オウシュウ・ベイコク・ベース廃墟


ニコラス・ウォータースによるドネア・ステップの潰し方

Category: P・M・BOXING   Tags: ボクシング  
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ノニト・ドネア対ニコラス・ウォータース

 ゲンナギー・ゴロフキンのマルコ・アントニオ・ルビオとの統一戦と同興行で開催された、ドネアvsウォータースの対戦。

 リゴンドー戦以降のドネアはここ最近の試合内容などに少々の不安さを識者に見られた中でのウォーターズの防衛戦、試合開始冒頭の構図こそタイトスタンスでやや直線的な戦型・圧力をかけていくタイプで、ドネアのステップを基調としたスタイルで相手のタイミングを合わせていくそれは有効なように見えた。ところが……




 ドネアの最軽量級から階級を上げていき、そこで勝利を上げていくことによる最終的な目的はやはり同国フィリピンのスーパースターであり、すでにボクシング史を塗り替えたパッキャオに続くことだっただろう。実際にステップを基調としたスタンスなどなどパッキャオとドネアには近似した部分は多い。

 だがしかし、階級を上にあげることでどうしても立ちはだかる問題がある。それはやはり、フィジカルの差だ。単純に言って同程度のテクニックを持つ者同士だったら最終的にフィジカルによってアドバンテージが取られていってしまう。とくに階級上の打撃を受けたり、至近距離で頭を突きあわせて押し合ったりのコンタクトになれば、特にだろう。

 なのでもう通常のお互いがボクシングの距離で攻防の交換をするだけではなく、ガードしたり近距離で押し合ったりのコンタクトになると非常に体力も削られるしダメージも大きくなってしまう。

 パッキャオが途方もなく偉大なのはそこで、徹底してコンタクトを避けるために進歩したフットワーク、そして相手にタイミングを合わせられないようにしたすべての打撃をノーモーションにしたというなかで数階級も上の選手を打ち倒してきたところだ。

 ドネアにはそうした期待は少なくはなかったのだとおもうけれど、このウォーターズ戦ではかつてなく事前モーションから悟られてしまう大ぶりの打撃や、それどころか得意の円形を描くステップも少ないウォーターズに封殺されたか、どこかで身体を壊したか、それともなにか単純に意地なのか、まさかのフィジカルもリーチも大きいウォーターズ相手にかなり「ボクシングの距離での攻防が展開される。・・・それは階級下の大きくドネアを削る、徹底したコンタクトの多い展開だ。ドネアが至近距離で押し相撲のようになってしまう、ロープに詰められてしまうなんてことがあっただろうか。




 そしてウォーターズは決してフィジカル差というそれのみで、当然ドネアを上回ったわけではないだろう。

 極めてタイトなボクシングスタイルだと見えるが、しかしそのタイトさによってリングジェネラルシップをとってポイントをとっていくみたいなダラダラした感じなんて皆無なのが異様なジャブの切れであのドネアから制空権をとって行っているあたりに表れている。

 WOWOW解説でも「ジャマイカ出身ですよね、ウサイン・ボルトなどがいる」とすこし触れてるけど、やっぱその土壌ゆえの身体のドライブのさせ方がかなり大きなものになってると推測され、ウォータースのパンチの始動はかなりゴロフキン的な上半身の体幹の強さによるドライブというそれではなく、足から背骨、そして手までに運動が連動した全身連動のタイプではないかと思う。

 タイトさに加えシーンによってはドネアの連打をスウェイバックで軽々とかわして見せる。それは硬化と圧力によってアドバンテージをとるだけでなく、(かなり適当だが)ジャマイカ型の全信連動系の身体の使い方を基調にした柔らかさも併せ持った強弱を持っている。


 解説の西岡利晃が残念そうにしていた、というスタジオでの言葉がなにか意味深く聞こえる。オレにはそれは、決して西岡がドネアと友人であるというだけではないような気がした。というのも、今回とは階級が違う戦いだったとはいえ、かつて西島がドネアと闘ったときにおそらく想定していたのは今回のウォータースのような制空権をとった上での圧倒、というそれではなかったかと思ったからだ。西岡こそこうしたタイトなスタイルのなかで、最終的に仕留める試合を形作っていたからだ。
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