトール106)
6 デメトリアス・ジョンソンvsジョセフ・ベナビデスⅡ (UFC ON FOX9)
7 大石幸史vsホノリオ・バナリオⅠ・Ⅱ (ONE FC9&13)
8 久米鷹介vsナム・ウィンチョルⅠ・Ⅱ (ROAD FC11&13)
9 フロイド・メイウェザーvsサウル・アルバレス
10 田中路教vsクリサント・ピットピットンゲ(PXC37)

Toughest fight

恐るべきフィジカルやテクニックの強度の張り合いを見せた試合

1 ケイン・ヴェラスケスvsジュニオール・ドス・サントスⅢ
2 ギルバート・メレンデスvsディエゴ・サンチェス
3 アントニオ・シウバvsマーク・ハント
4 マイケル・チャンドラーvsエディ・アルバレスⅡ
5 ジェイク・シールズvsデミアン・マイア
6 ジョン・ジョーンズvsアレクサンダー・グスタフソン
7 ジョセ・アルドvsフランク・エドガー
8 デメトリアス・ジョンソンvsジョン・ダドソン
9 ジョルジュ・サン・ピエールvsジョニー・ヘンドリックス
10 ヴァンダレイ・シウバvsブライアン・スタン

奈落に落ちきった最悪試合

背景や文脈から試合内容まで含めて何から何までげんなりさせた試合

1 亀田興毅vsソン・ジョン・オー(韓国のどこか)
2 桜井マッハ速人vsイム・ジュソク(日本のどこか)
3 バダ・ハリvsザビッド・ザメドフ (伝説)
4 レミー・ボンヤスキーvsアンダーソン・ブラドック・シウバ (谷川)
5 今年のミルコの試合全部 (ユーラシア大陸)





 2013年というのは完全にMMAのトレンド変貌の年と言えるでしょう。日本からメジャー大会が消失し、その機関誌を運営していたメディアの一部などは「何もなかった」といってしまうような格闘技アルツハイマーを発症などしておりますが、それに反比例して呼応しているかのように日本周辺の韓国、シンガポール、時に中国、インドら経済的な成長度の前線にある国に至るまでのアジア諸国の興行が盛り上がりを見せ、また日本もメジャーは失えども総合格闘技の競技的基盤を担ってきた修斗・パンクラスが現在MMAの流れに呼応してVTJなどケージ大会でユニファイドルール採用というなかで北米前線への足掛かりとなる、という形で世界的にかなりトップ&ボトムの再編が進んでいるかに見えます。MVP&ベストバウトは日本におけるMMA再インストール最良の結果といえ、桜庭vsホイスクラスのラウンドが進むごとにバリバリとジャンルが再生と拡大を行っていく実感さえ感じました。

 また北米前線ではアンデウソンとGSPが一歩退く位置へと後退し、ワイドマンを代表にシーンが変貌。ロンダ・ラウジー、デメトリアス・ジョンソンらが新興階級に価値を与える仕事をしました。が、PPVを売り上げるスターの退場ということで今年のUFCには様々な変化や仕掛けがあると思われ、早くもWWEに戻ったはずのブロックレスナーのUFC復帰だなんて噂さえ流れています。競技力の莫大な変化に伴い、いささかの興行フックが弱まる過渡期に入るんだと思いますがその上昇下降も込みで面白がれるところです。


 MVPに大切な人物が抜け落ちていますが、クリス・ワイドマンの真価は今年から、という気分ゆえです。というわけで新年一発目の記事は、遅れましたが去年の最大のトピックとなったワイドマンvsアンデウソン・シウバ感想と考察になります。

 

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ピーター・アーツ引退でGLORY13は在りし日のK-1の夢を見せるかと思いきや、FEG時代の悪夢が蘇る

Category: 「見立て」の格闘観戦記録   Tags: K-1  立ち技  
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 さてK-1で幾度もチャンピオンになってきたピーター・アーツ、レミー・ボンヤスキー、セーム・シュルトらが揃って”日本で”引退するということをフックとした興行であるGLORYだが、それはおそらくは忘れられし栄光のK-1の時代をしめやかに懐かしみ、幕を引くのを見守るというものになっている…はずだった。

 現実ではセーム・シュルトはなんと欠場してしまい、それでも心臓の病気ゆえということならなんとか聞き入れられるのだけど会場にさえ現れなかったりする上に、さらにはオープニングビデオなどやアナウンスなどでもほとんど触れられていないというくらいだ。

 にもかかわらず大会のムードは切なくレジェンドを送り出すというムードに満ちている。この瞬間に、痛烈に皮膚感覚で思い出されてきたのは往年のK-1のスター性と競技能力と興行の揃った興行ではなく、あらゆる焼き畑農業的で次には決して繋がらないモンスターから引退といった興行のフックに特化された、FEG政権時代のジャンルがまるで前進する感覚を観客に与えないあの鈍痛の感覚だ。

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黒人だから身体能力は高い?白人だから構造的?格闘技の「野生」の本当のところは?

Category: プロ格闘技   Tags: MMA  立ち技  
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格闘技における「野生」とは何か!?
 デメトリアス・ジョンソンvsジョセフ・ベナビデスは男子最軽量級のこれまでの印象を書き換えるようなジョンソンの衝撃的なKO勝利によって幕を閉じ、今年一年で加速度的に価値を上昇させた一人として印象深い仕事をした。まぎれもなく今年のMVP候補の一人だと言える。

 中・軽量級の試合の利点はスピードと言われがちだが、厳密には試合の中で膨大に詰め込まれた動作の処理能力の数と早さだと思う。そしてそれを保証するのはファイターの全身の動きを生かし続ける身体の使い方ではないだろうか?

 それを垣間見るのは、フライ級ではデメトリアス・ジョンソンとジョン・ダドソンの二人が勝利後に行うあの身体を捻ってバク中を織り交ぜながらあの歓喜を現すムーブからだったりする。

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