オウシュウ・ベイコク・ベース廃墟


語る言葉の取り扱いと距離に関しての雑記

Category: 格闘周辺時評   Tags: 批評の文脈  ボブ・サップ  中村大介    
ベイコクベース・バック

<<ハイコンテクストとローコンテクスト>>
<<ボブ・サップの名誉と報酬>>
<<ほとんど無条件の愛>> 

<<ハイコンテクストとローコンテクスト>>

 もーホントに「日本国内で市場が回せることにより、独自発展したが、しかし昨今それが通じなくなり海外に需要を求めるも、かえってその独自発展した部分によってそれも通じない」といった、主に携帯電話の産業に関してを皮切りにこの事象を「ガラパゴス」とかいうようになり、そしてその批評の文脈の容易さゆえに猛然とこの言い方が広まったが、このブログの初期の方でも言った通り、正直本当にそれがキツい。

 ものすごく安易に自国の傾向を咎める言葉が流行ることによって(もちろん、その安易さに不快感のウェイトがかかっている)、何かもっと現状を的確に、普遍的に伝わるよう表せる言葉は無いものかと以前より思っていたが、最近になってこの言い方が一番腑に落ちるところがあった。それが表題のハイコンテクスト・ローコンテクストという言葉だ。

 この言葉を簡単に解説したサイトから引用させて頂くと、

ハイコンテクスト文化
聞き手の能力を期待するあまり下記のような傾向があります。


直接的表現より単純表現や凝った描写を好む
曖昧な表現を好む
多く話さない
論理的飛躍が許される
質疑応答の直接性を重要視しない

ローコンテクスト文化
話し手の責任が重いため下記のような傾向があります。


直接的で解りやすい表現を好む
言語に対し高い価値と積極的な姿勢を示す
単純でシンプルな理論を好む
明示的な表現を好む
寡黙であることを評価しない
論理的飛躍を好まない
質疑応答では直接的に答える



 とりあえず、ハイコンテクストうんぬんの言葉をふと調べていた時にこちらのビジネス英語のコミュニケーション関連サイトに当たり、そこが一番分かり易く解説していたのでもう少し詳しい内容はリンク先を見て下さい。

 この区分けに乗っ取ってハイコンテクストとは何か?を極めて単純にして振り分けると、「とりあえずアート関連」「カンヌ・ベルリンあたりの映画祭で評価される映画」「ヤンキーかオタク文化」「つまるところクラスタ化・村化した集団間の共通認識で通じあうもの」「オウシュウ・ベイコク・ベース文体」などなどがそれに当たると思われ、対称的にローコンテクストはというと「ハリウッド映画(極めて単純化したストーリーながら人種差・国家などの差異を明確にする)」「任天堂のゲーム」「企画を持ちこむことや就活などでのスタンス」「つまるところ、共通認識の無い、あらゆる国や人種の文化的・精神的な背景差に引っ掛かることのなく伝える文脈」と言えるだろう(間違ってるかも)。

 この二つの違いは、その属する文化やスタンスが高級か低級かという問題ではなく、物事を伝えるための文化や精神といった背景を重視するか、どんな背景の人間にも普遍的に伝えるようにするか、ということだ。

 この文脈に乗っ取りながら話を戻すと、興行格闘技全体では簡潔に「FIFAのような機関の不在、世界的なルールの統一」という、どの国でも普遍的な規範を構築することが為されていない一点によって普遍的なコンテクストというのは不在のまま進んでおり、MMAにおいてはオリンピック競技化を進めるズッファなどがそれの普遍化を為そうとしている最中(それもまたUFC周辺が今現在のジャンルを牽引する理由の一つだ)であるかに見える。

 他スポーツが構築している普遍性のある規範や環境がオリンピックでの格闘種目以外には存在しない以上、極論してしまえば(めっちゃ論理的飛躍)UFCを除く全ての格闘技興行は一部国家、さらにその一部地域、一部クラスタのためのハイコンテクスチュアルな代物であるともいえ、オレはタイファイトからアウトサイダーまでを大きく取り上げはするんだけど、それはどれもこれも一部で極端に独自発展したものを世界の格闘技の文脈に置き換え直したとしてどの位置に当たるのかって文脈で書いてるし、つまり現代アート界隈が良くやるような欧州米国的なジャンルの体系や歴史といった普遍的なコンテクストを物差しにして各種の興行や選手を測ることで、コンテクストを紐解くようにするというやり方だ。オウシュウ・ベイコク・ベースってタイトルそういうことなんだよ!(唐突に・悟空が実は宇宙人だったというのを後付けで明かすような感じで)


 そういう意味で日本の格闘技の発展というのがガラパゴスってのは違うんではないのということであり、PRIDE崩壊~UFCによる買収までどの国の興行格闘技だって普遍的な規範が見えないままここまで来ていたわけで、どの国もてんでバラバラで本当はどれも普遍性の遠いガラパゴスだろ(論理的飛躍)、超地域的なものだろうというのが最近の気分で、興行格闘技の近・現代史上本当に普遍的な基準を見通すには、まずはアメリカのボクシング興行の歴史を見逃すことはできないんじゃねえのかなあと。

 
<<ボブ・サップの名誉と報酬>>

 もう格オタにとって恒例の爆笑動画製造機と化した最近のサップだけど、笑いながら思うのは本当に興行格闘技に関わっている人間(選手から運営に至るまで)の最終的な名誉と報酬ってなんだろうな、というやたら切ないことだったりする。しかも日本人好みの寅さんとか釣りバカ日誌ばりの「笑えて哀しい」ならまだしも、「笑えて哀しいのにまるで同情できない」という。これはすごい。日本で人気出たのに最終的に何一つ日本人好みに落ち着かねえ!いや、芸能視点で言ったらこれは外国人タレントのあるあるなのか。TVは爆発したので観てないからわからない。

 まだまともに格闘技を見ていなかった2002年くらいの頃の、K-1にモンスター枠で加入してきたサップのタレント性が全盛期を迎えていた時にバラエティでちょっと見たぐらいだったときはうっすらと「こいつは自分の役割を分かった上できっちりキャラを演じているし、それなりに賢いやつなんだろうなあ」と思っていて、引退した後も今でいうところの須藤元気みたいな方向に上手~くシフトすると思いきや、人間風車さんのインタビューを読んでいても想像以上にアホだというのが分かり、自分のボブ・サップの評価の下がり方ってファイターとしてというより、元々こすっからいのは見えていたとはいえ、ファイターから手を引いた後でもこすっからいなりに立ち回り方がもっと上手い奴なんだと思っていた所でネームバリューによるやられ役という、一時マイク・タイソンとまで立ち会いかけながら、金のために金魚になるという程度の立ち回りしかないという哀しいことになっているところにある。まーつまりボブ・サップは闘うホリエモンみたいなもんくらい狡猾なやつだと思っていたオレの気分を返せ!と。そーですオレはサップをもっともっと最悪な奴になれると格闘技観てないときから評価していたのです!やっぱり斜め上を行く最悪だけど!!

 しかし人間風車さんのインタビューで「グッドリッジが脳障害を負ったのにファイトマネーをもらえないきっかけは何だったのかな。ファイトマネーを回収してもやっぱり文句を言われるのかい。もっと危険に身をさらせって?」とか、格闘技を取り巻くジャンルを保証する環境に関しても「スポーツの話をしたいのかい?規制団体もなければルールもない、そんなものはスポーツとは言えないんだよ。」とかピンポイントでこのジャンルで守るべきだろうアキレス腱を突くものをわざわざ自分のスタンス保身の言葉に選ぶあたり、もはや彼にしか辿りつけない頂きに上がったと見るべきなのだろう。誰も後を追わないエベレストッ!90年代の辻よしなり氏の霊を憑依させてみた。(ワウワウ実況高柳氏の霊でもいい)

 ところでこれ書くのにちょっぴりウィキ開いてみたんだけど、前々から思ってたけどホントに日本版の格闘技ウィキって戦績など更新されなくなってきちゃったんだなあと。もうシャードッグか英語版のWIKIまで見ねえとわかんねえや。これが地味に辛い。(いろんな意味で。)

<<おおよそ無条件の愛>>

 嗜好を度外視して頂点のUFC&アメリカのボクシングPPVビッグマッチそれからWWEを見ていれば、今の興行格闘技の前線というのは内容の充実はもちろん、市場をほぼ独占しているゆえのジャンルの進化のフラッグシップを握っているといったところまでつかめるわけで、基本それらを中心にして、他の世界で散り散りに行われている興行のレベルのというのは測られると思う。

 まあそんな最前線の競技力や興行を中心にするってのを度外視して、単純に自分の趣味嗜好に好きな選手と興行ってのは誰でもあると思う・・・ってブログやってる人、そしてそれを読む人ってのは基本的にそれを確認したくて存在しているのがメインストリームなのだし、完璧にオレのようにジャンルのコンテクスト重視になってるのはサブもいいところか(物事を見る時は全部そうだけど)。
 
 そんなんだが本当にジャンル全体の競技力とか興行とかいったコンテクストをほぼ度外視して好きな選手がいる。それはこの前のDEEPで岸本泰昭を下し、何と遂にライト級の王者になったUファイルの中村大介だ。現代の北米が構築した現代MMAのボクシング・レスリング・柔術その他総合の技術の規律がほとんど備わっていないゆえに弱点も大きいのだが、そんなものはどうでもよくなるくらい、リスク抜きで技を仕掛けてくのでほとんどの試合が面白い。書くタイミングがちょうどよかったのでここで。

 完全にモチベーションからグラバカ離脱後の環境変化あたりからキャリアが低下傾向にあってもPRIDE時代では高いMMAの技術の規律を身に着けていた郷野を下したとはいえ、現代MMAの規律の習得の差で簡単に判定で負けてしまう可能性も強いだけに、石田戦やシャオリン戦のように組みのセクションかグラウンドのポジショニングのセクションでやられるんじゃないかとヒヤヒヤした。速攻で腕十字アームロック・そしてUWFイズム(というかUインター。桜庭和志といいけっこうこの系譜が現代MMAの規律&リスク度外視で仕掛ける面白い試合を意識する。田村潔司以外。)最終後継者の選手だけど何だかんだでスタンドでのデトロイトスタイル・ボクシングがかなり試合の起点になってるよな~と。とにかくおめでとう、と静かにおもったのでした。

 以前より北岡悟VS中村大介というのは絶対に面白くなるから是非ともやってくれと思っていたし、王座防衛戦は北岡当てて欲しい。つーか大晦日にDREAMやるんだっけ?可能ならそこで組んで欲しい。仮に決定したとして北岡にまで勝ったらホント凄いよ。

 フランク・ミアは好きじゃない。
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