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格闘技ファンが「今の世間は格闘技をどう思っているのか?」を知りたければこの映画を見ろ!

Category: ファイト・シネマ・スコープ   Tags: ボクシング  邦画スポーツ問題  
 

 さてこのブログはボクシングがなにやら権威立てられていることだとかk-1やMMAなど新興格闘技がそれと比較してどうしてプロレスと混ぜ込まれて括られることになるのか?というイメージに凝り固まっているのをなるべく紐解くような作業を行っていたわけなんだけど、そういうスタンスで格闘技に触れている中でとある映画を見た時にもうホントにドーンと落ち込んだのだった。

 そのとある映画とはこの日本の世間のにとっての、おそらくは「格闘技」というものに対しての共通認識、凝り固まった俗的なイメージがそのまま映像化されているとしか思えない代物で凄惨な気分へと陥ったのであった。半端に格闘技ファンであるオレが見た「世間にとっての格闘技イメージ」とは何か?ということで「映画版あしたのジョー 観賞記録」!




 まあ旬の話題ではないんだが、映画版あしたのジョーと言えば伊勢谷雄介が力石の役を作るに当たって本当に過酷な減量に挑んだことがちょっとしたハイライトになっていると聴いており、そういう努力が為されているのならと実はさりげなく去年の公開当初は期待していた。が、結局見なかったんだが。

 そして今年になってふとWOWOWを見たら放映していたので見てみたら、去年のうっすらと抱いていた期待が見事に反転していくとんでもない内容で、オレの心の中に「これが結局日本の世間にとってのボクシング、格闘技のイメージなんだ」と痛感させられた思いが残るのだった。




 そもそも「ボクシング映画」というのは映画もボクシングも興行という部分でトップであるアメリカでは簡単に思いつくだけでも「シンデレラマン」とか「ザ・ファイター」などなど、実在のボクサーをモデルにした映画を撮っているわけで、これは最近も言及したけど日本のボクシングで言うところの日本で初めて世界のベルトを取った白井義男や、60年代に大活躍したファイティング原田や、壮絶な人生を歩んだ大場政夫などなどが真っ向から映画化されたというのは聴かない。もっと言うとアメリカ映画でスポーツ映画の名作が多数存在しているのに対し、日本で(いや、アメリカ以外の国でかもしれない)スポーツそのものが大作映画になるということはあまり聞かない。

 しかし、例外的に近年の邦画でスポーツが大作映画になるというのは奇妙なことに「デビルマン」とか「キューティーハニー」とか「キャシャーン」などなどの人気漫画・アニメの原作が実写映画化されるような流れで、近年は漫画原作という形で「タッチ」とか「ルーキーズ」などが映画化されるという奇怪な形で日本でもスポーツ映画が公開されるという形となっており、この「あしたのジョー」という普通いじることが許し難いはずの原作がこうして映画化されるのもその流れと見える。

 なるほど漫画ではスポーツを扱うことは王道の一つだろうし、実際漫画の方で「スラムダンク」(あーこの作品に限っては実写化避けてるなあ。逃げ切れ!)などの名作などは単なるドラマツルギー以上に現実の細かい技術論やフィジカルとメンタル両面のトレーニングと言ったディテールを描写していること以上に、そうして描かれるリアルな試合の中で、現実に試合を観賞しているだけでは見えてこない、試合に含まれている物語性や感情をすくいあげることに優れた作品はいくつか見かける。「あしたのジョー」が60年代の原田や大場が活躍した日本のボクシング黄金時代、高度経済成長時代を反映した側面があるのは確かなのだ。

 が、そうした漫画の実写化という段取りに入ったとたん、現実のスポーツが持っているドラマツルギーをすくいあげる方向にならずに悲惨なことになるのである。まずそこがアメリカの「シンデレラマン」などの実際のボクサーの伝説を元にボクシング映画と映画化された「あしたのジョー」との違いであり、このことをさらに突っ込めば日本の世間にとってのボクシングとは第一にまず現実の競技、選手ではなく漫画のほうにしか経済的にも、印象的にも存在していないなんてことすら思ってしまう。実際「はじめの一歩」の作者がジムを運営していたりするしな!



 
 ここで漫画の映画化と実際のスポーツ選手の映画化は違うだろと言われればしょうがないんだけど、実際通して映画を見るなかで「日本人が格闘技に抱いているイメージ」というのがそのまま映像化されているとしか思えないのがやはり山Pと伊勢谷の試合のシーンからだ。

 この手の格闘技絡みの映画のアクションシーンのクオリティを判断する際のポイントは、たくさんのカットを繋ぐだけでそれなりのアクション映像を作るのが可能であるだけに、いかにカットを割らずに一つのカットの中で動けるのかであって、そこで俳優の体力や動きの力量が分かってしまう。ぶっちゃけボクシングは出来ない山P&伊勢谷はその意味で健闘してるとも言えるんだけど、それに関してを編集やCGなどを使えば使うほど安っぽくなっていってしまう。昔のムエタイ映画「マッハ!!」が凄いのはCG&編集によるアクション演出術へのアンチテーゼというよりかは、結局アクションシーンのクオリティというのはもっとも単純なそこにしかないということだからだと思う。

 しかしもう平然とダウンしたらカウント9で立つというのを何度もまたダウン!カウント9で復帰!みたいなのを繰り返して盛り上げるのって、普通にボクシングを見てたら絶対に無いどうかしているシーンだ。なぜならシャレではなく死んでしまうからだ。ボクシングではマットに崩れおちてダウンした人間が無理やり立つことへの感動というのはまったく無く、いかにお互い動いてに打ち倒しあうかに生まれる試合のグルーヴにかかっており、ダウンはその均衡が破れることだ。動けない二人とCG技術屋あがりの監督がその感動を映画的に引き出すのは無理な話とはいえ、負けかけている人間がギリギリ振り絞って復帰ってのが実現できるジャンルは全日本四天王プロレスのカウント2.9で復帰ぐらいなもんで、第二の漠然とした格闘技へのマスイメージでの感動ってこんなとこではないかと思ってしまう。

 第三に格闘技では退屈させないようにお互いが打ちあえ!そして盛り上げろという世間が格闘技に求める残酷な欲求もこの映画の試合のシーンは実現している。なるほど山Pと伊勢谷は果敢にも打ちあうのである。ただし全くダメージの無い胸のあたりをお互いがバーンバーン!これもまたローリスクで試合を盛り上げるためにお互いがエルボー合戦になる最近のプロレスの試合を思わせる。

 
 以上のことをまとめると世間にとっては格闘技をこんなふうに捉えているんじゃないのかという恐るべき輪郭が見えてくる。ボクシングの神話と言えば「あしたのジョー」だけで、本当は危険極まりないのに無理やり立ちあがる姿に感動で、効きもしない打ちあいで盛り上がる。いくら「漫画を再現してますから」というアナウンスがあろうが、減量の果てにリング渦へと陥ってしまうという本当にナイーブな話を扱っているのに、何か美談にすり替わっているような解釈はどうかしている。しかし、それを大作映画として製作してしまえる現実こそまさに世間によるイマジネーションの産物なのだと思え、オレはこの映画が描いているものを潰すつもりで完全に見ないようにされているボクシングの歴史から新興格闘技の歴史の比較などなどをやっているのだと思わされたのであった。




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テーマ : 映画感想    ジャンル : 映画

Comments

スポーツ全般において邦画は拙いですね。
いやそもそも各スポーツ自体ではなく漫画を通してしか関心を持てない奴が監督になってるということが問題か。
それとも俺のような素人に合わせてわざとあんな描写にしてるんですかね?

なんとか邦画でもまともなアクションを描こうとしていたのはチャンバラでしょうね。もちろんモノクロ時代ですけど。
いまは大河ですら薄ら笑いの出るレベル。そもそも今は時代劇作られないからこれからは全部るろうに剣心になるのかな。

まぁハリウッドもバットマンみたいな超メジャー作品は赤ちゃんの喧嘩みたいなアクションだからやっぱり素人(観客層)に合わせてあのレベルなのか。。。
>sabooさん

どうもいろいろ調べてると邦画は制作委員会方式によって、よりリスクを取らない合議制のおかげで
奇っ怪な漫画原作にジャニーズや売り出し中の女優などが主演と
まあー遠目にはすげえ各方面とのパワーバランスに引っ張れちゃって
監督本人に資質のある人でも、そこに引きずられて面白いものにはなり辛い印象あります。



バットマンは、たぶんダークナイトかライジングだと思われますが、
あれは監督のノーランが素手ゴロの演出が苦手なせいでしょう。

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