オウシュウ・ベイコク・ベース廃墟


ジャパニーズWWEのなかでの桜庭和志

Category: ウェブ線上の批評   Tags: UFC  MMA  プロレス  桜庭和志  新日本  
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 さあオリンピック明けひっさびさの興行格闘技の記事です。しかもまたひさびさのプロレスネタ!五輪の気分が残ったままで見るUFCと、桜庭が登場したブシロード親日本(※誤字に今気付いたけどこれいいな、放置)への雑記録。

<<UFCなど、実はジャッジが緻密なほど見る側にとって納得いきにくい判定になることがままある>>
<<桜庭和志が新日本に来ることによって、中途半端なキャラクタイズムを引き締める・・か?>>
<<小さなWWE・ブシロード新日本>>



<<UFCなど、実はジャッジが緻密なほど見る側にとって納得いきにくい判定になることがままある>>

 正直エドガーが毎度もたらすこうした判定で揉めることって、これはUFCならではの高度な悩みって気もする。

 興行格闘技ではスポーツが当然のようにやっている完全なポイント制度でのやりとり(つまり、アマチュアボクシングのようなパンチのクリーンヒット数のポイントで競い合うような)のような極めて客観的な判断基準ではなく、どうしても主観的な部分が先になる。もう少し書けば「主観的に言って、どっちが感情移入できる選手か」「どっちが興行的に利があるか」みたいな背景によって如何様にも主観というのは曖昧だから揺らぐわけで、その時の興行団体の経済的環境、会場の場、みたいなもので「どちらが試合で優位だったか」の判定は揺らぐことになるのだ。特に、K-1・PRIDE時代というのはもうものすごい客側の主観的な感情移入におもねったものや団体サイドの思惑にまみれた判定というのが透けて見えるのが多かったと思う。

 だからこそ主観的にならざるを得ない興行格闘技にて、最近のUFCは試合中での打撃のヒット数からテイクダウン、グラウンドコントロールの比率のステータスも公開しており、厳密化というのはかなりのところ進んでいると思う。それゆえに圧倒している場合でなく、接戦になった場合での判定に納得できるかどうか?の揺らぎというのは起きやすいように思うのだ。

 
 この前の修斗でも「堀口恭司vs井上学」が接戦だったゆえにこれがまた観客側で物議をかもしたが、オレは様々な興行格闘技を見ているが、それでも修斗ほど興行であろうとも判定の客観性を重視した団体は世界のMMA団体では希少と思うし、判定への不満というのはない。

 問題のこうした接戦になるほど見る側が納得いかない感覚が起こるのは、それは主観的な「試合全体の見栄えの良さ」や「選手への感情移入」によってバイアスがかかっている状態であり、それゆえに厳密な判定の結果と観ていた自分の感覚というのが乖離してしまうというのが起こるせいだろう。ということが一つある。


 やっぱりエンターテインメントビジネスではなにより「観客が感情移入できるかどうか?」ってのがなによりも重要な部分なわけで、オレもこれは「エドガー、勝ったか!?」と思わされたし、変動し続けているUFCならではの高レベルな悩みというのを体現している選手のように思う。今のUFCには様々なレベルでの今後のクラシックとなっている選手は数多いけど、エドガーというのがUFCの一つのクラシックを為している点はそこなんじゃないだろうか?

 
<<桜庭和志が新日本に来ることによって、中途半端なキャラクタイズムを引き締める・・か?>>

 サクが新日本に来たってニュース、もうMMAファンサイドからしたら「日本のMMAというジャンルがシュリンクして~」とかぼやくんだろうが、オレからすれば熱烈大歓迎だ。ウェルカーム!!なんかDREAMで青木と引退試合をするなんて最悪の噂があったけど本当に実現しなくてよかった。実現したら関係者全員引退しろとか暴言を書くところだった。

 今の新日本の傾向だとどうしても本人のやるレスラー像が腰砕けになってしまってるのをしばしば見かけ、例え中邑真輔なんかはついにボマイエを打ち込む前にショーン・マイケルズの前振りをパクっているのを見るに難しいな、と思わされる。
 
 プロレスは団体の選手間の関係の掛け合わせなどによってその表現みたいなものがどう変わるのかを見通すのが面白いんだと思われ、腰砕けになってる中邑などが本来のバランスに修正出来る選手というのが今の新日本の選手の関係では永田さんでなんとかなっているみたいな感じで見ていた中で、桜庭と柴田というのはかなりのところ中邑が本来想定している自己像のバランスに戻れるんじゃないか?と。試合内容と言うよりも、新日本の選手像を掘り下げる触媒としてこれ以上ない登場だと思う。


<<ジャパニーズWWE・ブシロード新日本>>


 しかしGET SPORTSの新日本の特番を観ていて思うのは、その選手たちの試合の華麗さと真逆に選手の自分らしさとか人格などが興行の中に投じられている実感が観ていて薄いことであり、やっぱ代表的なのがオカダだったりする。

 ここに至るまでに「日本人によるWWE化」というの、歴史を振り返ればインディーでのDDTの高木三四郎からハッスルなどなどから、意識的にWWEのシステムを持ちだして日本のプロレスに批判的だったりするライターがいたりとかなり長い期間、日本のプロレス史のカウンターという形でテーマになってたと見るんだけど、ここに来て本当に新日本は小さなWWEにはなったんじゃないかというのが、外野席からのオレの感覚なんだけれど。

 日本にとってのWWE化って経済力やTV・PPVなどに関連した興行の構造から逆算された形のシナリオテイクや選手像の作りといった部分が全くないせいで、すげえ学生プロレスみたいなキッチュな代物とか学芸会だとかいろいろ言われてた中では、現在の新日本のオカダを見るに新日本本体の興行や経済力上昇という意味でのプロの説得力(G1で優勝することに腑に落ちる感じ)はかなり高いと思うし、棚橋や中邑でない若手を表に出すことで何より新陳代謝を実現してるのは他の団体の回転の悪さと比較するに英断だと思う(これ、オレがプロレスを見始めた頃の謎だと思ってたから。結構なおっちゃんがベルトをえんえんと争ってるって構図)かなり周りに補助されてる形とはいえ神輿に乗れてるオカダはすごいと思うよ。

 しかしそこでやはり物足りないと思うのが選手の人格の見えなさということであって、これは完全に脚本に沿ったかのような試合展開と興行展開であることと無縁ではないだろう。早い話、奥行きが無くて飽きやすいんじゃないかという。

 オレは現在の新日本はWWEでいうところの誰に当たるのか?と常々思っているのだが、実際のWWEはたとえかなりの部分脚本が決まっており、選手像も作られたものであるとか言われてるけどあれもかなりのところ選手本人の人格からかなり逆算されていった形って気もする。

 ベッタベタにザ・ロックとか引用してもなぜ彼がピープルズ・チャンピオンと言われているのかのコンテクストを紐解けば、あれは本人の資質のみならず、WWEというのはその実アメリカベースでの人種のをカリカチュアして代表にしてプロレスさせてるものであり、それゆえの選手像構築がなされると思う。(ヨシタツなどをさらっとみても、基礎的な構築法はそこにあるように見える)が、そういう構図で選手たちが人種・環境代表ってことでオリジナリティ張ってる中で、ザ・ロックが革新的であったのはそんな人種や環境を超越した振る舞いで、ある人々でなくみんなのチャンピオンだっつったからとんでもなくポップになった、と言われている。

 日本がWWEには完全になれずに別のコンテクストを行かざるを得ず、またWWE的なキャラクタイズム(造語です)を引用してもなぜか薄っぺらになってしまうのもこの点のあるんだと思われ、案外エンタメはヤラセだろ脚本で成立するんだろと思いきや水面下では他のアメリカのジャンルよろしく人種的な差異と権利を巡っての切った張ったの戦いがあるのである。(やっぱ日本でも本当は底のところでかなり複雑な形で、そうした戦いによってプロレスが成立している歴史がある。)

 
 うわっ、話が長くなりすぎた!!ええっと話をすっ飛ばして、根底での対立なき、コンテクストの浅いブシロ新日本において、木谷社長のサク柴田起用やオリンピック米満を起用したいみたいなのは世間への希求のフックを求めているのは当然にしても、オレが頑張ってほしいのは異種を取りこむことによっての選手間の関係性みたいなものの奥行きができるのかどうか?って気がする。JポップとかJなんとかとか以前も書いた気がするけど、人種や環境といったコンテクストが全くないものこそ「J」の付くものと言えるし、J・WWEの完成系はどうなるんだろうな、ということで。
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テーマ : 格闘技    ジャンル : スポーツ

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