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金網の中の一閃!五味隆典の咆哮/岡見勇信の泰然自若・金網の中の適応

Category: 「見立て」の格闘観戦記録   Tags: MMA  UFC  五味隆典  岡見勇信  
RIOT_

<「UFC on Versus: Jones vs. Matyushenko」の観戦記録>

<<BGM・モグワイ「Glasgow mega-snake 」(文字クリック)>>

<<○ ジョン・ジョーンズ(1R 1分56秒 TKO)ウラジミール・マティシェンコ ×>>

 結局のところ、アメリカ国内の市場として次のスター候補として、ショーグン・LYOTO・グリフィンらのいるライトヘビー戦線に絡ませていくつもりだろう有力黒人ファイター・ジョン・ジョーンズがメインを務める大会に今回はなり、そのスープレックスやバックキックなどを好んで使っていくファイトスタイルなどの派手さが目立つが、完全に押している試合での垂直からのヒジでの反則裁定での1敗はあるが実質的にはキャリア全勝という実力者に対しては、近藤有己やアントニオ・ホジェリオ・ノゲイラを破ったほどの実力を持ち、ティト・オーティズやアンドレイ・アルロフスキーなどのトップランカーくらいにしか敗北していないというキャリアがありながらも印象に薄いという、アメリカMMAの土壌の層の厚さの中ではウヨウヨいる中堅実力派ファイターの一人であると思われるベラルーシの39歳マティシェンコが当てられるというカードとなった。

 今大会のメインとしてふさわしく、これからアメリカで「スター」となっていくであろうことに疑いを持ちようもないほどの、あの首を叩き斬ろうとするかのように、腕を固定したマット・ヒューズポジションから放たれる肘の連打による圧倒的な決着に漂っていた、アメリカならではのスターに飛躍していくことのあり方、かつては「アメリカン・ドリーム」と呼ばれた概念の在り方という事で、自分の中でのアメリカの距離というものをまた考えなおさずにはいられなかった。

<<○ 岡見勇信(判定 2-1)マーク・ムニョス ×>>

 そして、岡見勇信というのはここまでに「アメリカでのMMA」(文字クリック)についての考察を行ってきた中で、アメリカに届かせるにおいて最も人種的な押し出しの面のフックの薄い選手であることを書いてきて、この大会にしても二人の日本人がメインイベントのカードを務めているという面もあってか客の食指も動きにくかったというのを各所で散見するが、特に、意味としては今大会的にたとえれば「強いウラジミール・マティシェンコ」とも言えるレベルのあり方のままと見え、UFCでの実力に加え、テレビ東京での放映契約に見られる今後の日本市場への契機として今回のセミに起用されたのだと考える。

 岡見選手ならではの長身を生かした距離の作り方によって、早い段階でムニョスにプレッシャーをかけ、岡見が打撃を放つのに合わせて放たれるムニョスのタックルをことごとく切っていき、フィジカルに優れるレスリングの選手に対しては返される危険のあるグラウンドに行かず、ひたすらスタンドの勝負に徹したというのは「和術慧舟會VSレスリング」という意味では、かつてHERO'sにて行われた「宇野薫VS永田克彦」の展開を思い出させもした。試合中盤にてムニョスの打撃を受けてよろめいた岡見が、そこから追撃にきたムニョスに対してすぐさまテイクダウンを奪って相手に流れを作らせないようにする動きは唸らされもした。そうやって相手の得意な技術に対応して潰していき、ムニョスの打つ手が無くなり始めていったあたりから岡見の打撃がだんだん捉え始めていくあたりで、試合は終わった。

 と、いう風にあんまりやったことのない技術解説を試験的にやってみたが、この試合にてやはり感じたのは「2-1」という判定結果であり、これを「誤審」と捉えるか「ホームタウンデシジョン」と捉えるかで意味が変わってくるとはいえ、うっすら思ったのは場合によっては岡見勇信という個性の無い興行のフックとし辛い厄介な実力者を撃破させることで、マーク・ムニョスというアメリカ人をもっと押し上げていけもするという絵図も見えなくはないなとも思った。

 だがしかし五味選手の試合とのある決定的な違いによって、そうした邪推はすべて白紙となるのであった。私たち日本人にとっての「アメリカン・ドリ-ム」という概念こそ、アメリカに隣接した国でありながら最もアメリカから遠い、理解しえない概念のように感じていた。

<<○ 五味隆典(1R 1分4秒 KO)タイソン・グリフィン ×>>

 再び金髪に染め上げた五味選手が、オバマ大統領と同じように白人と黒人のハーフであるUFCライトの実力者タイソン・グリフィンと向かいあった光景の中に、まるでPRIDE時代の五味選手が今のUFCにタイムスリップしてきたような錯覚を誰もが覚えただろうと感じていた。ここ最近で覚えている五味選手の姿とは、これもまた誰もが見たことがあるだろうヒーローの栄華と盛衰の、まさしく盛衰の部分であり、高田延彦氏のような苦笑が五味選手に定着し始めているのを見たときのようなガッカリする感じだったのが、ファンの中で鮮烈に残っているだろうPRIDEの記憶が、今まさに金網の中で再現されているという光景に、アメリカの観客もそれを強く「外敵」と認識したのか会場が「USA!」のコールに包まれることとなった。

 今大会メインイベントにて含まれた二人の日本人選手の試合の決定的な違いとはこれだ。「最も有名な日本人トップランカーであること」「かつてのUFCの競争相手でもあったPRIDEの選手であること」などの意味が重なっていくことによって生まれた、USAコールに見られる強い外敵としての存在感は、逆に言えば五味選手が強くアメリカに理解され、受け入れられ始めているとも捉えられた。 

 試合はわずかな時間で決まった。ここ最近の傾向から言っても、特に過去の再現のような姿で今回望んでいただけに、ここで負けてしまったならば見ているこちら側の最も良かったころの思い出まで叩き潰されるようにさえ思え、それを覚悟していた中でのこの奇妙なまでの鮮やかな勝ち方は、本人もブログにて「ミラクル」と題されたエントリにて「試合が決まってから何年間ぶりに苦しかったけど奇跡が起きてくれました。」と発言しており、そこから察するのは戦極のころのハン・スーファンやセルゲイ・ゴリアエフと闘ったときみたいな無理にKOを作ろうという姿勢ではなく、流れの中で自然にKOへと繋がった、というものなのだろうと感じた。

 五味選手が明快なのはそれだけではなかった。ここのところファンやメディアが選手に強く欲望や思想を仮託しようとする流れが特にDREAMを中心に見られ、日本MMAの存在証明がいびつなものになっていただけに、極端な話、ある種の強硬な思想的には「PRIDEで守られていた五味は清廉潔白競技理想帝国を実現する北米では何も通用しない。負けて撤退してもらうことでこちらの思想の正統性が立証される」とすら考えながら、自発的な意思や個性といったものがほとんど不在である川尻達也に「日本格闘技の北米化」の思想を仮託しようとすらしているくらいの状況下となっている今現在の日本から、ポリティカルな意味でも、向こうで一度敗北しているからというのも関係しているのだろうが、離れられたことで、そして、「こんどこそ終わりだろう」という失意の期待を裏切ってくれたことにあると思う。
 ここで改めて思うのだが、やはりファンである自分たちとしては選手が自分の思想の思い通りになるコマになるのは、それは不健康な気持ち悪いことだな、と感じ、青木選手の川尻戦での勝利(これも、完封の秒殺となったことを思い返して頂きたい。)のみでは後味が悪いままだったのだが、五味選手がこうして完全に予想を裏切った勝利を生み出したことで、そうした今現在の日本格闘技に漂う不健康さをバランスよく中和したように思えた。
 
 五味選手と青木選手はちょうど陰陽の対立のように語られるが、自分にはこの二人が導いたファンやメディアの裏切り方のシンクロニティや、遡れば今年4月のアメリカでの決戦とその結果のシンクロの仕方など、いまになって互いの行動が呼応しあっているように映る。今回はまるで二人が意図せずに手を組んで、ファンやメディアのもつクズ以下の見解や思想を叩き壊してくれたかのように思えた。自分はこの結果に対して、ファンやメディアの言う事など聞かない人間が、かつてからのプロレス・格闘技界では本当の意味で物語を牽引していっていたことを思い出していた。
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