オウシュウ・ベイコク・ベース廃墟


UFC169・北米南米差をフラットにしつつあるノヴァユニオン

Category: 見立てのMMA観戦記録   Tags: ---
sff無題 

アンデウソンシウバのその次の南米的光景はというと、やっぱノヴァユニオンの二人のエース、アルドとバラオンのファイトスタイルに現れている。

北米のボクシング&レスリング基調によるフットワークやステップの出入りに対して、ノヴァユニオンの二人に見られる鉄壁の立ち技の距離感や組み技、グラウンドでのキープなどなど今も北米南米間の対照は感じられるのだが、特にノヴァユニオンの場合の規律の強さの前には同じく規律の強さを形作ってきた北米MMAとの相違なさをも感じる。




  UFCのヘビー級はもうベラスケス・JDS・トラヴィス、ヴェウドゥムそれからミオシッチやロイ・ネルソン以外の選手の、過去に期待されたがある敗北以降の急速な失墜が激しすぎる気がする。遡ればミルコもそうだった。

 特に近年自身の得意展開を作れず敗北しているもの同士のオーフレイム対ミアは事前よりどっちが勝つか、というプラスの視点じゃなくどっちがどう負けるのか?といったマイナスの視点になってしまう。二人とも落とすことがなかったかもしれない試合を落としている印象があり、ミアはジョシュにはスタンドで勝てた可能性を落としたと思うしアリスターはアントニオシウバに勝ちきれなかった感はある。なんて状況を表すかのように二人の試合は双方の魅力にかなり欠けた内容だった。現実は皮肉めいていて、この二人がもっと活躍していたころには完全に終わって小銭稼ぎ試合にシフトしたと見えていたハントが復調しタイトルギリギリのところまで行ってるなか、この二人がリリースマッチを行っているという。

 こうして見ると選手の失墜感が今のところ大変薄いのはミドル以下中軽量級の選手たちで、それは当然人数が多いゆえの新陳代謝が大きいゆえだったり、それに伴う技術の水準の高さがあるゆえそういう失望感はあまり目にしないのかもしれない。今のジェンス・パルヴァーを観るときのあのどうしようもなく、やりきれない感覚というか…まあそういうのが最小という話だ。


  アンデウソンの衝撃的な二度の敗戦によって、アンデウソンさえも今後痛々しく見えて行く可能性をまるであっという間にフォローするかのようにノヴァユニオンのアルド&バラオンのスタイルによる勝利は痛々しさから遥か遠い盤石さを感じさせる。それはこれまでの南米的な神秘や特殊から離れているかのようだ。

 ホイスからアンデウソンのようなヒヤヒヤするような細見の危うさの中で、(当時というのさえ含めて)想像もしなかった形で勝つし、または負ける時でさえ完全な敗北を印象付けなかったりする。(もちろん印象は印象でアンデウソンはトータルでワイドマンに完封されていた) ブラジルでの空手を元とするLYOTOにしてもそうした独自の印象を形作っている。

 ところがアルド&バラオンに至ってはもはやそうした勝利の印象ではない。そこには現代MMAでの戦略から山本KID選手のの指摘のように「どんなことがあってもブレない」体幹の強さといった側面にいたる完成度が軸にあることがたぶんそうした印象になるゆえで、そしてその軸はまさにGSPが作り上げたそれであるかのように思え、アルドは既にこのスタイルを数年前より完成させているが、GSPが長期休養を為した今になってその空白を埋めるようでもある。




 現代MMAメソッド(結構適当言ってる言葉だなこれも)によるフィジカル作りと戦略による徹底した勝利への基本形からもともと修練してきた立ち技&柔術基礎というのがアルドでは特に印象深く、ラマスとのスタンドでの張り合いで改めて恐れ入るのがそのスタイルだ。

 とっくにUFCでのスタンドの展開が専門の立ち技の面白さを越えている展開があるとは思っていた。去年のGLORYなんかを観ていて現行UFCでの北米MMA初のフットワーク&ステップの出入りによる打撃戦というのに慣れた目には中間距離でのチェスの先攻後攻のように交互に打ちあう展開には、まだこの段階なのかと勝手なひどいことを思っていたが、アルドのスタイルで改めてビビるのはそうした立ち技が行っている中間距離でのコンビネーションやブロッキングから即返していく展開を現代MMAにて融け合わせていることだ。


 これはアンディサワーとの練習など昔から言われていることでこんなの今更な話なんだが、しかしさらに凄まじいのはやっぱバラオンとフェイバーの再戦だ。これは一見ボクシング&レスリングの北米土壌vs南米型ムエタイ柔術土壌の超典型的な対立なんだけど、全然フェイバーの踏み込みやフェイントといった仕掛けに崩れないまま、間合いを測りあうセクションで突如変調のようにバラオンのストレートがヒットする。これを北米型MMAのトップを新たに現代MMAを南米式に堅牢にしたほうが勝った、なんて言い出すと単純で早計なんだけど、バラオンのあのスタンドでのスタンスからの急速の踏み込みのシーンなどを加味してむしろより北米南米差というのも消えつつあり、よりフラットへと向かっているのかもしれないなと思うのだった。

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テーマ : 格闘技    ジャンル : スポーツ

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