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UFC166ベラスケスvsJDS・最高の意味でも最悪の意味でもヘビー級メイン興行の上限

Category: 「見立て」の格闘観戦記録   Tags: MMA  UFC  
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 UFC166はいつになく各々のカードにテーマがあるかのようで、プレリムはともかくもアンダーからメインのカードは選手の互いの現在のUFCでの戦績や立ち位置が近く、ファイトスタイルもほぼ対称的な人間同士の相克が並んでおり、それはカットマッチからチャンピオンシップに至るまで張り巡らされている。 

 そういう事前の期待通りのように素晴らしくスムーズに進行する上に立て続けに熱戦がある一方で、そういう熱戦を持たせたいからかどうなのかわからないがデンジャーなシーンでも続行させるレフェリーなどなど興行の熱暴走に不安にさせられるシーンもありで今年のUFCでは屈指の印象深い興行になっていた。 

 ソティロポロスvsKJヌーンという、好勝負を生むが弱点やスタイルの底が見え始めたもの同士というカットマッチと言われながらも、両者の美点を加味すればあまりにも興味深い一戦やマーコート対ロンバートという何と言ったらいいかな立ち位置の絶妙な者同士のわずかな時間での決着という見どころが満載だったが、やっぱ琴線にかかった試合はメインのこれらの試合だったりする。

●試合が敗北濃厚の傾向になった瞬間にロイ・ネルソンはとびきり試合をしょっぱくさせていく

 いきなりこんな見出しだがそういうキツさも込みで面白かった試合。

 ダニエル・コーミエ対ロイ・ネルソンはこれ向かい合った両者の見た目とムードが面白いだけで選んだだろと一瞬思わされ、コーミエは想像以上に強い選手のはずなんだけどまー何とも言えないマッチメイクともいえもう少しヴェウドゥム戦だとかガチガチな試合も観てえなとも思ったりした。

 しかし実力差が濃厚なのにフィニッシュまでこうまでたどり着かせなかった決着を見ていて、コーミエというかロイ・ネルソンの方に意味があるような気がしてきた。ネルソンは勝つときはオーバーハンドフックを打ち抜くなど鮮やかなところがあるわけだが、その基盤にはかなりのところ現代MMAの基礎力が備わっているゆえのものと思われそれが見た目のギャップというネタで今日の戦績と興行上のポジションを得ているんだと思うが、その基礎力の高さがいや~な所で印象を転換させて来るってのがこのネルソン的特性というか。

 とんでもねえ一杯食わせ物のデブはその守備能力も優れているのだが、そのキャラゆえになぜかネルソンに勝ったほうが「思ったほどじゃなかった」「地味なのでは」だなんて過小評価されるという不思議な意見がしばしば出回るのである。今回コーミエも「思ったほどじゃなかったか?」とか思われたかわからないけれども過去にJDSが判定勝利した時も、そこはネルソンのフィニッシュをさせない技術やフィジカルよりもJDSは期待外れだった、みたいな意見が出回っていた記憶がある。

 これはとんでもねえ愛嬌があるけどタチの悪いなんていう、エンターテインの3枚目たるデブの位置そのまんまであって、勝つ時は意外性と愛嬌という印象をもたらすんだけども負ける流れになるやいなや試合展開に塩を膨大にばら撒き、会場の熱狂と勝ってる選手の印象ごと道連れにして敗北への道を進むのである。かくてロイ・ネルソンのポジションとその職能の完成度の高さに驚嘆するに至ったのだった。この印象論・競技能力を合わせた新たな塩研究が待たれる。


●ベラスケスvsJDS ヘビー級の特性 レフェリング

 こんなジョークはともかく、広いオクタゴンという環境によって強大なフットワーク&ステップというのが発達し、軽量級にこそこのジャンル独特の特性がより生かされているとオレは考えているんだけれども、ヘビー級に至ってはそのフットワーク&ステップ面ってそこまで有効になっていわけではないというか身体上存分に生かしづらいというのがあるのでは?というのと、また他階級のようにカレッジレスリング発現代MMAメソッド到着という選手が多いわけではない(また他階級より洗練されたMMAの繋ぎは粗目?)と乱雑に考えているんだけど、それゆえ動作一発の重さや、圧力による追い詰めが意味あるのではないか。


 だから広いオクタゴンの中である意味唯一というか、フィジカルを基にした圧力や一発のジャブの重さによる制空権の取り方などなど、ボクシングやキックのような他ジャンル的なオーソドックスな距離の攻防の印象のある階級とも見えているんだけども、コーミエやベラスケスのようなレスリング実績トップのMMAメソッド習得組になるともうこれに敵う相手がかなり少なくなってくるな・・・と感じたりした。

 序盤からJDSに制空権取らせる前に適切な打撃とタックルの圧力により、時にシングルを取るなどして金網に押し込むベラスケスの戦法により試合が作られていくのだが、この進行の止めようのなさのあたりにちょっとヘビーならではの展開の天井を見た気がした。

 まだベラスケスやコーミエには膨大なフィジカルに加えてこのレスリング技術と際での打撃というそれぞれが一体になった武器が試合をエキサイティングに持って行ってくれるんだけど、今後MMAにおけるシュルト化クリチコ化が起きた場合どんな選手になるんだろうか?必然的に高いフィジカルとリーチ、相手の組みやタックルを全部切れるレスリング力・ジャブ、ステップで制空権を完全に支配できるボクシング能力で相手の攻め手全部潰して行っちゃうっていう感じか。ジョーンズ的バックボーンとリーチと最近のGSP的なゲームメイクが併せ持たれてたような感じかな・・・

 個人的にはJDSに良くも悪くもそうなる期待を掛けていたんだけどベラスケスの圧倒的な距離の潰しぶりで圧倒されたってのは残念で、リング内ではとてつもないキラーの目つきをしてる選手だったのが致命的な打撃を受け、ラウンドが進むごとに弱弱しい顔立ちになっていくのは哀しかった。


●レフェリングのストップの遅さは一体?

 さてヘビーは戦術展開的に天井がこうなるのか?という動揺の一方でもう一つでかい動揺、それはもちろんハーブ・ディーンが裁いた試合のストップのタイミングの遅延だ。

 昔からストップが遅いとか言われてたんだけど、今回のような圧倒的な試合内容になってしまったメインイベントで明らかに決着を長引かせるかのような展開はさすがに見てる側は動じてしまう。現場レベルでは最初の揺らぎの段階でもまだやらせるって危険ではないってポイントは掴んでるからいいのかも知れないが・・・

 あったりまえながら頭部の衝撃がある格闘技はどうあれどの階級の人間であっても脳を揺らすことによるダメージというのは起こるため、単純に考えても特にヘビー級のウェイトの重い打撃による脳への衝撃は計り知れないと
思うのだが、今回メインは試合続いたってのはこれは明らかな動作の停止や視線が飛んで足腰が全くおぼつかなくなるというストップのポイントぎりぎりのところをJDSが持ち直したせいで試合が続行したのだろうか。

 UFCは選手に保険が適応されるなど比較的守ってるところが多いんだけど、一方で試合の中で選手を守るポイントというのがプロモーションとレフェリーに委ねられ、セコンドがタオル投入できないようになっている。しかしさすがに今回のメインの試合のようなレベルではJDSの今後のキャリアも不安になるレベルなのでレフェリングは修正してくれねえかなと切実に思った。

 そんなダウンしなかったからって脳のダメージは確実に残るわけで、中盤の時点で相当にあぶねえと思っていたのにフルラウンドまで打たれることになるなんて展開は大変にヤバい。JDSはここ数年のUFCヘビー級のクオリティを保持してきた一員でありこれがまさかキャリア低下傾向になりやしねえだろうなとひやひやさせられるし、UFCも最近ヒールホールドをなかなか解かねえってことで選手生命を一瞬で終わらせかねない危険なやつだからトキーニョリリースしちゃうくらいのことしてるんだが、このあたりの脳のダメージってのは即効性のものじゃねえからそこまで問題にならない?のか。

 ストップの問題はやっぱセコンドのストップ抜かしちゃうと選手・観客、レフェリーそれぞれを納得させる判断や意識の揺らぎがあり、俯瞰してそれぞれに最適のタイミングは難しいとは昔から言われてるし、特にハーブ・ディーンはその最適解をぎりぎりまで見ているせいで長引いているんだと思うのだが、こういう点も込みで今のUFCヘビーのクオリティの天井ってことなのかもしれない。
 
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テーマ : 格闘技    ジャンル : スポーツ

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