オウシュウ・ベイコク・ベース廃墟


アンデウソン・シウバの秘策とは、ソネンのパンチを旨そうに食べ始めることだろう

Category: MMA   Tags: アンデウソン・シウバ  ブラジル  MMA  UFC  
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 現代MMAの進化の加速力とは、大まかに言って北米性と南米性の相克によってもたらされていると思われ、それはGSPとアンデウソン・シウバのふたりのパウンドフォーパウンドの選手の対称から読み取るのが分かり易いだろう。そこには様々な視点での相克が読み取れる。

 
 南米ブラジルではこれまでの歴史の中で入ってきた日本の柔術をはじめとした武道などからムエタイまで、様々な格闘技が醸成して混ざり合っている場となっており、その意味で今のMMAを勝ちに行くためのボクシングとレスリングと柔術といったパラメーターに分けドラスティックな技術体系化を進めているかに見える北米とその点でも綺麗な対称となっていると思う。

 北米MMA技術体系の代表だろうGSP編は以前に軽く書いたので、今回はアンデウソン・シウバを中心にした南米・ブラジルがミックスしていく世界の格闘技に関して。


 例えば現在の立ち技が奇跡的に米国PPV型の興行形態と移行したとすれば、基本的に博打でありいかにオッズを釣り上げ胴元が儲けるかという目的のムエタイがエンターテインメント・ショー寄りになることを目的にすることで試合の光景や技術体系にも変化があるのではないか?と思われ、そこでエキサイティングな試合の攻防に移行するに置いて、ムエタイのベースの上にさらに倒しに行けるボクシングの攻防やボディワーク、フットワークといった動作のミックスによって、現在のペトロシアンやこの時すごいと思ったサニー・ダルベックなどのように、チェスや囲碁をやるかのようにお互いが攻防をやり取りするなんてことはなくなり、エキサイトマッチのパッキャオやドネア、セルジオ・マルティネスの試合を見るような流れに進歩するんじゃないの?という仮説がある。

その仮説があるのも、オレの簡単なリサーチでなんだが格闘技にはFIFAのような非営利で競技を統括する機関が歴史あるボクシングでさえも不在であるゆえに、それゆえに全ての興行格闘技はそのまんまだけど「格闘技の競技性だとか判定などは興行と資本によってかようにも揺らぐ可能性がある」と考えているせいだ。

 ムエタイの興行手段と目的は博打。で、博打で胴元が儲けるのに合わせた試合形態と判定基準が発達した(のではないかと思っている)。オレがタイファイトを推すのはショーへとシフトすることによって興行の目的が博打からスペクタクルへと変わることによって、ムエタイの競技能力がエンタ―テイメントとして生かされるものになるのではないか、と思うからだ。判定基準にも変更が起こると思うし。まあかなりの長く続け、規模を広げないとと思うが。(ショウタイム買収し、実質立ち技の最大団体となったらしいグローリーがタイのムエタイの選手層を取り込み、興行格闘技仕様の意識を植え付けてくことしてかねえかな。)


 しかしオレには、現実のムエタイ技術というのが興行格闘技の場で鮮やかに映るのはここのところザッとみたところ立ち技の世界ではなく、むしろ現在のUFC、それもジョセ・アルドやアンデウソン、エジソン・バルボーザなどブラジル人ファイターらの闘いからだ。オレには今のところショーの場で輝くムエタイっぽさというと彼らが思い浮かぶんだが、遡れば実のところブラジルにて生かされているのはムエタイだけでなく、空手、柔術などなどの世界の格闘技が奇妙に浸透している場となっているのである。




 UFCの歴史更新速度の理由は、単なる選手層うんぬんというより北米vs南米の対称が大きいのではないかと思う。MMAのガチガチなディシプリン化を進める北米と、体系化を外したうねりというか、様々な格闘技がないまぜになりながら思わぬところで相手を倒してしまう南米、という対照。これはまんま世界や現実を極めて体系化してしまう西欧的な発想vsそこから大きく離れる中南米の感覚の相克!って別ジャンルでも見られるものが実現され続けているともいえ、オレのUFCの面白さってのはそこにあると思う。現に、TUFの北米ラスベガスジムでの選手とブラジル発の選手とでは明らかに戦型が違っているし、TUFのブラジル選手は微妙かなーと思ってたらカポエラドーン!と来たりするから侮れない。


 MMAのディシプリンの構築に熱心な北米に対して、ブラジル発の選手らの奇妙さというと古くはグレイシーが何故か日本の柔術を習得していたり、フィリォやLYOTOなどなど何故か空手の実力者が揃っていたり、もっと奇妙なのは別に空手や柔術もブラジルが生んだわけではないのにその格闘技の武道性にかなりのところ選手の人格まで寄っている(ように見える。グレイシーもLYOTOもフィリォも負けたら切腹の顔を亀田一家の3億倍している。)ことや、また実際のMMAの場で本当にその武道の体系を生かしたもので勝っているということだ。

 そんでカポエラとかムエタイまでも奇妙に浸透し生かされているわけで、北米が完全に体系化され洗練されるスタイルの一方で南米の格闘技の混合化を見るにもう曼荼羅とかカオスのような気配をオレは感じるのだ。

 そして現在のアンデウソンというのがブラジルの曼荼羅やカオスを象徴しているかに見え、チェール・ソネンとの再戦は本当にこのUFCを取り巻く北米と南米の相克そのものであり、この試合をどう予想するか?というと、このようにブラジルでは世界の格闘技、武道の歴史が隔世遺伝的に伝わっているわけで、アンデウソンはどう戦うのかというのは思うにこれが確信に近い。次の動画を見て頂きたい。



 日本の武道というのはある意味ではブラジル発で再評価・再設定されてきた歴史がある。すっかりみんな忘れているようだが全く思わぬところで何かが復活する可能性というのが常に残されているのだ。上の動画の創始者は「手をおにぎりのような形にした構えから飛びかかる」というのが無敵と言ったという。

 ということでオレのアンデウソンvsソネンは、「アンデウソンがおにぎり構えでジャンプしてビンタで秒殺」。もういいじゃないか。競技理念がどうとか。サウスポーには右ストレートが必要とか。四つ組みの強さがどうとか。予想がつかない/意味しないことに細かい予想は野暮だろう。アンデウソンに勝利によって日本の格闘技は復活しなくても人をビンタで倒せるということを、ブラジルがまた教えてくれるのだ。
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テーマ : 格闘技    ジャンル : スポーツ

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