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デメトリアス・ジョンソンvsアリ・バガウティノフ決定記念 北米vs南米に割り込む第三勢力の可能性、ロシア

Category: MMA   Tags: ---
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MMAにおけるロシア選手の台頭というのは一昨年くらいから目立ってきていたが、いよいよこれも本格的に雑誌も特集に入るかどうかくらいにまで来てると感じてる。

UFCでデメトリアスにまで辿りついたバガウティノフはここまでに10連勝以上上げてきたし、ベラトールではアレクサンダー・シュレメンコがチャンピオンの座についていること始め有力な選手も少なくない。対戦はゴタゴタで流れちゃったけどヌルマゴメドフもメレンデスと闘うかも、というのもあった。

ロシア選手の勝ち方というのは北米的なスタイルの構造の感じや南米的なスタイルによる感じともまた違う。なにか極めてロシア的としか言いようのないそれがある種、北米と南米が手を繋いでる北米MMAトップシーンの第三勢力として台頭してるかのようだ。

前MMAシーンで、前田日明によるリングスでの発掘を経て、ヒョードルというトップがPRIDEやクレイジーロシアンとダナに揶揄されるバックによって一際輝く領域にまで登りつめたことが特にロシアのMMAではトピックスとなるのだろうが、60億分の1のその周辺ではネクストのポジションを期待されたであろうアレキサンダーやハリトーノフ、アルロフスキーに至るまで豪放磊落というかなんというかな失墜をそれぞれが見せていった。


格闘技バブルの崩壊から現在を振り返ってふと気づくのは、格闘技をこうして観戦している際に常にどこかで印象付けていたこの豪放さと静謐さがどの選手であれ少なからず内包しているこのロシアならではの重厚と威圧、違和感の勢力がPRIDE崩壊あたりから(とりあえず日本のオレからしたら)絶たれていたことだ。

かつてはヒョードル対ノゲイラを代表的に、当時の一部はこのMMAシーンをロシアvsブラジル構図として単純化してたようにも思う。でもそれはある種、当時の日本人的には美味い感覚あるのかもしれない。ロシアの、日本の柔道からの変節であるサンボを元にしたヒョードルと、日本の柔術を独自進化させたブラジリアン柔術を抱えたノゲイラが時を経て日本で闘うだなんて文脈的にはそれはとても意味深い。

時を経て現在、気がつけば現代MMAメソッドに乗っ取った形で再び、各団体にてロシアのあの静謐と重圧をところどころで印象付ける選手らが見当たるようになっていった。去年の大晦日ではラマザン・エセンバエフが北岡悟を殴り倒してしまったし、前田日明のアウトサイダーではクラット・ビターリが小谷直之に破れるまで日本人を返り討ちにしていくという光景を見せ続けたのである。

そして北米MMAの前線にて結果を出し続けている現在のロシア選手らは現代MMAの所作を消化した上で、そのフォーマットに合わせた形でのロシアの静謐と重厚を見せ始めてる。

去年まではGSPを代表に北米のボクシング&レスリング、そして柔術全ての格闘技の出自をフラットにしてしまい現代MMAの構造を形作った印象に対して、アンデウソンを代表に南米が空手から柔術、ムエタイなど独自解釈化した中で、その構造では回収しきれない部分を撃つという相克があった。だが現在ではその相克も両P4Pが引いて行ったことによって終わりを告げつつあるなかで、オレの目からは第三勢力としてのロシアがどことなく印象深く映る。

デメトリアス・ジョンソン対アリ・バガウティノフは傍目には相手が居なくなりつつあるデメトリアスの残りのチャレンジャー消化という風にも場合によっては見えかねないが、北米MMAシーンを眺めるにそうではない。この対戦は格闘技バブル崩壊以降に絶たれたロシアの興行格闘技の原風景が、時を経て徐々に浸透して行き、現在のシーンに辿り着いた長い生まれ変わりだと見る。デメトリアスに勝つのは難しいだろうが、勝てばその意味もまた深い。かつてヘビーにてその重厚と静謐を示してきたロシアが、軽量級にてその前線を示すという変転を見せることになるから。
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テーマ : 格闘技    ジャンル : スポーツ

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