オウシュウ・ベイコク・ベース廃墟


リングスの帰還によって、修斗もまた救われるだろう

Category: ウェブ線上の批評   Tags: MMA  リングス  ジ・アウトサイダー  ZST  修斗  
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 前田日明のリングスが来年3月、遂に復活するらしい。これで和製ヴァーリトゥード喧嘩興行であるジ・アウトサイダーが選手を発掘する機構も込みの下部団体として機能し、リングスが活動停止した後も最後に生みだした独自MMAルール・KOKルールを継承した、所英男・今成正和らが主戦場としていた後継団体ZSTも合流していくらしく、リングスをトップとする興行・競技的なヒエラルキーを形成していくものになるらしい。

    現行の日本格闘技界にとってのリングスの帰還の意味とは?前田日明の評価は?

 リングスの再生によって修斗もまた救われるだろう。これは何一つとして確証はない見立てで、綻びだらけで少しの反論からすぐさま瓦解するだろう意見に違いなく、つまりは予言みたいなものだ。



 実質的にボクシング・レスリング・柔道のような専門的な競技スポーツとしての格闘技の実績といったバックグラウンドは無いけれど、本当に真剣勝負の格闘技を指向した猪木からUWF主要人物らプロレスラーの動きがあったことが2000年代の格闘技バブルにまで繋がる日本格闘技史上の現象を生んだことの中心となっていた、というのが日本の格闘技の近代史の評価という部分の最近の見立てで、新興格闘技の勃興ということで初期の格闘技通信などが幾度もハイライトに起用し、UWFをひっぱってきた前田日明というのはそういう現象を運ぶ意味として非常に重要な位置にいた人物だ。

 しかし、前田日明の場合は永遠にアントニオ猪木が「日本で初めて異種格闘技戦を興行として実践した人間」ということで各時代の各興行にてアイコンになっているに対して、第二次UWFがリングス・Uインター・パンクラスと3派に分かれて以降の経歴を見るにそこまで現象としての流れに乗っかっていくというよりかは、むしろ乗り切れないのか、乗らないようにしているのか分からないが、同じくUWFの重要人物だった高田延彦が宮戸優光をはじめ数多くの選手・運営からファンにまで祭り上げられること中で選挙に出たりの脱線も含みつつ、本当にヒクソン戦にまで到達してしまったのと対照的に、数多くのファンやメディアに祀りあげられようとかたくなに動かなかったように見えるし、いたずらに格闘技シーンの現象を煽るような興行的な仕掛けもそれほどしていなかったように見え、ものすごく格闘技シーンの現象を引っ張るファクターを抱えながらも、かたくなに自身の姿勢を曲げることはなかったように後から歴史を振り返っている自分からは見える。

 PRIDEはじめ総合格闘技人気というのが浮上し始めていく時代に押される形で、リングスがグラウンド打撃に制限を加えたKOKルールによるMMAを興した時にヒョードル・ノゲイラ・ダンヘン・アローナといった選手らを発掘したが、それら優秀な選手が当時資金力のあったPRIDEにどんどん引き抜かれていくことで力を失っていき、活動停止に至るという事実もまた、格闘技の現象を引っ張るというよりかはかたくなな姿勢を堅持していたことという印象の方が強く残るし、それから数年後のHero’sのスーパーバイザー起用と言うのも当時のFEGが対PRIDEを見越したMMAイベントということでPRIDEの統括本部長への当てこすりでほとんど名前だけの起用に留まっていたというを見ても、歴史的に新興格闘技という現象を爆発させるUWFからリングスといった団体を興した人物でありながら、その現象に翻弄されていたという印象が残る。



 K-1も傾き、格闘技バブルの残り香も消えつつある現在、猪木発のプロレスからの日本の新興格闘技史の現象とUFCはほとんどと言っていいほど繋がらず、格闘技の現象の連続性という意味ならPRIDEとHERO’Sが合流したDREAMがそれに当たるわけだが、現在のこの興行は残念ながら全ての日本興行格闘技の最悪の要素で構成されている厳しいものになっていると評価している。

 では、最初から大きなイベントとしての「現象」ではなく、新興の格闘技を一つのジャンルとして、アマチュアから選手を育成していくような、修斗を代表とする「競技」としての格闘技の現状というのはどうなっているのだろうか?

 正しいかどうかは分からんが、現在はどうあれそのセクションにウェイトがあると思われ、古関美保に谷川氏がオファーを出しているニュースに、かつてなら格闘技を世間にアプローチするサイドなら「紅白に勝つための飛び道具も必要だろ!」と評価するしナードコア格闘技オタクなら競技的に見る以上に現象にヤられていることを棚に置きながら「ふざけるな谷川お前のおかげで格闘技がダメになるんだ」という二つの感情がオレにも湧いたと思うが(オレは常に相反する2つの感想が出るようになっている・笑)、今では苦笑以上の感情がもはや出せなくなっている中では、もうそもそもの日本格闘技の地盤の面はどうなのか?次の時代は悪戯な現象を追うというよりここからではないか?という。

  自分にはリングス帰還というのはその意味で興味深く、修斗がこの非常にバイオレントなフォルムであるMMAというものを一つのスポーツであり武道として確立しているのに対しての、ジ・アウトサイダーMMAというジャンルがその実猛烈に欲している、ヴァーリトゥードの初期衝動的な部分をフォローしていると評価し、プロの場としてのリングスという一つのレベルが設定されたことによりイリーガルなものから公式のものへとシフトする道が出来たかに見え、新生リングスというのは巡り巡って修斗との対構造になり、スポーツか見せ物か。暴力衝動か武道か。などなど相克する二つの日本のMMA競技団体という構図が出来上がることになれば、非常に希望的観測が強い見立てになるがここから日本のMMAは再インストールされ、再認識されていくのではないか?という淡い期待がある。(もー、かなりかなり淡い。)

 来年3月に後楽園にて再生するというリングスは、ヴォルク・ハンやディック・フライに熱狂していた光景をやり直すような、解散していたバンドが銭稼ぎのために再結成し、かつてのファンがそれを確認するような興行には決してならないだろう。例えばかつてのリングスに熱狂していたような紙プロあたりの記者が「そこに俺が熱狂したリングスは無くなっており、”選ばれし者”でもなんでもない選手が上がる別物と化していた・・・自分が愛したあの時代というのは過去にしかないんだなと思わされた」などと皮肉と感傷が入り混じったような感想を新生リングスの興行が持たせたのならばそれは大成功と言って差し支えないだろう。

 無論、リングス再生というのが現状の格闘技界で即クリティカルになることは無く、全てはそこから数年後の世界への期待、ということにある。

 リングスの再生によって修斗もまた救われるだろう。これは何一つとして確証はない見立てで、綻びだらけで少しの反論からすぐさま瓦解するだろう意見に違いなく、つまりは予言みたいなものだ。

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