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MMAドラッグトラブル

Category: 格闘周辺時評   Tags: ---
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 メインカードでの選手の怪我が立て続けに起きた時だとか定期的にUFCでは試練のようにトラブルがダマのようになって襲い掛かるのだが、今回は最大最悪の部類だろう。

 P4Pのトップであるジョン・ジョーンズはコカイン使用で人知れずぶっ飛んでいて、アンデウソンは禁止薬物の使用が発覚。ニックとの再戦の結果は凡庸どころかひどい結末となったうえにこれまでの偉大な戦績さえ疑惑の影が生まれる。すでにUFCを離れたジョン・フィッチからも薬物使用が認められた。ジャンルを牽引するはずのスターが立て続けに起こしたスキャンダルにえらいことになっている。

 とりあえず今回はコカインやマリファナでやけくそに、なジョーンズやニックのケースではなく、やはりもっとも問題であるアンデウソンを通してドーピングの件にクローズアップしたいと思う。



近年の他スポーツでの偉大なスターのドラッグスキャンダル

 GSPのコーチであるフィラス・ザハビは今回のアンデウソンのドラッグトラブルに対し、自転車プロロードレースの大スターであるランス・アームストロングが起こしたドラッグ・スキャンダルを持ちだした発言をbloodyelbowにて行っている。

 

 GSPこそ最高のパウンドフォーパウンドファイターだよ。オレたちはそこからシウバを省かなきゃならない。あいつが本当にやったんなら、オレたちは若い奴らのモデルにあいつを挙げることは出来ないね。糞ボケが!ランス・アームストロングが自動車プロレース史上最高の選手だと考えるか?ノーだ。数年前に違うって答えがでてるだろ。

 GSPはVADA(反ドーピング機関・って訳間違ってたら正直スマン)をパスしてる。最高の機関だよ。彼のテストは全部公式なもんだ。オレたちは1日24時間いつでもランダムの検査の準備は出来てる。オレの選手たちはナチュラルだし、もちろんGSPこそ最高のファイターだよ。



 P4Pの座をアンデウソンと共に競ったGSPのコーチであったフィラスの言説は当然辛辣だ。

 ここで挙げられているランス・アームストロングとは何者なのか?というと、これは自転車プロレースにおいて栄光や物語を生きたアメリカ人の選手であり、ガンの発覚で死を覚悟する状況だったのにも関わらずそれを克服し、偉大な結果を出したことで有名な選手だ。

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 だが、ここ数年のなかで他の選手よりアームストロングのドーピング使用の告発が起こる。立て続けに起こったと告発によってアームストロングの栄光も物語も全て失墜し、最終的に永久追放の結論を出したのだ。それだけではなく、アームストロングの所属するUSポスタルチームの他、同アメリカの有名選手の多くも薬物使用していたことが発覚したのだという。



ランス・アームストロングのドーピングはなぜ長いあいだ公にならなかったか

ランス・アームストロングのドーピング問題 - Wikipedia


 詳しい話は上のエントリやwikiに詳しいのだが読み込むごとに気が滅入ってくる。ガンを克服した美談を盾に膨大なスポンサードを得ながら、同じアメリカ人で先行して成功していた選手のスポンサードを奪い、立場を追いやる発言をしていたこと。アームストロングの美談と成績が生み出すプロモーションの力によってドーピングの疑惑ははねのけられ続けたこと。早い段階でドーピングの追及を行っていたジャーナリストでさえ、アームストロングが作り出した膨大な金銭的価値によって白日の下にさらすことは諦めていたと言う。ここにはプロスポーツの持つ影が集約されている。


”アームストロングはあまりに巨大であり、アームストロングを信じる人はあまりに多く、アームストロングを守る金はあまりに潤沢だった。”




 アンデウソンのドラッグテスト失格によって示唆されているのはその神話的な存在感と、それを元に形成された大きな金銭的価値、そしてUFCの運営サイドはその価値を守るために隠してたって疑惑だ。


ボクシングでは?


 対岸のボクシングではどうなのだろう。簡単な検索をしたところ、2012年のパッキャオ対マルケスの試合であれは壮絶な結末となったのだが、あの時のマルケスには薬物使用疑惑が囁かれたと言う。

この問題の背後には、かつてのMLBと同じように、ボクシング界ではこれまで薬物蔓延に関して目がつぶられてきた事実がある。たとえ陽性反応を示しても真剣には捉えられず、前述のようにモラレスのタイトル戦は強行された。バートのように出場停止処分を受けても、さほど大きな話題にはならず、復帰戦はすぐにアメリカ国内のメガケーブルテレビ局で生中継。そうやって問題が無視されてきたがゆえに、かえって雪だるま式に膨らんでいったのである。





 リンク先の記事や状況・詳しい構図などなどは時間が経ってしまっているため捉え方の吟味はともかくとして、共通してるのはやはりアメリカでの興行や商業の利ゆえにこの疑惑の追及が先送りされているということだ。

 

 MMAのジャンル拡大に置いて不可避なものに出くわしてる。ドラッグトラブル関してはざっと眺めるに、簡単な解釈の一つはこれもまた競技性と興行性の相克の変形だ。その興行のフックの強さと裏腹に隠し通していた可能性。しかし競技的な正統性を推し進める動きの中で隠し切れなくなる。ドラッグテストの厳密さはアームストロングのスキャンダルも影響してなのか、テニスなどでは薬物検査の回数は非常に多くなっていると言う

 いやいや問題はそこではないかもしれないな…前々回にアンデウソンは「まるで神話から凡庸ないち選手になったかのようだ」だなんて思った。なにか美しい美談や神話的な振る舞いをした選手はそれがはぎ取られ堕ちるまでがワンセットか否かは続報による。

 ボクシング界でもどうやらメジャー選手に関してドラッグトラブルの可能性はうすうす示唆されているのだが、とりあえず大スキャンダルに発展し経歴が剥奪されるアームストロング級の出来事は見られていない。だがUFCはそこに直面しつつある。


(追記)UFCはコミッションに委ねたランダム検査を第三者機関に依頼し、契約全選手と行うことを言明。さらにコミッションのペナルティ期間が初犯で半年や9カ月なのに対し、2年から4年になることを支持するという発言をした。
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