オウシュウ・ベイコク・ベース廃墟


アジアストロー級の光景

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Onefcストロー級王者戦 アレックス・シウバvs内藤のび太2

廃墟ではカプチーノのショートを頼み、コンセントのある席でスマートフォンに充電をしながら地道な作業を進めます。MMAの男子最軽量級ストロー級くらいになるとほんとうにフィジカル要素で抑え込んじゃったりとかリーチ差の要素で試合展開が見えるようなことは少なく、身体の使い方のうまさで決まっていく別競技に見える。フライ級以下のトップコンテンダーになると、ほとんどの動きに力みがなくって、中量級以上のMMAが試合のシークエンスのなかで大なり小なり持っている力みがほとんど見えない動きで試合が成立してる。

アレックス・シウバvs内藤のび太はそういう柔らかさで成立している試合だと思った。因縁の再戦、お互い30代中盤という年齢(今時のアスリートの年齢とパフォーマンスの変化ってどうでしょうね)ながら力みやフィジカル抜きの、純粋な技術力や身体の使い方の試合。内藤選手のレスリングとグラウンドでキープする試合の老獪さと伸びやかさはのび太というより水谷豊みたいな感じだったけど。

近年はさらに軽量級が新設されていて、ストロー級はUFCでも現在開設されていない階級っていうのもあって独特の立ち位置でもある。体格的にアジア周辺の選手のボリュームゾーンでもあるから、内藤選手の王者奪還はいよいよボクシングのWBAのニッチ階級でチャンピオンを取っているのも思い起こす。

前回の試合が序盤にスタンドでの交戦でポイントをとられていたところ、後半から内藤がレスリングでの闘いで展開を打開したそれが再戦でも生かされている。テクニカルにシウバをテイクダウンし、普通に相手の関節技の仕掛けを外しつつポイントをとっていく。そのタクティクスをフルラウンドで成立させている。タクティクスが完璧にハマった試合展開での内藤の動きはむしろ柔らかな動きがずっと続いていた。




そうした活躍の流れでプロフェッショナル修斗ストロー級の猿田洋祐の防衛戦を観ると、これもすごく身体使いの上手さみたいな感じ。王者をとった澤田龍人との試合がスタンドでの距離間から測りあう固めの展開だったことを思うと今回の村田一着は持ち味だしやすい相手だったというのもあるのか、伸びやかな動きだったなと記憶に残っている。

ストロー級の男子最軽量級はまだまだニッチさがあるけれど、いずれも上階級にあるノイズ部分(フィジカルもリーチもノイズっていっちゃうのもあれだけど)がとりわけ少ないとも言え、かなりテクニカルな部分で展開が決まってる印象がある。ここの階級がアジア方面でもう少し加熱していくとして、たとえばRoadFCあたりでも新設されていくとしたらその時は北米の光景とはかなり違うものになりそうで期待してる。

興行イベントと別にMMAの現実は軽量級方面がここ数年はコナーマクレガーも込みで加熱していたわけだけど、ここに来てアジア方面はどうなるのか。とか思いながら格闘技代理戦争見てたら次回予告で桜井マッハと青木真也がケンカしてた。廃墟とは、SNSの言説のことなのです。

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QUINTET・解答編

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桜庭を顔役とし、ヒールホールド禁止や膠着を誘発するクローズドガードを禁止、サブミッションオンリーで、組技の異種格闘技、集団対抗戦という同じUFCファイトパスで放映されているpolarisやEBIといったグラップリング大会と比較してすごくカジュアルなイメージを押し出した大会QUINTET。

観終えるとコンセプトが寝技のK-1というのを押し出しているのはいろいろ思うとこあるうまい例えだと感じるばかり。K-1ってテレビ向けのカジュアルなイメージを押し出すために、ムエタイみたいな判定基準でなくてパンチがポイントになりやすいこととかキックボクシングにあるヒジや首相撲を禁止にしているとか、コア過ぎる部分をあえて外すことでパッケージとして面白く感じさせている。

一番うまいなあとおもったのがカジュアルからハードコアのコントラストである。これは本当、往年のメジャー興行にあった作用というか。桜庭を中心とするHALEOチームでほんとに「桜庭vsニュートン」「所vs中村」的な往年の総合格闘技に通用するUWFサブミッションの面白さを見せつつ、柔道チームとの異種格闘技戦を演じながら、大会が進行するごとにBJJ・グラップリングのコアが露出していくのがよい。佐竹を立てつつホーストに敗れることで世界広い強いと感じさせるような感じでpolarisチーム・現行でトップと目されるクレイグ・ジョーンズ(すんません最近知りましたよ)が足関節をばりばり極めていくという。

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マクレガーは言われるほどスタミナに問題なくて、ほぼメイウェザーに心理戦で完敗した

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廃墟では横から花火を見ています。異種格闘技戦の醍醐味とは格闘技術のコンペティティブな点というより、本当のところは両サイドの心理戦の駆け引きにこそ緊張感がある。思い返しても純粋に技術のみで盛り上がる試合になった試しがない。 

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ジョン・ジョーンズの速度4 

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廃墟からまだまだほんとうの廃墟にはならんぞ!最近はゲーム系などで他のメディアにも書き出してるがここはまだまだやってやるって!と吠えています。大分時間経っちゃったがいまさらチャンピオンシップ話です。

以前こんなめちゃくちゃな記事を書いたことがある。コーミエ、ジョンソン、ジョーンズの3人を中核にしてグスタフソンなどが絡んでいくという構図だけども、ファイターの経歴や性格、プロセスのすべてが相互に対照的であり、そこから垣間見えるドラマツルギーの豊饒さをライトヘビーのトップにいるこの3人以上に感じさせるのはあまりない。競技性からなにまでひっくるめて、まだアンデウソンとGSPがトップだったころみたいなUFCの強度を感じさせるのはライトヘビーの彼らの関係だ。 

しかしそんなドラマティックな関係も終わりを迎えてしまうのしれない。今年4月にコーミエとAJがライトヘビー級チャンピオンシップを争い、コーミエの一本勝ちで勝利。敗北したAJはその後引退を表明してしまう。関係や構図を考えるとあまりにも劇的な結果になった。引き続くかたちでコーミエがジョーンズと再び相まみえるというのは、どうしたって何かが起こる期待をしてしまう。

そしてその通りになった。どれだけぼろぼろのスキャンダルを振りまこうが、ジョーンズのスタイルは堅牢だった。あのリーチ差、相手を狙わせないようにスイッチしながら遠距離~中間距離での前蹴りや間接蹴りはもちろん、ジャブやちょっとタイミングがわからないところから放たれる肘やバックキックなど打撃のバリエーションの豊富さはやはり群を抜いている。

あらためてコーミエが遠距離~中間距離のジョーンズの制空権をどう制するのか。これまでかなりのリーチ差のある試合では、立ち技に限っては埋めるためにリーチの短い方が特攻してチャンスに賭けがちな試合になりがちだ。それどころか無理やりワンチャンスの何十倍の倍率になっているところに全財産をベットする戦法が目立つ試合だってあった。セームシュルト君臨時代のK-1とか技術革新が一向に行われないのもあってか、無理やりジャンプしてパンチなんてシーンさえあり特にひどいもんだった。

ここで優れているのはコーミエはジョーンズの制空権をとる行動を潰し、遠距離からの攻撃を封じながら徹底してクロスレンジでの試合に持ち込んでいることである。間接蹴りをガードすればその蹴り足にローキックを返す。サークリングさせて逃がさないようにする。遠距離では前蹴り、中間距離ではボディへの打撃をとにかくジョーンズの打撃を受けて、決して止まらないようにするという削る戦略は徹底していた。(あたりのことが海外MMAサイトなどにかかれてました)。

決してジョーンズの打撃によって下がってはならないし、蹴りを使うことでサークリングを許さないようにすることでプレッシャーから逃がさないようにする。オーソドックスから変拍子での打撃までこなすジョーンズのバリエーションに対してコーミエ陣営のディフェンスが今回のタイトルマッチを味わい深いものにしたのは違いない。しかしそこまでやってもジョーンズの速度には敵わないということが、もうなんというかジョーンズとコーミエが持ってる経歴や性質の対照的な関係を凝縮しているようだった。

あの一発のハイキックで終わってしまうとは…試合は中盤に入り、ほぼ中段の制空権掌握のキックをさばききっていた。1R、2Rはコーミエのポイントだとして、おそらくその時点でこの試合は自分のゲームだという確信を抱いていたはず。でなければ、終わった後に涙を流すわけがないからだ。

泣くに決まっている。コーミエの経歴は悲運の天才であることは確かであり、ジョーンズとの対戦は圧倒的な天才であるそれに対しての差を埋めていく闘いでもある。名誉や報酬やら地位以上の、うまく言語化できないんだがなんらかの持つ持たざる者という差(天才と凡人の差とも違う。コーミエも全然天才だし。38歳だよ?)がもしかして埋まるのか?みたいな試合はときたまある。

ここまでの試合から涙をながしたコーミエに対し「bitchみたいに泣いてるな」とか解説席にいたスヌープ・ドッグは言ったそうだがこれは持たざる者に対しての持つ側の残酷な現実を突きつけるかのようである。スヌープドッグもジョーンズも反社会的で自滅的な行動をいくらでも取るでたらめな天才が、実際捕まったりなんなりでペナルティを受けてその速度が弱まるのかと思いきや、結局そうはならないし依然として持つ者持たざる者みたいな関係を覆すことができない。覆せる可能性にまでたどり着いていたコーミエが感情的になってしまうことを、対戦する二人の背景を知りさえしなければ素直にスヌープドッグに同調して英語圏のインターネットトロールのように笑ってみていられたのかもしれない。

ジョーンズが王者に戻り、コーミエは涙を流し、AJは引退を発表した。自分はアンデウソンとGSPがP4Pの時代以降で選手のキャラクターと競技能力、それらが生み出す暗喩がもっとも質が高いと感じていた3人の関係を面白がってきたけどそれが終わりなのかもなと感じた。ジョーンズの速度は別のところにシフトし始めている。ヘビー級のブロック・レスナーの名前を出したことはもはやチャンピオンシップというよりも、一部にコナーマクレガーのやっていることに追従しようとしているし、噂レベルではミオシッチの名前も挙がっているなどもうそっちの方向が希望されているのかもしれない。

菊と黒魔術

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 廃墟で熱中症対策を練っています。

 菊野克紀が谷川貞治の『巌流島』に出場しているということは、なるべくしてなったという思いになる。以前にも書いたように「さまざまな格闘技が交錯する場であったMMAががちがちのスポーツ体制が整いつつある中、カウンターとしての武道風味のモンド格闘技」というのが『巌流島』の価値のほとんどで、しかもそこには骨法の堀部正史や掣圏真陰流の佐山聡らと比較して武道思想というのがおそらくない。往年の格闘技ファンのどうかしている妄想世界とまで言ってしまうと悪くいいすぎなんだろうけど、ラウンドガールが巫女の衣装をしており、半袖の胴着を着て殴り合うという奇怪な風景の腰掛けに(てきとうな)武道のイメージを借用している。

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ビデオゲームというフィルターから俯瞰する、現代エンターテインメント総合批評
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