オウシュウ・ベイコク・ベース廃墟


マクレガーの”fairy tale is over.”がこのでたらめ気味な試合でよかった、のかもしれないね

Category: 「見立て」の格闘観戦記録   Tags: ---



 廃墟、それが美しいのはその場所から一切の意味が失われているからです…

コナー・マクレガーvsネイト・ディアズ

 大博打に次ぐ大博打でハファエル・ドス・アンジョスとライト級タイトルマッチが組まれ、UFC運営サイドも含めた興行論への際限なきベットがいよいよ限界を突破しようかと言う時に、ドスアンジョスが怪我で欠場。急遽代役に上がったのはネイト・ディアズだった。しかし階級差はもちろんだがマクレガーがおそらくそこまで経験のないであろう長いリーチの相手であり、現在必殺の打撃を打ち込めるタイミングを保持している全盛期にあると言っていい状態だろうと極めて厳しい相手だ。


 もともとの試合もお互いが12月に試合をしたばかりなのにわずか3カ月でこんな特異なタイトルマッチを組んでること自体が、UFC自体がマクレガーというPEDでおかしくなっているんだと思うが、ある意味で突飛だったタイトルマッチがちょっとしたネタというか余興というかな方向に転じているようでもあった。競技性のみで言えば掛け金は以前つり上がってるけれども、興行に関してはややリミッター破っちゃう瞬間から奇しくも引き返した感じ。

 全盛期に入っている人間は恐れを知らない。さっきも書いたようにリーチも階級も上回る相手に、普通スタンドでまず正されるだろう顎が上がり気味のスタンス(当然顎に喰らえば即刻KO負けである。しかも打撃寄りに相手に対し)で、やや脱力したままクロスレンジに入ってボコボコに血達磨に変えてしまうマクレガーは正直おかしい。いよいよリミッターが際限なくなるか?と思ったところで、ネイトがなんとか階級上の打撃屋の利を生かして止めたので「やっぱり階級が違う闘いで勝つのはこんなんだよ」という凡庸な予測で、でもマクレガー健闘したよねとかいう評価もあって意外にトントンでチップが場に戻ってきた感じ…

 ここで気になってしまうのは、やはり前回、前々回の記事に続いてこの奇跡的な全盛期のターニングポイントになったか否か?ってことだけど、マクレガーがここで下手に慎重になるとかあったら一挙に凡庸になっちゃうし、わからないところだ。(あと今更ながら、ボクシングでずっとマクレガーvsネイト、実現しなかったマクレガーvsドスアンジョスをやったたとも言えるパッキャオは異常だよ。メイウェザーとも真向に闘い判定まで行き着いてるからな。)

 UFCが競技性の最高峰なのに変わりはないんだけども、奇跡的な全盛期に入った人間に運営側までも際限なくベットし続け破綻するまでやっちゃうのはなんというか、PRIDEで桜庭がグレイシー撃破で際限なくなってるときに階級が10キロ差もある(上におそらく当時ならさらにステロイドもやり放題であろう)状態のヴァンダレイ・シウバを当てるみたいなそれをちょっと思い出す。

 日本のメジャー格闘技が基本、スターへの博打のみで成立せざるを得ない現状にうんざりしてきたからこそ、選手層も厚く競技環境もはるかに整っているUFCに感情移入している面があるのだが、ここに来てのマクレガーへの博打はやはり興行を継続させるための現実というか、クレバーなはずのUFC陣営すらも奇跡的な実態にチップを大量に積んでしまう魔力に抗えないというか。アルドはマクレガーの敗戦にすぐさま”your fairy tale is over."(お前のおとぎ話はおしまいだ)と反応したのだが、”fairy tale"という言い回しは気に入った。複数の意味がかかっているかに見えるから。

 エドガーがマクレガー推しの運営に対して「UFCのCはConor McGregorのCかよ」とか言ってたと思うけど、ちょっと前までガチガチの競技的な張り合いをやっていたのにこうした展開におそらくトップファイターの多くもおとぎ話で悪酔いしてる運営に疑問を呈しているのと思う。観客がそれに抗えないのはともかく運営ももやっぱ抗えないよな~という恍惚とげんなりが共存してる興行の現実は選手からしたらまいるなというのはあるのだろうね。


 それにしてもディアズ兄弟はアンデウソンと言いマクレガーと言い、存在値がリミッターを超えて破綻をきたしかねない時にちょっとリセットしてくれるような試合をやってくれるね。スラム育ちのワルが金持ちたちの増長を諫めるって、社会じゃただの犯罪だけど見立てなんでもありな興行格闘技ならいい話だよ。うそだよ。まだ事後のドーピング検査が待ってる。廃墟、それが美しいのはそこに住むこと無く、わずかな時間訪れるからなのです…

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