オウシュウ・ベイコク・ベース廃墟


エメリヤー・エンコ・ヒョードルのカウントダウン・Ⅱ/VSファブリシオ・ヴェウドゥム/ゼロ年代凍結の光景

Category: MMA   Tags: ヒョードル  ヴェウドゥム  MMA  
FEDER.jpg
 


  ヒョードルヴェウドゥムの一戦で一番はじめにショックを受けたのは、まるで僧院に出家したかのように髪を剃り上げたヒョードルの身なりだった。その印象は現世から足を洗ったようにさえ映った。





F2_convert_20100627225502.jpg
 

  参照・ 「エメリヤー・エンコ・ヒョードルのカウントダウン」


 上のカウントダウン1のエントリで、ヒョードル政界転身と引退の噂に関しての考察を書いたが、今回のこの結果を持ってハッキリと心に浮かんだのは「ヒョードルは本当に格闘技から降りる気だ」ということだ。ヒョードルが政治家になるというもやはりマジにやる気で、2足のわらじで行かないような気がする。

F4_convert_20100627225645.jpg

 ド素人の格闘技ファンの意見で恐縮だが、同大会のベストバウトだろう「ジョシュ・トムソンVSパット・ヒーリー」を見ても、実力が拮抗している中での対戦というのは普通ああした間接技の攻防というのも選手が互いに熟知しており、よほどの実力差が無い限り1Rやそこいらで極まることはないように思うし、また「青木真也VSエディ・アルバレス」(DYNAMITE!2008)のように秒殺で極めた例もあるが、あれは青木の寝技を警戒するアルバレスをそれでも青木が巧みにグラウンドに引きずり込み、ヒールを極めた試合だったが、今回のヒョードルの一戦の場合は最初にスリップしたヴェウドゥムを迎撃しにパウンドに向かった、という形でヴェウドゥムの戦術というよりかはヒョードルの方がいくらでも避けれたものを相手の陣地に自分から足を踏み入れてしまったように見え、また一回目のヴェウドゥムの三角の仕掛けを避けた時点で寝技は危険と思われるのにかかわらず、強引に試合を終わらせようとするかのようにパウンドに向かっていった姿は、かつてノゲイラと最初に闘った時のような細心の注意を払って慎重にパウンドを打ち込んでいった冷静かつ冷徹な姿と異なっているように見えた。 
F3_convert_20100627225547.jpg
 
 今回のヒョードルは、以下にあげる試合は状況も階級も人種も構図も異なり、参照にはなりにくいことを承知で書くが、2009年の戦極の「五味隆典VS北岡悟」と、この間のDREEM14の「桜井マッハ速人VSニック・ディアス」の結果の気配に似ていた。どれも1ラウンドにてサブミッションで決着が付いた試合で、黄昏にあるカリスマが再起や引退をかけて臨んだとされる一戦で敗北した試合だ。
  これらと今回のヒョードルが最も共通しているように見えたのはどこか「試合を降りた」かのように見えることで、もちろんヴェウドゥムも、北岡も、ディアスも一線級のグラップリングと間接技の使い手には違いなく、一瞬で極める能力に長けていることは言うまでもないのだが、ヒョードルも、五味も、マッハもキャリアの中でそうしたグラップラーとの闘いを幾度も経ているわけで、その経験というのも見てきた身からするとヒョードルがあんな緊張感も戦略もないイージーな展開で終わりになること自体無いと思われ、やはり「引退」の話は本当で、ヒョードルはMMAを辞める気でいるのだとしか思えなかった。
冷たい黄昏
 あまりにもな展開に「皇帝暗殺」だとか「格闘技におけるソ連解体」だとか「突如としての皇帝の隠遁の宣言」だとかくだらないコピーが頭の中で駆け巡るが、間違いないのは、これが明確な「ゼロ年代の終わり」の光景として今後語られるのだろうということだ。
  ヒョードルはあの幻想と言う幻想が、真剣勝負の場が実現してしまうことでなにもかもの権威までもが水平化していってしまうゼロ年代の、最悪にして最高の結果だったといえるミルコ・クロコップに対し、ほぼ問題なく最良の結果だと言える存在だったと言えると思うが、自分が問題だと思うのは「ゼロ年代の終わり」しかここで見せられなかった事だと思う。
  「ダナ・ホワイトがこの結果を見て高らかに笑っているだろうな」とかいった意見が各所で見受けられるが、むしろオレはせっかくの世界最大にして唯一の「最強」幻想を持つカードが中小団体SFの中でカタルシスなく消化され、「バレかけている」どころか「降りた」ような姿という意味のメソメソした「終わり」になったことでヒョードルの価値が大きく下落したことでダナもショックを受けてるんじゃないかと想像する。さらにUFCが拡大するうえで、UFCのオクタゴンにて「最強」の名を持つ者を最初に叩きつぶすことが必要不可欠だったと思うからだ。

  仮にヒョードルがUFCに上がり、レスナーに失神させられるという結果だったらどんなに気が楽だったろうか。ここでUFCが決定的に増長するとなるのはあるいは胸糞悪くなるかもしれない。だがしかしそれは「ゼロ年代の終わり」のみならず新たな「2010年代の始まり」を象徴させもするだろう。
  現実にはわずか1分弱でヴェウドゥムが三角締めで勝利するという結果となったが、特に「最先端の技術で」とか、SFが仕掛けた「新たなる世界最強のヒーロー創生」でもない、UFCのジュニオール・ドス・サントスに秒殺された人間の何の味わいもない無意味に近い勝利の中に「新時代の幕開け」を感じることは難しいだろう。今現在までに青木の惨敗などに続き「ゼロ年代の終わり」の光景ばかりが更新されるが、いっこうに「2010年代の始まり」と言える光景が見られないことが問題と思うのだ。
スポンサーサイト

Comments

> 現実にはわずか1分弱でヴェウドゥムが三角締めで勝利するという結果となったが、特に「最先端の技術で」とか、SFが仕掛けた「新たなる世界最強のヒーロー創生」でもい、 UFCのジュニオール・ドス・サントスに秒殺された人間の何の味わいもない無意味に近い勝利の中に「新時代の幕開け」を感じることは難しいだろう。今現在までに青木の惨敗 などに続き「ゼロ年代の終わり」の光景ばかりが更新されるが、いっこうに「2010年代の始まり」と言える光景が見られないことが問題と思うのだ。

最近よく聞く「ガラパゴス化」の象徴的な結果でしたね。今時、パス際の三角締めの仕掛けにあっさり掛かるあたりが残念極まりない。
どうもです。

前々回のエントリーでは、ツイートの内容を使ってもらってありがとうございました。
何かを考えるひとつのきっかけになったのであれば、とても嬉しいです。

ヒョードルに関してですが、
あの自称”600戦無敗”の人のような勝ち逃げ的なフェードアウトではなく、ちゃんと負けたところがえらいなぁと、単純にそう思ってしまうところですね。
10年くらい負けなかったんでしたっけ? それだけモチベーションが続いたってこともすごいなと思います。

>刺青怪人さん

うすうすみんな気付かれていたように、世界水準から離れた試合をここ数年間展開していましたからね。
ただヒョードルほどのビッグネームになると簡単に試合が組まれることも難しくなるし、世界であまりにも高い地位にいることが、皮肉にも世界水準から離れざるを得なかったようにも思えます。さらには政界入りの話などで環境がゴタゴタし、メンタル面での変化が今回顕著だったように映りました。

>かかとおとしさん

格闘技における「世界」の感覚とK-1の関係ってのは重要ながらあんまどこ見ても考察されてないと思ったので、考えを書いてみました。

>あの自称”600戦無敗”

200戦増えとるわっ!(笑) ああいう結果に終わったとはいえ、これもまたヒョードルの堅実な性格を現していると思いました。だからこそ最初にして最後の「最強」なんだと思っています。
こんばんは。

リンクよろしくお願いします。
http://superarena.blog18.fc2.com/blog-category-2.html
First Contact BLOG | MMA FAN
にも登録完了です。

む... 小さめの前兆を感じたので戻ります。 ではでは。
Re: タイトルなし
SAMURAIさん
リンクありがとうございます!よろしくお願いします。

> む... 小さめの前兆を感じたので戻ります。 ではでは。

まさによくわからないが侍魂を感じました。私目もフォースを感応できる記事を製作するよう粉骨砕身の気概で
いくであります。
> む... 小さめの前兆を感じたので戻ります。

http://tenki.jp/earthquake/detail-2616.html
2010年6月29日(火) 7時29分 7時24分 岩手県沿岸南部 M4.6 震度3

これでした。
>Samuraiさん

東北住まいなんですか?

あーくそ、PKで日本が敗れるとは・・・残念だ

Leave a Comment

プロフィール

EAbase887

Author:EAbase887
人気ブログランキングへ

ビデオゲームというフィルターから俯瞰する、現代エンターテインメント総合批評
「GAME・SCOPE・SIZE」もやっております。ゲームの他に映画・アニメ・小説なども取り扱っており、興味があればこちらにも。

人気ブログランキングへ


ひっそりとド偏見アニメネタレビュー「14ー21歳のセックスか戦争を知ったガキのモード」「もスタートしましたので、妙に少なくない格闘技ファンとアニメファン兼用の方はこちらもよろしくお願いします。

TweetCasting

ツイキャス・LIVE放送中はこちらからでも視聴できます



 
検索フォーム
 
 
 
 
 
 
ブロとも申請フォーム
 
 
QRコード
QR