オウシュウ・ベイコク・ベース廃墟


ペトロシアンの敗北それからアンディ・リスティの怒涛の優勝と、立ち技ジャンル革新の速度

Category: プロ格闘技   Tags: 立ち技  アンディ・リスティ  ペトロシアン  
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 さてひっさびさに立ち技界で大きなトピックスがぶち上がり、それはもちろんGLORYトーナメントにてペトロシアンの敗北しかもKOで、という結果とそのまま怒涛の優勝を飾ったアンディ・リスティに関してだ。

 実際の試合はなかなかに示唆に富んだ内容で、昨今のMMAやらボクシング界隈からするといささか長い期間基本的な風景が変わっていないという中で目を覚ますような試合だった。が、一方ではやっぱトップ&ボトム含める選手層の厚さによる競争での技術進歩とか入れ替わりなどの遅さも感じた。

 アンディ・リスティのうねりと伸びやかさを軸としたスタイルは割とその現状に象徴的だなんて感じたのだった。




 大別すればリスティはパワーファイター系統で制空権の張り合い完了するまでにどんどん一気に詰めて踏み込んで仕留めるというキック選手、みたいなイメージが乱暴に言ってしまえばあったのだと思うのだが、今大会の動きにはびっくりた。オレが現代の立ち技でも導入していってほしいと思っていた動きのおおよそを実現していたからだ。

 抽象的な書き方から入ればそれは全身がバネのようにしなやかであるゆえの、全ての動きの伸びやかさが素晴らしい。それをベースにしたフットワークの軽やかさ、よくあるキックの距離感で将棋やチェスのようにお互いの攻撃を交互に出し合い様子を見るなんてことはせず、打てば離れるし相手が打ってくればしなやかにスウェイバックしてかわし、時にはダッキングも含めつつすぐに制空権を取らせないようステップで離れる。

 そうした身体の使い方を軸にちょっと前の山本KID的な「ボクシング&レスリングのMMA選手のキック挑戦」のキック距離を外した飛び道具ではなく、十分にキックのスタイルに落とし込んでいることが脅威的だ。その伸びやかさというのは決勝でのガチガチのガードを上げ、体幹の強さを元にしたパワーファイター・ロスマレンの硬化したスタイルによるベタ足での動きの鈍さと比較することで明らかだ。




 これはちょっと前の立ち技の光景からすればなかなか見られない光景で、それはまさにペトロシアンがやってきたことでここ数年の欧州中心のキック界のトップに君臨していた。

 しかし今回のリスティとの対戦ではむしろそうしたペトロシアンの特徴的だった動作をリスティの方が実現しており、しかも根本的なフィジカル&リーチを上回られているということで圧倒されたという、ここのところのMMA界隈でも見られるような「同じくらいの技量同士が対戦すれば肉体的アドバンテージで局面が分かれる」みたいなことになっていたとも見えた。

 同時にペトロシアン自体も一通りの選手を撃破してきた以降、近年のキック界の選手層の下からの上がってこなさ(つまり競争が進んでなさと技術トレンドの変貌のなさ)によって多種多様なスタイルの選手との対戦経験が少なくなっているのでは?という現状をもリスティとの対戦は見せている。

 こと細やかにペトロシアンの戦績や内容を分析しきれてるわけではないが、ペトロシアンは長身でリーチがあり、なおかつ以上のような身体のうねりや伸びを軸とした動作のできる相手との対戦はかつてないのではないか。リーチのある相手でもキシェンコとの対戦があったがあれは近年ボクシング的伸びやかさがあったとはいえ、基本はキックの距離での張り合い中心だ。(だからキシェンコはキック距離でのボクシング戦が主なのでロスマレンに負けたりもする)

 過去になくペトロシアンが自分の制空権を取ることができず、放たれるジャブもスウェイでかわされ直ぐに距離をあけられる。リスティは細かいスイッチも含めるなど全体的な試合の処理能力の詰めが増加しておりこれぞ現GLORYルールならではの今後のキックでの身体の使い方・戦法などなどを実現しているかのようで、MMAやボクシングの中・軽量級が現在少なくない選手が実現しているスタイルが立ち技にて遂に可能性が現れたと感じ入った。(もちろん首相撲・肘やらありのムエタイルールでは不安あるが)




 今大会への準備としてリスティはチームを変えてきたというが、オレが一番に変化を感じたのはもう硬化してるのが当たり前、ベタ足気味が当たり前で体幹の強さ勝負が少なくない立ち技で、全身の動作が連動するような伸びやかさであり、かつキックの基本的な距離感やスタイルを熟知しているというまさしく現代のキックスタイルの可能性を提示したと思う。

 MMAなんか見てたら特に広いオクタゴンという環境に伴うフットワークやステップの必要や、試合の名中で多種多様な技術や展開が要求される競争の中で、現在多くの選手が北米も南米も問わず全身の動きを殺さない伸びやかな身体の動きをベースにボディワークフットワークを使う軽やかさを見せてる。

 だから脇を締めアップライトに構えたスタイルから独自の距離で制空権の張り合いして、距離を制した方が圧力かけてくとかカウンター取るとかの光景が長らく欧州のキックの光景で長かった中、今回リスティが見せた試合の気持ちよさってのは他の興行格闘技ができてるそれを遂にキックで実現したことにある。いやー何より1年前に「立ち技で見る意味があるのはアンディ・リスティくらい」という見立てがこうして実現してくれるとこも込みでよかったと思った。正直ペトロシアンにはどうかなあと戦前は思っていたのでした・苦笑。
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テーマ : 格闘技    ジャンル : スポーツ

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