オウシュウ・ベイコク・ベース廃墟


それから全盛期を失う時

Category: 「見立て」の格闘観戦記録   Tags: ---

 廃墟から山中伸介のモノマネをしています。

アンデウソン・シウバvsマイケル・ビスピン

 全盛期に関して前回から続く話題になる。圧倒的な勝利を重ねるその時期の評価だが、相手の攻め手を潰し制空権を取っていき試合全体を支配するユナニマス・デシジョンよりも特にその発生と終わりがわかりやすいのは、やはり神がかりのようなタイミングで決めてしまう一撃がなくなるときだ。ある時を境にわずかにタイミングがずれ、放たれた一撃は相手を地に沈めることなく試合は継続していく。

  アンデウソンはまさにそうした全盛期が終わった瞬間を観てるかのようだ。ワイドマン戦での骨折を経て、ニック・ディアズ戦で復帰した時点では、比較的制空権を取っていく安全なスタイルを取って調整していたと思う。ところがそこからPED問題が挟まれ、これまでのアンデウソンの業績すら「あれはドーピングが混ざってるんだよな」みたいな目線がしばし入ることになった。

 今まさに全盛期に入り、大穴への博打から博打を続けるコナー・マクレガーの影に隠れるような形で開催された今回のビスピン戦は現在のアンデウソンがどれだけ復調しているのかばかりが気にかかってしまっていた。いま、オレがこうして”復調”という言葉を使った時点で、もう外野側からも何か失われていることをうすうす感じていたのかもしれない。

 過去の勝利体験をどうしても人は繰り返すという。もしかしたら順調に進んでいたときに大きな挫折に遭遇したときにこそ、コンディションの良かったころの感覚を取り戻すようにそれをやってしまうのかもしれない。アンデウソンはあの両手を奇妙に動かす攪乱や、ビクトーを沈めた前蹴りなどなど、全盛期の頃ならフィニッシュのKOに導くムーブ、予想外の一撃として機能していたものが、まさに過去の体験を取り戻そうとあがいているようにしか見えなかった。(実際、試合中にアンデウソンは骨折を思い出して動きが鈍っていたとの発言もあったとか)

 タイミングが失われた代わりにどんどん露骨になっていくのは元来のダーティさである。マウスピースを落としたビスピンがレフェリーにちょっとしたタイムストップを求めている最中に飛び膝、その瞬間ラウンドが終了したのにケージに上って勝利パフォーマンスをしているのを前に「アンデウソンはMMAのメイウェザーだ」という人のことを思い出したりもした。あのビスピンが逆にクリーンに見えていくくらい、今度全盛期を失った人間にどうしても訪れるのは老醜だ。あの輝かしいP4Pの時代が終わり、これからのアンデウソンをはその醜さにどう対処していくのだろうか。人はいずれ廃墟になるのです…

スポンサーサイト

プロフィール

EAbase887

Author:EAbase887
人気ブログランキングへ

ビデオゲームというフィルターから俯瞰する、現代エンターテインメント総合批評
「GAME・SCOPE・SIZE」もやっております。ゲームの他に映画・アニメ・小説なども取り扱っており、興味があればこちらにも。

人気ブログランキングへ


ひっそりとド偏見アニメネタレビュー「14ー21歳のセックスか戦争を知ったガキのモード」「もスタートしましたので、妙に少なくない格闘技ファンとアニメファン兼用の方はこちらもよろしくお願いします。

TweetCasting

ツイキャス・LIVE放送中はこちらからでも視聴できます



 
検索フォーム
 
 
 
 
 
 
ブロとも申請フォーム
 
 
QRコード
QR