オウシュウ・ベイコク・ベース廃墟


宇宙から切り離された興行と、廃墟の美しさを見せた所と高谷と宮田

Category: 「見立て」の格闘観戦記録   Tags: MMA  廃墟    
廃墟


 ネガティブなニュースのタペストリーの中でも格闘技は続く。特に、かつてK-1・PRIDEと言ったメジャー格闘技が、地上波だとか北米主流の時代になった中でのルールの違和感だとか、誰でも判断しやすい興行のための仕様が意味を為さなくなっても。もっと根本的な問題に切り込んでいないままであっても。意味が絡んでいきにくい2011年のDREAMは、宇宙から切り離された興行のようにさえ映った。
「DREAM JAPAN GP FINAL 見立ての観戦記録」



<<New Age Relaxation Song>>


 ・・・とまあ、どう見てもネガティブにしか捉えられないだろう前置きから一転してなんだけど、格闘技が「メジャー」を名乗る意味でも必須の部分でもあっただろう地上波から手が切れてからのDREAM、正直なところこれが悪くない印象を残している。

 もう恒例となってる選手の負傷欠場などによるマッチメイクの変化など、これに慣れ過ぎてるせいでそもそもの期待値自体がものすごく低いってせいもあんのかもしれないし、2009年くらいから、SRCの収束によるメジャーの下落、実質昨年の大晦日くらいまでのDREAMには、一時青木選手を祀り上げる構図を連合赤軍に見立てたり、KIDや小見川といった選手らの離脱などが亡命のよう、なんて見えたり、そして、石井慧にそのキャリアに見合わない、格闘技がメジャーでいられるかの瀬戸際くらいの救世主みたいな過剰な期待をかけて、もしくは格闘技がギリギリ地上波にすがりつくためのカードとして受け入れたりと、あとハルクトーナメントのカンセコなどなど、ともかくメジャーとしてすがり付くことが不発に終わり続けるなんていうサイクルを繰り返すということで生まれる気配がものすごく硬化したものとして感じられ、これが正直キツかった。


 その後も青木に続いて川尻もまたメレンデスに惨敗することによって「日本にはまだ世界と闘える最前線のレベルのファイターがいるから」みたいな部分で保っていた部分も崩れさり、現在のDREAMには最低限の「メジャー」を名乗るための存在意義も大幅失っており、後に残るは「1R10分、2R5分」というラウンドを代表にしたPRIDEの廃墟みたいな部分ばかり。
 こんなこと書くと、なにもかもボロクソに言っているように見えるかもしれないが、実は全く逆で去年のDREAMが地上波だとか北米だとかに拘泥していたいろんな意味でのメジャーの地位みたいなキツい重石が無くなることによって、もはやこの興行が何の役割なのか何の役目であるのか不明になってしまいはしたが、スッキリした。2000年代の格闘技バブルは完全に終わったんだな、という、廃墟に訪れている時に感じる心地よさと同質の感慨を受けたのだった。

廃墟2

 もうあれだけ繁栄を築いてきたはずのデトロイトの街が「嘘だろ?」って思ってしまうくらい、一つの地区が丸ごと廃墟になり、都市機構としての意味を失った空間になってしまっているのを見るように、あの格闘技バブルからこうなってしまっていったのは悲惨である半面、そんな廃墟を訪れるのと同様の、意味や役割を失った伽藍が観る者に何らかの感動をもたらすのに今回の興行は近かった。

 所英男・高谷裕之・宮田和幸らの活躍なんかは見ていてやけにしんみりさせられたのも、かつてHERO’Sにて決してスターになったり、トーナメントで優勝したりみたいなことに山本KID以上になるまでには絡み切れなかった彼らが、時を経てこうして旧DSE陣営の興行の中でメインを飾るようになるとか不思議なもんだよな、なんて思った。

 高谷が1Rあんだけタックルや組みをしのいでたのに2Rから宮田の打撃をけっこう食らっているのを見ると、旧チーム黒船勢の長所と短所が出てる、なんて思ったりもする。川尻や石田もそういう傾向があると思うんだが、意外に高谷の攻略法が実は寝技でも組み技でもなく、タイトなボクシング技術であったりするというコロンブスの卵ぶりを見ていて、もう黒船解散しちゃったけどもともと山田トレーナーってボクシングコーチのはずでは?などなどの思いが錯綜したりしつつ、KIDの陰に隠れがちだった彼ら二人がメインを張って、様々な意味を含んでいるという光景は、それはそれでやはり、感慨深い光景なんだと思った。


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テーマ : 格闘技    ジャンル : スポーツ

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