オウシュウ・ベイコク・ベース廃墟


ヴァンダレイシウバvsソネン消滅 現実は誰よりも皮肉

Category: 格闘周辺時評   Tags: ---
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MMAトレンドがまた一巡りした現在にヴァンダレイ・シウバとチェール・ソネンを観る快楽。それは早い話がファイトスタイルのアグレッシブさは無論のこと、言動や態度も過剰な異形を見つめるという、ジャンル当初の革新性や目新しさが洗練が進む中で失われゆく見世物としての快楽だ。

いよいよ競技的な洗練が進む時に彼らの前時代的な道筋に関して皮肉めいた視線を送る観客も少なくはないだろう。だが最後の防衛ラインとも言える二人の決闘が流れたという事実。この一連の経緯は興行や見世物の気配の強い彼らを見つめるどんな皮肉な目線よりも、現実そのもののほうが遥かに皮肉であり辛辣であることを観る側に突きつけるのだ。

シウバもソネンもすでに選手としてファイナルラップに入っており、おそらく両者の最後の目的として互いを対戦相手に設定し、盛大にプロモートしていこうとした。それがTUFブラジルコーチを務めるところに行きつき、ヴァンダレイvsソネンの機運はリアリティショーのドラマと共に加速して行くかに見えた。

ある種の期待通りに両者は乱闘騒ぎを起こし、あとはシーズンの終わりの決闘を待つばかりだった。

事態が急転するのはここのところ強化されつつある薬物検査に、ソネンが引っかかってしまってからである。この顛末がどうなるのかと思っていたら、なんとそのままソネンは引退を発表する。

興行の見世物としてグルーヴしている彼らに対しては薬物利用で肉体をパンプアップし、または調整を行っていることに関してやはり一部の層は皮肉な目線を送る。アスレチックコミッションのないPRIDE時代にハイローラーとしての試合を行ったヴァンダレイなどにステロイド使用で作り上げた体や、どのようにして検査をかわして作り上げた近年のビクトーなどに対してもやはりそうした目線はある。

だがしかし魅力的な見世物としての選手像を邁進していた彼らの決闘がこのような競技環境の洗練に伴う、ナイーブな問題の多いドーピング問題のさなかで消滅するというのはどのような皮肉な目線すらも、現実が前時代的な彼らにそうした裁定を下すこと以上に皮肉なことはないだろう。

ヴァンダレイもソネンも進み続ける現代MMAの一線から競技能力は敗退してきた。そのキャリアを終えようとする最後に彼らは持ちうる興行的に魅力あるキャラクターをぶつけ合う前時代的だが、間違いなく感動を呼ぶ選択をした。だがそれがこうした顛末を迎えた。観客はシーンに対していつだってドラマを見出そうとしたり皮肉にみつめていたりする。でも現実は常に観客の見立てよりも遥かにドラマチックであり遥かに皮肉めく。分かり切っているはずの冷たい事実をシウバvsソネンの顛末は突きつける。

そうはいってもこの対戦の実現は今後、問題を乗り越え実現するのだろうか?
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