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日本MMAのパースペクティブを見通せるDEEP CAGE  IMPACT

Category: 「見立て」の格闘観戦記録   Tags: DEEP  金網    静かな最前線  
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 日本のMMA、K-1など新興格闘技興行ではもうメジャー団体が成立しなくなってしまい、漠然とUFCを最前線としながら、国内で成果を上げている選手がたとえばシンガポールONE・FCや北米ベラトールにて転戦している中で、国内の前線が一体どこにあるのかが不明になっている時に、今回のDEEP金網大会を見るに今の日本のMMAの前線合流地帯はここになったんだとメインとセミの試合から思った。そこに近年の日本MMAがさらされている状況が試合内容などと共に提示されているように見えたからだ。
DEEP CAGE  IMPACT
<<大塚隆史VS和田竜光 DJ.taiki VS TAISHO見立ての格闘観戦記録>>




<<『ここは静かな最前線』>>






 
 今年に入って四カ月、ついに国内でのK-1・DREAMといったメジャー興行が一つも打たれず、UFCの日本興行のみ国内で行われた唯一のビッグイベントというのは今の日本格闘技の前線はどこか?プロとは?メジャーとは?という部分で象徴的だ。

 そうした背景で見る、ケージ・リング問題が騒がれてもうけっこうな時間が経っている中でのDEEP金網大会は肘から四点膝、サッカーボールキックまで解禁されているものすげえバイオレンスに振り切っていることが売りになっているが、そういうルールを採用しているのも含めて実際のところ現在のDEEPこそが今の日本のMMAを取り巻く状況が凝縮されているかに見える。

 出来ればもう毎大会金網にしてしまって欲しいところだけど、金網も北米MMA大会のものと比べるとサイズが小さいものであるし、エドガーやクルーズのようなフットワークなどの意識を伸ばしきれるものではなりにくそうであるが、日本の金網大会ケージフォースの興行が停止してしまっている中では実質的に準・北米MMA的な環境の大会になっている。

 DJ.taikiが1Rムエタイ技術を落とし込んだタイトなスタンドでミドルから首相撲、そこからこのルールで非常に有効に働く密着した距離からの、際で放たれる肘で圧倒していく。これまた旧K-1が完全に終わったあとの日本の立ち技の光景として、果敢に正史ムエタイとの決戦を行う梅野源治がある試合でフィニッシュした試合を思い出した。やっぱDJの武器でものすごくでかいのがこの身長とリーチで、これでさらに強いジャブなどのボクシング技術が加わり距離を完全に制していく闘い方になったとしたら、フェザーの岡見勇信のようになれるんじゃないか?

 セミとメイン共にこのムエタイの組み技・密着距離からの打撃といった技術がいかにミックスされていくかという意味で非常にわかりやすい試合であり、特にタックルを切り、そこからの首相撲からの膝を有効に使い、大塚を破った和田竜光、あんまDEEPは気にして見て無かったせいでマジで今まであんまり知らなかったし今から「こいつはすごい!」と褒めるのは遅いのかも知れないのだけど、フットワークやボディワークをしやすそうな、ボクシングでいうところのメイウェザー的な脱力した構えからの踏み込みなどなど見所が多かった。煽りではコンビニの棚卸の店員みたいだったけど試合ではパンチに髪型を変えて戦闘態勢にしている感じも含めて。

 ちょっと調べてみると和田は単純に勝ち負けで見てるとキャリアはじめは一本負けがちらほら見かけるが、やはり現在の強さがどれくらいなのかを測るのは白星黒星の差分では全くなく、おおよそ1年以内に行われた試合の中で、誰にどういうスタイルの選手にどういう内容で勝ってきているかだ。バリバリのストライカーでリーチ差のあるDJに対し、なんと打撃で圧倒する展開を見せ2-0で判定勝ちしており、そしてキャリアやレスリング技術が武器である大塚を撃破したということはかなりの実力者であり、判定での勝利であるがあの柔軟な脱力したスタンドでの打撃や、タックルを切っての首相撲からの肘・膝、そしてタックルのカウンターからの大塚を極めかけたフロントスリーパーなど各セクションの精度が上がっていけば自然とKOや一本の数は増えるんじゃねーのだろうか。(もうかなりのところ技術の公式化も進んでいるだろう現在のMMAでは、一本取りに行く意思や性格の強さに加えて、冷静で精密な技術が無いとあるレベルのクラス、それこそDEEPあたりからKOしたりするのが難しくなってくると思われる。TKがそれを「冷たく、キレろ」と言ったそうだがこれは名言だろ!魂にメモしろ!うろ覚えだけどな!)




 

 「吉田道場の総合格闘技道場が閉鎖しても、和田選手はいい練習ができてるんじゃないか」というようなこと(うろおぼえ)を解説の青木真也が言った。

 和田竜光の背景が提示したことはもう一つあるように見えた。それは北米MMA大会にていくつも敗北を喫し、UFCで闘っている秋山のジムさえも閉鎖することになっているなか(ただ背景はそれぞれと思われ日本MMAの流れとは断定しかねるが)、現在の日本のMMAでの技術の底上げでの詰まりかたというのはいつかのこのニュースから感じられるが、その点で今度の長南亮の井上三太代表作風な名前『TRIBE TOKYO M.M.A』の開設などは期待がかかると共に、やっぱTKに次いで長南がクレバーな指導者・解説者(あれ?そーいや、やってそうでやってねえような)として現代のMMAの路線に乗ろうとしているといったように、これもまたケージ・リング問題どうこうの時に、日本のMMAのジムの面でもゴン格の記者だったかがかなり「北米化しろ!」と追及していたが、ここも時間が経過する中で記者の思い描いた絵図なのかはともかく、完全に北米の最前線を見据えた具体的な方向になろうとしてきてる。

 つまるところ、オレが今回DEEPで日本のMMAの前線合流地帯を感じたのは、完全に質的転換を遂げた現在のMMAの時代の中で、2年ほど前にケージかリングかということで揉めていた物事の大半を、当時存在していたメジャー興行が煽りVにするくらい半ば「ネタ」でそんな時代の変容を消化していたものが、こうして時を経て代表選手が次々と北米で負け、メジャー興行も亡くなった今、実にシリアスに取り組まざるを得ないことになっている点であり、それは今回DJの試合の結末と顛末にいたってさえも感じる。

 「ワセリン付けないと、ホント肘のカットで終わっちゃう」というマイクを納得せざるを得ない両選手の裂傷の深さや、そして前例に無い結末故にしばし戸惑ったと想像される運営と、その後の決定を前にして、見ているオレは競技的整備の意味でも北米のMMAの完成度を考えざるを得ないということになっている。ここでバイオレントなルールできたものが、また一つ北米コミッション的な方向に近づくのだろうということもシリアスに思う。

 以上の現状を踏まえる意味でも、そして試合内容の面白さと言う意味でも、この和田とDJの二試合は今年に入っての国内のMMAで最も印象深い試合だった。次回はなんと菊野vs北岡、中村大介vs岸本というのがメインというこれもまた「国内の最前線」について思いを馳せてしまうのだが、おそらく大抵のファンが同様のことを思ってるんだと考えるが現在のDEEPがぎりぎりのところで日本MMAの商品価値を保持しているのは確かだ。


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テーマ : 格闘技    ジャンル : スポーツ

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