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ヒョードル最終章・近代MMAの死・やがて哀しき2000年代

Category: 「見立て」の格闘観戦記録   Tags: 現代  近代  MMA  ヒョードル  ダンヘン  黙祷  
ウニバー

進歩し続ける「現代性」と歴史的意味や幻想と言った部分に寄る「近代性」との決闘
<<エメリヤー・エンコ・ヒョードルVSダン・ヘンダーソン 見立ての格闘観戦記録>>



<<レイ・ハラカミ「lust 」>>


 ダンヘンヒョードルの試合。対峙する光景。それは両者の実績やキャラクターや意味がメインではなく、ポイントなのはここ数年の両者を通して見とれる、現代MMAの前線のメソッド(技術からコンディションの作り方、より科学的に効率よい方法にシフトして行っている環境含め)の習得とその差という、すっげえシンプルな感想。

 言って見ればそれは2011年進行形の現代性と、2000年代過去形の近代性の闘いみたいに思えた。ヴェウドゥム戦、アントニオ・シウバ戦の時点より既にその兆候はあったと思うが、PRIDE時代を共にしてきたダンヘンとの比較によって、そのことがさらに明確になる。ということは、この試合が「ヒョードル崩御の時代の意味」の完結編としてはジャストではあったと思う。




 未だ日本MMAは現代性の前線(それは競技能力から興行、そして日本の世間に提供させる部分も込みの)に、辿りつくどころか遠ざかる現在、近代MMA(コミッション無し、踏みつけもがぶっての膝も寝てる相手の頭思い切り蹴り飛ばすこともありの異種格闘技もしくはヴァーリトゥードで最強を決める場で、ヘビー級最強こそ地球最強)までが咀嚼できる限界なのか?(この格闘技の近代性の問題はK-1はじめ世界立ち技とて同じだが)というのがここ数年来問われていることで、選手はじめ個々人ではその現代性を何とか追っていこうとしているが、日本のシーン全体では利害関係うんぬんを持ちだす前に単純に金になりにくいことで足踏みせざるを得ない状況か。という感じに映る。

 前にも思ったことだけど、「世界最強」という概念は虚構だ。ヒョードルというのは「どの格闘技が最強か」のようなというものが夢想され、時代の中でPrideやK-1など徐々に実現される場が出来、その内にさらに綿密なルール、階級の厳密化、武道や哲学みたいなテーマよりも効果的で科学的に有効なな技術やトレーニングの選択による、ボクシングの光景に隣接していくという現代に入る直前に位置していると思う。

 UFCに移籍、その後ストライクフォースに移ったダンヘンは同じくUFCに移ったランペイジ、現ミドル級王者アンデウソンに敗戦こそするが、その後にリッチ・フランクリンやマイケル・ビスピンといった近似したタイプのトップ選手を撃破し、ストライクフォースでもハファエル・フェイジャオンをも破っていることなど、間違いなく現代MMAの前線と関わり、そして結果を出していることなどにまつわる、そのドラスティックな実力への感情移入の鈍さとともに、キャリアや年齢を加味して感じられる凄みは、シリアスに現代MMAで出来上がっているだろう様々なメソッドを消化しているゆえに成立していると思われる。

 「最強」の虚構を保持していく最良の手段は闘わない(闘わせない)ことだ。闘わない(闘わせない)ことで、神棚に祀り上げること。それが格闘技に物語を、虚構を保持させるための手段であって、それが観る者に感情移入させ、興行の値を釣り上げるフェイクでもあると言える。

 もちょいテーマを絞ると感情移入そのものの問題であって、現代格闘技の光景としてGSPなどを頂点とした科学的に有効なトレーニングや戦術を遂行していき、厳密な階級性やルールが存在する光景というものと、今日のヒョードル以前の異種格闘技戦またはヴァーリトゥードでの最強を決める近代の光景のどちらを咀嚼しきれるか?ということで、ディアズはじめまだ日本の近代MMA視点とも重なることも多い、ストライクフォースという場で行われた旧PRIDEファイター同士のこの一戦によってジャッジされたのはそうしたことであり、MMAの歴史にとっての「近代」というものが終結した。ということになる。(ついに日本格闘技に残った「近代」の名残り、それはもうTBSの「ガチ相撲トーナメント」しかねーっつうか)

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テーマ : 格闘技    ジャンル : スポーツ

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