オウシュウ・ベイコク・ベース廃墟


桜庭和志を見るのは常に評価と現実の誤差が大きすぎるから苦しい

Category: MMA   Tags: ---
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 廃墟から腹筋をしています。

桜庭和志vs青木真也

 
 レジェンドなんて称される選手には、どうしても今現在だって恵まれた環境の中にあるのではイメージがある。だがしかしそんなことはなく、歴史的な評価の一方で現在の環境はそれに及ばないなんていうのはよくある話だ。青木は当然トップの練習環境を揃えてるし、セコンドも北岡悟らが揃ってる。しかしいっぽうで桜庭は、とてもレジェンドと呼ばれる選手とは思えない練習環境なのではないかと思うのだった。


 桜庭を見ていると常に評価と現実の誤差に苦しめられる。グレイシーハンターだなんだってあんな評価されてじゃあいまジムは儲かり弟子はMMAにて活躍しているのかっていったら全くの逆だ。立ち上げたジムのLaughter7は畳んでしまい、MMAの試合は2011年のDREAMのヤン・カブラル戦を最後に4年のブランクを開ける。その次なるキャリアは新日本プロレスに参戦。同じく戻った柴田勝頼がそこでの文脈に乗りいきいきとしているのと対照的に、その存在をいまだに適切な文脈に乗せきれないでいる。

 では桜庭を本当に評価できる文脈に乗せたところが旧PRIDE陣営のRIZENなのかというと、青木戦を眺めてみてここですらそうではない気がする。

 桜庭・青木、そして高田延彦はまるでPRIDEを自分のホームだ、死に場所だよみたいに表向き演じているけれど、全員に共通しているのは実際にはほぼ一切としてそこに思い入れなどなく(たしか高田の発言でPRIDEに関してもう特に思い入れないという発言あった気がする。)、平然と切ってきたということだ。佐藤大輔はじめPRIDE制作陣営はさも桜庭も青木もPRIDEの顔、彼らはここがホームなんだと言う風に描くけど、実際は真っ先に出ていったのも彼らだしな。しかし、高田延彦は全く本人には文脈が無いけど、往年の宮戸から安生、そして榊原信行からハッスル時の山口日昇まで他人に演出されることでさも何か物語や文脈があるかのように感じさせるのが凄いね。(ついでに小川直也もね。)

 桜庭のキックをかわした青木はタックルからロープに追い詰め、すぐさまにサイドポジションに繋げるテイクダウンを成功させる。リングを舞台に実行されたそれは、かつてDREAMでロブ・マックローを下してきたときのような必勝のムーブだ。完璧に決まった。しかしそれをレスリング出身の桜庭がやすやすと許している時点で勝負にならなさも痛感させられたのだった。


 BJペンとフランク・エドガーの最後の闘いを遥かに超える、もはや競技力に話が及ばない覇気の差を感じる。しかしエドガーとペンの場合はお互いがまだまっとうな環境が揃っている者同士だ。桜庭の敗北があまりにも悲しいのは、競技能力以上に現在の環境があまりに悲惨な現実が垣間見えることだ。とてもレジェンドという評価に見合うものではない。

 それはフィニッシュに現れた。青木陣営が強固なセコンドを揃えており、「自分が格闘技ゾンビ(たしかKO負け癖がついて競技能力もガラガラなのにいるのに試合に出続けるような状態のことだったと思う)になったら辞めるようにいってくれ」というようなことを言い合っている北岡悟らが揃っているのに対し、桜庭のセコンドがまるで選手を守る動きを出来ていない差だ。

 動きををマウントからパウンドを打ち続ける青木が、桜庭のセコンド勢に向かってタオルを投げるように吠える。桜庭自身がセコンドに「止めるなよ」と言っているのかもしれない。なんにせよ、そして「青木に桜庭からバトンが渡ったね!」と発言した高田延彦はおそらくMMAは今日まで一切観ていないと思う。


 桜庭に(くそみたいなファンが難得できるような)適切な舞台はプロレスなのかMMAなのか?時間が経ち、プロレスはプロレスでMMAはMMAと明確なジャンル化がまとまった今、納得できる舞台はもうどこにもない。ならUWFとかIGFみたいなスタイルかというと、そこですらホームではない。もともとの桜庭自体がやれプロレス最強がどうたら、グレイシーがどうのみたいな先入観を現実的な技術で打ち破り評価を挙げたからだ。ではどこにもホームはないではないか…やはり桜庭は評価と現実の悲惨な誤差を観客に見せ続けることになるのか…

 それにしても佐藤大輔煽りで「新日本プロレスは~」って嫌味言わせるくらいには新日本は本当に蘇ったんだなと思ったよ。以上、廃墟から気功をしながらでした・・・

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コナー・マクレガー戴冠

Category: 見立てのMMA観戦記録   Tags: ---
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 廃墟からの呼び声です。

ジョゼ・アルドvsコナー・マクレガー

 UFCはすでに堅牢な立ち位置になっているような印象は、2010年から見始めて数年の間続いていた。あのころのアンデウソンやGSPの活躍を見ていればほとんどそれは変わらないように思えた。

 しかし選手層が厚くなることに伴う様々な選手の階級変更など、周辺からの変化はあった。堅牢だと思われていた時代は変わっていた。

 去年から今年までのUFCはアンデウソンとGSPが一線を退き、加えてドーピング問題からジョーンズの事件などスキャンダラスな出来事が続いた。

 コナー・マクレガーはUFCが堅牢な印象を揺るがしてるそんな時期に、隙間を縫うかのように躍進していった。ボクシング出身の印象と言うより、フットワークとタイミングを合わせる精度の高さから空手家を想起させ、加えてオクタゴンの外で王者たちを煽り続けるそのスタンスはまるでアンデウソンとソネンが合わさったみたいだ。

 全財産をテーブルに賭けて博打に臨んでいるようなふるまいは、メンデスやアルドの前には無茶だと思われた。ここ2.3年の軽量級のシーンを牽引してきた堅牢なはずの北米チームのアルファメールとブラジルのノヴァ・ユニオンのトップをそれぞれ突き破ってしまうというのはあまりに出来過ぎだ。なんせUFCもPPVを売り上げるストーリーを描けるようなスターに不足していたころだ、フィックスドファイトを疑う声があってもおかしくない。



 確かなのはマクレガーの状態がおそらくキャリア史上最高の状態なことだ。割と聞くけど正確なアタックを相手のタイミングに合わせて完璧に打ち込むという単純なことなんだけど、それがまともにできる期間はおそらくわずかだ。アンデウソンの復帰後には、ニックとの相性もあったろうがあの正確なタイミングで打ち込むそれは消えていた。ここまで制空権を握り相手の攻め手を消すような戦い方はせず(アンデウソンでもあったとおもう)、おのれの正確な一撃を決めるタイミングで闘うみたいな鮮烈な闘い方はわずかな時期にしかできないと思う。そのわずかな時期をUFCのシーンが堅牢な印象を揺るがしている過渡期にはまった。本当に興行格闘技でまれに見る時代の寵児になってしまった。

 廃墟からでした。また亡霊に戻ります…

曙VSボブ・サップは思ったより面白くなるよきっと

Category: MMA   Tags: ---
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 廃墟からの書き散らしです…

 廃墟といえばRIZENはそのまんまPRIDEとDREAMはじめメジャー格闘技というものの廃墟にスポットライトがあたったようなものだ。引退したはずのヒョードルから高坂剛(こっちは自発的なんだけど)などなど、往年の人気選手の復帰など、ネームバリューに頼り競技的な見どころは少ない。

 その中でも曙VSボブ・サップには、もはやあきれかえっている意見があふれた。かつてライバル側にあったはずの切り札のマッチメイクが、時を経て当時批判していたはずの榊原信行が使い出すってのもふくめて重層になっているというか。

 とはいえ、オレとしてはこのマッチメイクは思ったよりも面白いのではないかと思っている。もちろん、競技的にということではないけれど。


 かつて2002年にボブ・サップがK-1から芸能まで含めてバブルみたいになっていたところを、翌2003年のKー1にてミルコに完敗。膨大な体格差を武器にホーストまで破ってしまいうほどだったが、だんだん格闘技の実力に疑問が生じ始めてきて大ブレイクの終わりの影が差し始めていた。
 
 しかしまだ前年からの話題性が残っている頃に、更に話題性のある選手をもっとも世間の注目が集まる大晦日にぶつけるえげつないことが起きるのだった。それが横綱・曙の格闘技界への転向だった。

 この2003年はK-1も大きな変革が起きていた。石井館長の脱税事件によって谷川貞治がイベントプロデューサーを務めることになって以降、K-1はモンスター路線と呼ばれる、話題性を先行しようとしたクオリティの低い興行の方向になった。その方向の代表的な試合こそ、曙をサップにぶつけたこの試合だった。

 この試合は視聴率で紅白を超えたと言うテレビ番組の伝説が残った。だがその内情は話題性のみが先行し立ち技の競技能力がないふたりの対戦は、曙の前のめりの失神の映像への失笑で終わっただけだった。



 それから歴が一周した現在。曙もサップも格闘技ビジネスの特にえげつない谷川政権時代のK-1の只中にて紆余曲折あったせいなのか、大ブレイクが去って以降の彼らの道のりには哀愁や失笑がつきまとうことになった。一発屋の芸人でもなんでも注目が維持できなくなったひとのその後にはそれはつきまとうものだが、格闘技になればそのまま勝敗やパフォーマンスの結果が目の前
に現れる。

 ボブ・サップはそのネームバリューをまったく別の形で使うことになった。世界各地のMMA興行に出場し、おそらくはわざと負けることで金銭を得るようになっていた。いっぽう曙はある時点から格闘技から離れ、プロレスの方に行った。 

 サップも曙もメジャー格闘技興行のビジネスの中で使い潰された形で、ある時点から格闘技ビジネス事態に関して何らかの距離をとったスタンスにあると思う。2003年の時のような膨大に膨れ上がった見返りが今回あるわけではない。格闘技ビジネスによって有名になり、うんざりしながら小賢しくつきあっていき、いままたRIZENで遭いまみえるのだ。

 ということでオレのこの試合の予想は高田延彦VSアレクサンダー大塚のような、しみじみとお互いの立場をわかりあっているというブルージーな試合展開になればいいなと思っている。勝敗は問わない。廃墟からでした・・・

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