オウシュウ・ベイコク・ベース廃墟


石井慧vsミルコ・クロコップは終わった格闘技バブル時代の決着戦

Category: MMA   Tags: ---
2014070614080546c.jpg
ヘビー級、異種格闘技戦、格闘技最強…IGFってのはMMAで忘れられゆくトレンドが結集している団体と化しており、しかもそれは「トレンドが一周回ってクールに」というリバイバルでもない。リバイバルは当然進歩し続ける前線だから起きるもので、競技環境が周回遅れであるこの団体にそうした意識はない。(それは須藤元気がやろうとしてることだけど、実は須藤元気はMMAの前線わかった上のリバイバルしようとしてるふりしていてIGFのようにわかってない方なんじゃ…田村VS高坂UWF案とか・・・(ジョークだとおもうけど)という危惧が・・・)

しかし消えゆくトレンドとはいえ、オレが長らく見たかったカードである「石井vsミルコ」が実現。5年くらい前から日本格闘技バブルの以後の意味が強いカードになるとか思ってたが、トレンドが何周も変わった今になってもそこになんらかの意味はあるだろう。見立ての格闘技予想。




 ここから書くことはもうみんな終わりきった話題だ。

 ミルコはK-1からPRIDE、大晦日猪木まつりまでを通過した格闘技バブルの象徴であり化身のような選手だ。見立てが走りすぎてるけども、実際PRIDEが崩壊し、格闘技バブルがはじけるのに呼応するかのように選手としての全盛期が終わった。PRIDE王者の実績を持ち早期にUFCに移籍したものの、ゴンザガに鮮烈なハイキックで敗北し、バブルの残滓DREAMではアリスター・オーフレイムにノーコンテスト、実質試合内容は完敗する。K-1とPRIDEをまたいで飛躍的に選手のブランドを上げた人間がバブル崩壊後に再定義を余儀なくされるMMAの現場に対応できずに勝敗を繰り返す。

 石井慧は格闘技バブルの末期にてMMAに転向した。年齢やフィジカル、実績的に全盛を迎えた状態でオリンピック金メダリストとなり、そこに安定した未来もあったにも関わらずMMAへと転向したのは、どうあれ競技として舵をきりつつあるジャンルとして支持できるものだった。オレが石井の転向を現在まで一貫して支持してるのはその点が大きい。当時の柔道メダリストの転向のほとんどは打算的な何かがあった(吉田秀彦のケースのような)し、また年齢や肉体的にも新興競技の技術習得にはいささか遅くみえたし、柔道からの転向ももともとの競技で限界があったからというのも少なくない中で、若いトップ選手がほとんど打算もなく、MMAという新興競技を理解しているうえでの転向は空前ではなかったか。
 
 だがしかしロンダ・ラウジーのようにはいかず、デビュー戦の吉田戦の敗北以降金メダリスト転向のセンセーションも生かし切ることが出来ないまま当時の興行団体に使い潰される形になった。時に大晦日、時に地上波放映のフックとして競技クオリティのまったくない階級違いのマッチメイクによって評価を上げることを難しくしている中で、MMAの北米再編された現在の路線に未だ乗れずにIGFのリングMMAを行っているのだ。



 格闘技バブルの発生と終焉そのものみたいなミルコをバブル終結後のMMA時代に適応した石井が蹴りをつける、みたいなマッチメイク。仮に日本メジャーMMAの運命が違っていたならこれは、時代の変革を見せる巨大イベントのメインにふさわしかっただろう。しかし遂にそれは実現しなかった。

 IGFは「遂に実現しなかった時代を象徴したかもしれないマッチメイク」を遅れて実現する。新日本・当時のUFO・総合格闘技・PRIDEなどに引き裂かれた2000年代の初期に、遂に中心人物だった小川直也と藤田和之の試合は実現しなかった。しかしこれが2012年の大晦日のIGFにて実現する。当然、すべては過ぎ去っておりほとんど意味はなくなってしまっていた。

 石井vsミルコ。石井は未だブラジルでのフィリオ戦以降金網での試合を行っておらず、ミルコはUFCリリースという決定打を受けながらも、引き際を失ったまま各地で試合をし続けている。その状態の二人の闘いもIGFで実現する。そこには終わった格闘技バブルが映る。前置きはもういいか・・・試合への期待はささやかだ。石井がミルコの制空権を掻い潜り、組み技からテイクダウン、試合を制圧することは可能かどうか。仮に石井がここで勝利し、それがUFCへと繋がるのであれば、この遅れたマッチメイクにも意味が深まるのかもしれない。




 
スポンサーサイト

テーマ : 格闘技    ジャンル : スポーツ

Comments

はじめまして、こちらのブログたまに拝見していましたが多分初コメントです。
確かに遅れたマッチメイクですが、こういう対戦カードを組むことこそIGFの商品価値というか、存在意義のような気もします。
このカードを見てみたい人は少なからずいたでしょうしね。そういう意味では客のニーズに応えている面もありますし。

ピラミッドの頂点がUFCだとして、BellatorやらWSOFやらONEなどなどライバル多数、国内でのガチ路線はDEEPや修斗にまかせて、IGFは独自路線というか味を出していってほしいですね。
>bea4717さん

日本のMMAは競技性視座に立つことにより
ボクシングがそうであるように、
興行も中軽量級におおよそフォーカスされていく中で
IGFの異質さ(古さともいいますか)は
国内でそういうヘビー級興行ぶち上げてるところは大きいですね。

選手が階級が変更を行い、シーンが再編されてるなか
なかなかヘビー級のトップってUFCでも
コーミエさえライトヘビー級行っちゃう中
難しいことになってるなと感じておりますが・・・

Leave a Comment

プロフィール

EAbase887(葛西 祝)

Author:EAbase887(葛西 祝)
mail: kyukakukaizoudo@gmail.com

人気ブログランキングへ

ビデオゲームというフィルターから俯瞰する、現代エンターテインメント総合批評
「GAME・SCOPE・SIZE」もやっております。ゲームの他に映画・アニメ・小説なども取り扱っており、興味があればこちらにも。

人気ブログランキングへ


ひっそりとド偏見アニメネタレビュー「14ー21歳のセックスか戦争を知ったガキのモード」「もスタートしましたので、妙に少なくない格闘技ファンとアニメファン兼用の方はこちらもよろしくお願いします。

TweetCasting

ツイキャス・LIVE放送中はこちらからでも視聴できます



 
検索フォーム
 
 
 
 
 
 
ブロとも申請フォーム
 
 
QRコード
QR