オウシュウ・ベイコク・ベース廃墟


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そして「前田日明」という文脈だけが残った・欧州米国基地外読書記録二章

Category: ウェブ線上の批評   Tags: 格闘技批評  雑誌  
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 しかしよく言われることで今更だけど格闘技関連の時間の進み方ってほんっと早くて、このブログの初期の2010年の時のを軽く読み返しただけでもう今に通じない文脈の記事になってるのが多々ある。それはオレの見識や文章の質が低かったときというのもあるんだけど、一番はもう日本格闘技のメジャー団体がどんどん機能しなくなっちゃったおかげで、それに伴う環境変化の中で専門メディアが日本のメジャーを中心にして何かを語っていくみたいな文脈も激変しちゃったことにある。改めて思うけど2、3年でどんどん団体が潰れたり出来あがったりのサイクルがこのジャンルは尋常じゃあないせいかもしれない。

 2010年の時点でも相当なんだけれども、ほんっとこの時の記事をちらっと読み返しただけでも「何書いてんだオレ」と思うだけでなく、もうDREAMも紙プロも散りじりになっちゃた中では完全にここで書いてるような文脈って消滅し切っているので、完全にこの日本メジャー中心で何かを見立てるって書き方の賞味期限が切れてる。結局ゴン格が生き残ったしな!

 ということで日本のメジャーとは?という文脈が完全になくなって以降の「では今の格闘技雑誌ってど何を切り口にしているの?」という雑な読書記録。

<<ゴング格闘技を読む・これはいつものことだけど>>

 MMAというのをきっちり新興のファイトスポーツとして取り扱っている姿勢で唯一生き延びてる雑誌。しかし今UFCを中心としたこの段階で「格闘技を競技として~」という編集の文脈が「興行を盛り上げるフックが競技性の強度を殺しはしないか」というところに気にしてる感じで、ホントこの辺の話題は尽きない。オレはよく他スポーツがその競技を保証する機構の成立などに関しての言及が欲しいとここに書いたりしながら普段から考えているんだけど、競技として格闘技を、ってのけっこう建設的な意見を探るより、興行のフックへの生理的な嫌みから入るってのが目立つ気がする。建設より否定。8割以上の人が陥る罠だろう。(それでも、ゴン格は言及しているほうか。)

 今の時代、独自性のある(≒どうかしている)面白さを編集長やライターに期待すんのも間違ってるのかもしれない。そういう場合で格闘技関連が本業ではないが、知見や関係の深いの人間(「教えて!教授」など)のインタビューとかが外れない。(紙プロもそうだったけど)

 でも読んでて一番面白いのは「書評の星座」だったりする。

<<やっぱ増田俊也さんの掘り起こした一発はでかい、Gスピのプロレス側の「力道山vs木村政彦」>>

 それにしても本当に「力道山vs木村政彦」ってネタとしてでかいもんだなと、この日本の各世代、各スタイルに渡っての選手へのこの試合へのインタビューを読んで改めて思うのだった。

 というのも、もう各レスラーのこの試合への語り口が完全に本人の鏡になってるから。これは案外自分自身のことを意識して話すよりもずっと自分について話せているんじゃないかというくらいに。ケンドーナガサキの木村への「プロレスラーとしてなっていない」という否定の仕方から、CIMAや武藤敬司のようにショウマンである彼らからは「これは日本プロレスの黎明期だから」「木村さんにはサイコロジーが無かった」などなどに対して、佐山聡は「この試合を若手のお手本にする」、前田日明は「力道山はこの試合の後に死の予感を感じていたのかもしれない」などなどほんと多様にして、この試合を通して己自身を語っているようにしか見えないのである。柴田勝頼などは重要な試合の時には力道山に墓参りまでしてたってんだから凄い。だったらなおさらテイクダウンされて即マウントは避けてくれよ!

 
 誤解を受けそうだけど、読んでて一番面白いのはプロレスになるのは当たり前でこれは覆せない。もう少し細かく言えば興行の中に投じられる人格、そこで生きる人間に関することにまつわる文章が一番面白い。これは関わる競技がプロレスだろうとボクシングだろうとMMAだろうとキックだろうとどこを主戦場にしていようが関係無い。

 

<<個人的にすげえ昔から気になってたブルース・リーの格闘家サイドの解釈>>

 いっちばん今まで気になってはいたが言及してるのを読んだことが少なかった、YAMATOでの格闘技者サイドのブルース・リー解析。解析ってほどでもないが吉鷹弘さんの実践者であったブルース・リーへの思い入れの補正があるとはいえ、こういう切り口でのブルース・リー伝説解析ってのもっと誰かやらねえかなあと思っていた。早い話が「木村政彦はなぜ力道山を~」みたいな格闘技サイドによる精微なリサーチとデータと後の歴史に与えた影響を、というもの。オレも一回格闘技視点からブルース・リーを振り返るっての一回書いたなあ。


<<アンタッチャブルになってる地下格闘技はどこが取り上げてんの?と思ってたらここでした「SOUL JAPAN」>>

 そもそもの地下格闘技って名称を、誰が言い出したのか公式の格闘技選手・運営サイドが言った蔑称なのかを未だに知らない。

 アウトロー専門誌でのいちトピックとして扱われ、雑誌モデルもアウサイなど地下格闘技で有名な人間を多く取り扱っている構成を見ながら皮肉を感じる。というのも、大昔に修斗でもルミナや宇野といった実力者で顔のある選手が率先してファッションモデルの方向にも行ったりして、格闘技もオシャレなスポーツですよみたいなアピールがあったが、その構図が転倒して現れた感じというか。
 

<<そして「前田日明」という文脈だけが残った>> 

 それにしてもびっくりするっちゃするのはKAMINOGEからYAMATOまで、ほんと未だに前田日明が表紙または記事の看板で取り扱ってることで、しかも別にこれが「ジ・アウトサイダー」の意味や選手などを取り扱うように発展するわけでもなく、また再生したリングスとそれを取り巻くZST・アウサイのラインの選手と展望を取り上げるわけでもなく、ものはなんでもよく前田日明本人の言葉を取りあげにいくってのが多い。なんせYMATOなんか見てもウルトラマンのことでもいいんだから!

 基本面白いんだが、格闘技をジャンルとして立ち上げようとする整備や競技能力に関しての言及になるともうさすがにキツくなってくる。現在のUFCを最前線に設定してMMAを見ている競技者からファンまでの決定的な共感や評価を得られない説得力の無さがネックになるんじゃないか・・・・・ってこれって90年代リングスくらいからずーっと言われてそうな気がする!オレその頃全く知らないんだけど絶対そうだ!そこんとこ突っ込まれるとケンカになったらしいし!

 こんなことが起こるのも、雑誌も商売であるし格闘技の本質論に移行するより未だ活字で一番客の取れる人物だからってのは分かるのだが、こうも頻発するのを見ていてなにやら日本においての格闘技を言葉にして売り物にするというの、本当に前田日明に引きずられ続けてるんだなと思う。

 格闘技通信からゴン格まで、プロレスと別になる形の日本の格闘技雑誌の創成期には前田UWFがその格闘技時代の代表として取り上げられ20数年経過してるわけだけど、その中でずーっと興行論や競技論が水と油みたいに問われ続け、今でさえUFCでのアンデウソンvsソネンⅡに対しての切り口はそういうところがあるが、未だこうして前田日明が大きく取り上げられてるのを見ていると、本当に格闘技雑誌というものの商業的な部分とか希望的な部分といった文脈のせめぎ合いの原点という気がする。そしてそれが成長しないままのようにも映る。前後に矛盾があるけどここまでで。
 
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テーマ : 格闘技    ジャンル : スポーツ

Comments

最近の、技術解説や試合詳細を除く、マット界の評論のメインストリームには、徹頭徹尾、見る側の視点から語る菊地成孔が位置しているように思えます。
個人の思い入れや自分の信じる正義を、隠そうとしてまったく隠しきれなかったり、それこそが客観性だと勘違いしてるものが多い中で、菊池本人の思いれをしっかりと、はしたなくない形で出した、いい評論だと思います。
数か月前、紙プロ残党の一誌でやったと菊池=前田対談とその副読本として菊池=大槻ケンジ対談がすごく面白かったですよ。
結局興行に自らの人格を投じちゃってるのが一番面白いという
> 数か月前、紙プロ残党の一誌でやったと菊池=前田対談

 あーっ、この記事書いた後に書店で見つけて読んだんですが、これがもうぶっちぎりで面白い。というのもオレが菊地成孔さんの音楽も文筆業もどちらも好んで読んで知ってるだけに、本当に前田日明とともにふたりの内面的な部分を掘り下げられてる対談になっており、これはもう他では絶対見られないものでした。

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ビデオゲームというフィルターから俯瞰する、現代エンターテインメント総合批評
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