オウシュウ・ベイコク・ベース廃墟


UFC178 ドミニク・クルーズの復帰はあっさりと水垣への期待を叩き潰す

Category: 見立てのMMA観戦記録   Tags: MMA  UFC  

無題

 これもまた年間ベストクラスの面白さやマッチアップのある結果が続出した大会ということで、スター同士のPPVブロックバスターなカードこそ少ないとはいえ、9月のUFCは恵まれてんなと思う。

 しかし本当に面白いマッチアップの中、水垣vsクルーズの対戦に関してはみてるこっちがトラウマになりかねないような展開となってしまったのでした…




コナー・マクレガーvsダスティン・ポワイエ

 

 マクレガーのスタンスが妙だ…解説も言ってるけど武道的に見えちゃうっていう。

 こういうスタンスで闘うのは相手との動きに合わせる脱力や制空権を撃つスタイルってことで、たいていはボクシングのメイウェザーを代表とするようなデトロイトスタイルみたいな感じを採用してることが多いなかで珍しい。スタンドのスタイルでボクシングとかキックを採用してないってことは、おおよそ根本的な身体の使い方が少々異なるものがあると思う。


ドナルド・セローニvsエディ・アルバレス

 マジでUFC契約直後の選手には本当に相性が悪いだろう選手を当ててくるのがズッファならではのマッチアップで、ギリギリの試合を強いられる。セローニvsアルバレス・・・このマッチアップを考えたのは本当に絶妙。

 ムエタイ・キック系&グラップリングタイプは近年は北米カレッジレスリング土壌&ボクシングによって後塵を喫していた感が強いのだが、気が付けば現在、ライト級以下の階級でレスリング&ボクシングのヘゲモニーは意外にも無くなっており、痩躯のムエタイ&グラップルよりのスタイルの選手が上位に台頭している。(ウェルター以上になるとこれはまだわからないまま)

 3,4年前なら疾風怒濤のようなエドガーとメイナードが席巻してたのも今は昔で、レスリング系の打撃を織り交ぜたテイクダウンというのもかなり研究され防いでしまってるケースも多々見かける。まさかのアルバレスデビュー戦はいきなりMMA軽量級シーンが変貌した洗礼にさらされるという展開になるのだった。

 序盤ではお互いの制空権や出足が確定しきっていないからアルバレスの速攻がかなり目立つのだが、問題は2Rから。
セラー二のムエタイスタイルによる制空権制圧技術はジム・ミラー戦を見ても完成の域に達しつつあり、ミドル・ローで足止め・相手が接近の動きを見せればテンカオ・クロスレンジでもつれれば首相撲の膝、と恵まれた長身によって生きるものばかり。これがなんとアルバレスに効いた。

 本当に絶妙なマッチメイクだ。アルバレスはここ数年自身より長身で、しかもリーチを存分に生かしたタイプというのはぞの実やってない。オレが2012年の青木vsアルバレスでムエタイを指向していた青木に求めていた展開をセローニが実現している。まさかローキックをカットできず崩れ去るアルバレスというのは、ありえたけど予測できなかったそれではないか。

デメトリアスvsカリアソ

 よく言うじゃないすか、格下の相手とやる方が実は難しいとされてて、勝って当たり前の相手とやるってことでかえって動きが硬くなるみたいな。他にもKOを期待されて力んでしまってかえってKOから遠ざかってしまうとかね。

 デメトリアスそういう可能性はあるか?!みたいに眺めてたんだけどそんなもんはさすがのUFCに関して舐めすぎな見方であり、トップ中のトップはそんなの地方サーキットの大会で済ませてるよなそうだよなと…

水垣vsクルーズ

 水垣は稲垣収さんの解説などでしばしば「日本人の世界タイトルのボクサーとの練習をしている」(ごめん「世界タイトル~」のあたりうろおぼえ)と語られる。
 
 今、MMAのスタンドでボクシングスタイルを採用する場合、パッキャオのような高速フットワーク&ステップか、メイウェザーのような脱力のデトロイトスタイル的ないなしやカウンターで距離を取る、みたいのはMMAとの互換性が高いように見えているのだけど、タイトに構えたオーソドックスなスタンスの場合それが弱くなる。

 リングという正方形でそこまで広くはない空間では、ステップやフットワークの比重がMMAより制限されるためにオーソドックスなボクシングの距離での攻防というのは今も数多くの試合で見られる。だがMMAにおいては別だ。空間が違いすぎる。お互いのパンチの交錯する距離で攻防を取捨選択するというそのスタンスがハマる相手ならば攻防がかなり生きるが、それ以外になると危うい。特にステップ&フットワークの比重の高い軽量級トップでボクシングの攻防の距離に付きあうケースは無くなってしまう。

 水垣にとってクルーズは相性が悪い。だがまだなにかチャンスはあるのではないか。ドミニク・クルーズは欠場以前から今日の軽量級のトップとしての試合を作っていたのだが、その時のような動は復帰してすぐできる物か?と踏まれていたところを狙う、というような。

 ところがそんな隙は一切なかった。試合早々から水垣とクルーズの空間認識そのものが完全に異なることを思い知らされる。タイトなボクシングスタンスの水垣を、クルーズは遠い距離から高速でステップする。水垣の制空権外から、一気に踏み込んだ綺麗なジャブを当てる。マジで3年のブランクなのか?おそらくそこで自身の距離を掴んだのか、高速でタックル!そして…

 待ってくれよ、こんなのってないだろ? 序盤ならではの「お互いが制空権も出足も確定してないゆえの罠」もあるかもしれないが、こんなあっという間の結末は予想だにしなかったのだった…
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