オウシュウ・ベイコク・ベース廃墟


UFCの寂しい現実路線

Category: 格闘周辺時評   Tags: ---

 廃墟とは人が離れていくことから始まるものです。さすがにびっくりしたのは堀口恭司のフリーエージェント宣言。オレがアリ・ヴァガウティノフ戦での完封に感動したのもつかの間、UFCは新体制になっていらない階級を削っていく気か?その他にも多数の選手が離れるかもしれないという。あのフランク・エドガーまでも離れる可能性がでてきたとか…

 一方でコナー・マクレガーがなんとフロイド・メイウェザーと対戦するなんて常軌を逸してるニュースが駆け巡っている。オレ個人はマクレガーはもう競技能力以上の鉄火場にチップを置き続ける姿勢が今日まで続いているとは思いもしなかった(しかも、ネイト戦でチップを全額失いかけるようなそぶりから、突如引退宣言とかやりだすブラフも込みで、うまくやるとも)。

 GSPとアンデウソンがトップにいて、競技の拡大のために尽力していた数年前には美しい一人勝ちをしていたUFCが、ほころびをみせはじめているのではないか。というか、市場価値が決まってしまった中堅選手にとってはつらい団体になってしまったことが新体制以降からぽつぽつと語られるようになった。ついにGSPが復帰するかもしれないというニュースも駆け巡っているが、この時勢からは確実に数を取れる選手を戻したがってる感じはあるなと。

 フライ級が先細っていくのは個人的には虚しい。MMAでもっとも身体能力や技術の差だけで見れる階級とも言え、フィジカル差やリーチの差による影響の少ない階級だからだ。軽量級が整備されていったことはMMAのジャンルの前進を示しているし、MMAのテクニカルな側面はこの階級から還元されているのではないかと思う。

 それが縮小するということは、UFCはジャンルの本質を拡張する余裕がどうやらなくなってきており、運営を続ける現実路線に切り替えつつあるということだ。それは寂しいというか、先行して格闘技をプロスポーツとして広めたボクシングの歴史を演繹するなら、WBAからWBC、WBOと分裂してきた経緯なんかに近付いているのかもわからない。ボクシングとMMAでは構造が違うから一概には言えないけど、ここいらでトップアスリートが分散して各地に王者が散らばり、誰がその階級で一番なのか判断のつかない世界に突入していくのではと思う。いまのところUFC以外のベラトール、WSOFなどはUFCからの格落ちが向かう団体という印象は強いけれども、これからはわからなくなるのかもしれない。

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信じた時代の虚像と実像を切り分けられるのは、きっとしんどい『1984年のUWF』

Category: ウェブ線上の批評   Tags: ---
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 総合格闘技という現実が国内にもたらしたものは何が最強かを明らかにすることだけではなかった。そこにいきつくまでに培われたプロレスの虚像がかき消され、実像が明らかにされていくことでもあった。プロレスと格闘技の観点を決定的に変えたイベント・PRIDEがUFCに売却され、格闘技バブルも弾けていく2007年に出版された『1976年のアントニオ猪木』はあらためてなぜプロレスと格闘技は地続きになったのかを明らかにする中で、あの時代の実像がいったいなんだったのかを明らかにしようとした。

 格闘技バブルがはじけようとも、プロレスと格闘技を観るリアリティラインが書き換わったことは変わらない。もうIGFのプロレスに闘いとやらを見出すことは難しい。プロレスが最強をうたって他の格闘技のチャンプを自分のリングに挙げて仕留めることに興行的な熱狂を見出すということもない。ジャンルの区分けが明らかになった現在のリアリティラインから、過去はなんだったのかを新たにする優れたノンフィクションが続々と出てきている。『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』には本当に感銘を受けた

 しかしプロレスと格闘技の虚実を明らかにしていく作業の中でも、UWFの虚実を明らかにしていく作業は遅れてきて知った自分からしてもしんどい作業になることは分かる。「プロレスを本当に格闘技に見せる」という虚像を実像に変える試みを整理することだから。 『1984年のUWF』はMMAが当たり前に存在している現実から振り返って、虚像と実像を切り分けていく。

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テーマ : プロレス    ジャンル : スポーツ

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