オウシュウ・ベイコク・ベース廃墟


ジョーンズvsビクトーによる欠番大会UFC151からのリカバー

Category: 「見立て」の格闘観戦記録   Tags: UFC  MMA  ジョン・ジョーンズ  ビクトー・ベウフォート  
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<<ジョン・ジョーンズvsビクトー・ベウフォート 観戦記録>>

 ともあれ、UFC151騒動直後ののリカバーに踏み出せた形になって良かった。ギリギリのバランスの中でほとんどの興行格闘技は成立しているのだと思っており、UFCだけにスターに当たる人間の諍いで大会中止の騒動も大きかったが、それをリカバー出来るだけのスターに恵まれていることも確かなのだ。




 ブーイングも聞こえるなかでのジョーンズの入場。ビクトーへのコールという会場の構図はおおよそ大会中止騒動直後のUFCとジョーンズを取り巻く構図が具現化されたものに見える。こうした構図が選手の精神状態にプレッシャーをかけ、試合の瞬間瞬間での選手のパフォーマンスに影響を与えるっていうのは興行を背負うスターを観る愉しみで、それはフライ級のデメトリウスvsベナビデスはUFCの競技力や選手層のボトムの豊饒さを観取るものと対照的に、実に競技力うんぬんを超えた興行と人間といった部分の豊饒さがあるのだ。

 会場の感情に呼応するかのような形で1Rでビクトーのボトムからの腕十字が極る。後で解説が「これは極っていた」とあったように、まず普段のジョーンズならばまず回避していただろう仕掛けにかかったシーンが生まれたあたりで変な話だが皮肉を感じた。

 それは純粋な競技能力の競い合いを超えた、観客の感情が先んじたかのようなジョーンズへの一種の制裁を求めるかのようなシーン。例の大会中止になった理由も多くの観客にはダナからの批判も相まってジョーンズこそが悪いと言う風に見えているわけだし、またジョーンズサイドからのフォローも良くなかったと見える。この前代未聞の事態からのビクトー戦というのは「結果の見えた試合」というのが多数だったが、オレはこうした状況がもたらす試合展開の揺らぎというのをたくさん観てきたので「思ってもいなかったことが起きる。番狂わせは有り得なくない」というのは案外起こりえると思っていた。(ビクトーの打撃の入り方などにオレは可能性があると思っていた。)


 選手への期待またはバッシングだとか古くは負けた方が全てを失う異種格闘技戦みたいなものとか、そういう状況の中でのマッチメイクというのはかつてのK-1・PRIDEなどかつての日本格闘技の興行上の常套手段の一つだ。そうした状況がもたらす揺らぎというのは現行のUFCでは限られた選手にしか見ることはできない。アンデウソンとソネン、そしてジョーンズなど。

 オレが皮肉を感じたというのはそういうことで、UFCの大会中止といったスキャンダルによってジョーンズに否定的な視線が集まることによって生まれる状況の揺らぎによって、試合にノイズが混ざりこむことによる変調によって生まれる見世物の面白さという、ある意味秋山vs三崎的な日本格闘技が意識的に興行にしていた視線になっていたことだった。ただ、ここで腕十字で終わったのならば。




 試合で観るならば「ジョーンズはもう誰が勝てるんだって思うから相手を応援してしまう」というのが普通になってしまうと思うが、オレはジョーンズというのはこれまでも書いたように一世一代のケースであることに違いなく、スターとしてさらに成り上がるためにこういう状況をどうクリアするのかという目線で観ていた、なので「ジョーンズが髭面で来たらビクトーにKO負け」みたいな完全に状況とそこでの選手のメンタルという点で観るなんていうでたらめな視線込みで、こういうノイズをいかにはねのけるのか?という点を気にしていた。

 そしてジョーンズは髭面で現れ、ビクトーの腕十字を受け観客の感情通り、メンタルの混乱通りに終わったかに見えた。が、そこをしのぎきり、いつもの試合のように関節蹴りや前蹴りで距離を作り始めたあたりで自分のゲームに塗り替え始め、またしてもビクトーの三角締めや、打撃が切れ始めたのに対抗しつつ、最後にはアームロックで締めた、というのは、もっとグダグダな展開が予想された中では、少なくともオレは両者の評価が上がる良い試合で締めたという風に映ったのだった。

 こういうオッズの開いた見えた試合ではスターが勝って当たり前で、もし負ければ悲惨で勝ち星を修正するかのようなリマッチが組まれるというのもこれまた数多く観てきたケースであるが、決して楽ではなく落としたらまずい状況と試合をジョーンズは制し、ビクトーはレジェンドの一人という評価らしい試合をした。結果は多くの人の予想通りだろうが、その内容は実にギリギリのラインの豊饒なものがあったとオレには見えた。

 あの大会中止騒ぎは興行収入的にも内容的にもどう取り返していくのかと思っていたが、ジョーンズは興行を潰すことになった人物でありながらもこうした試合を制することができた点で、UFCと共にリカバー出来たと見える。それは一度は日本格闘技でうんざりするほど観てきたスキャンダラスな状況が興行になってるような気配から、いつものUFCの本線に戻った、というような。

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テーマ : 格闘技    ジャンル : スポーツ

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