オウシュウ・ベイコク・ベース廃墟


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GRABAKAの黄昏・三崎と郷野に映る影

Category: 「見立て」の格闘観戦記録   Tags: ---
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<<SRC14・郷野聡寛VSジャダンバ・ナラントンガラグ ジョルジ・サンチアゴVS三崎和雄 観戦記録>>

>>Alain Bashung "Les mots Bleus"(モジヲ クリック シテクダサイ)<<

 菊田早苗率いるグラバカというチームは、振り返れば日本MMAの中で屈指の実績を作ってきた集団で、パンクラスを主戦場としてきたことで格闘技史的にはそこに所属しているような印象が強いが、実質的には初期のパンクラシスト達のラインと遠く、むしろそうした彼らのやり方に関してのアンチテーゼのような部分が強かったと思う。これは主催である菊田選手の過去に新日本プロレスやUインターに入団して夜逃げしてしまったりなどのバイオグラフィーが暗に影響を与えているのだと考えるのだが、グラバカの強さの元に前時代的なプロレス型の道場的な価値から距離を置き、競技を合理的に勝っていくことに専念していたことが大きいと見ており、初期パンクラス勢のある時期からの停滞に反して高い実績を構築していくことになる。

<<郷野聡寛VSジャダンバ・ナラントンガラグ>>

<< グラバカから退団し、ライト級に転向した郷野選手の環境が激変した中での相手は、「チーム朝青龍」という違和感をフックにした噛ませと思われるガラグ選手だったが、バイオグラフィーを振り返っても影の実績としてかつてK-1MAXにてアルバート・クラウスからダウンを奪った実績を持っており、一定以上の立ち技の実績を持つ一方で、郷野から完全に脇を差させないようにする組み方をしているあたりに「チーム朝青龍」というのが決してマヌケなものでなく本気で機能しているように思えた。

 差しの技術に関しての相撲の能力の高さ(日本の大相撲というよかモンゴル相撲らしいが)。あのガラグの差しの防御の中に変質した形での相撲幻想が高まる結果となった。奇妙な形でガラグはキックボクシング&モンゴル相撲というフィジカルの組み合わせはUFCで主流となっているボクシング&レスリングのファイター達のアジア圏の翻訳の形の一つのように映った。>>


郷野_copy

 日本総合格闘技の歴史は、ある一方からすれば大なり小なりのプロレスに裏切られた人間によって構成された歴史であるとも見え、自分を裏切った疑似格闘技が真剣勝負と標榜していることに対しての怒りや冷・嘲笑によって旧来からの価値から距離を置いていったのだと思われ、グラバカというのはそうした歴史の中ではトップクラスの「プロレスを嗤う人間たち」で構成された集団であるとも思う。
 そういう集団ゆえか選手間の蜜月も深いようにも見えていた。主軸にある菊田・郷野らを中心としたメンバーに補佐される陣営の固さなどをグラバカメンバーの試合の際のセコンド陣などを見ていてそれは盤石なようにさえ思えた。

<< 郷野は劣勢を強いられる。ジャブに合わせたテイクダウンをなんとガラグに取られてしまったり、ミドルをキャッチされて倒されたりの精彩に欠けるシーンが散見される。郷野が懇意にしているボクシングトレーナーにセコンドについて貰いたがっていたことを何故なのか思い出してしまう光景だった。 >>

 去年の三崎和雄の退団に続いて、動揺したのは今年7月に発表された郷野聡寛の退団だった。雑誌のインタビューで「”独立”ではなく”退団”です」と三崎が退団した際のインタビューで見出しとされていたが、それにのっとるならば郷野本人がブログにて”退団”とハッキリ表明してしまっていることには驚かされた。
 日本のチームの中でもその実績や体制を見ても盤石に見えたグラバカだが、ここのところの三崎や、初期のメンバーであり、特に結束が深かったように思われた郷野の相次ぐチームのハイライトとなる選手たちの退団は、その理由は一切判断がつかないのだが、何か歯車が狂ってしまった印象が強い。独立というポジティブなものではなく退団と表現していることに、忸怩たる思いが垣間見え、それがどこか三崎・郷野選手の影を作ってしまっているように感じた。


<< 最後まで上を取ることも、それどころか組んでいくことさえも上手く叶わぬまま時間は過ぎた。この闘いでの郷野選手らしい技術と言えば、決定打を受けないようにする避けと上を取るパスを許さないようにするという防御技術が機能していたことくらいだった。ガラグ選手の下になったまま、試合終了のブザーを天を仰ぎみるようにして、放心したかのような表情を郷野選手は見せていた。>>

 グラバカというチームの観客の「KOで打ちのめせ」「積極的に動いて仕掛けて沸かせろ」という欲望に応じず、戦略を練って手堅い勝利を狙うスタイルは、つまらないと断じてしまう一方で、チームそのものの盤石さも感じられるものだった。
 そんなチームがなにがあったか分からないが歯車の狂った現状というのも、主催の菊田選手本人が半ば唐突なウェルターへの転向にてSRCが呼び寄せた奇妙な新鋭・日系スイス人の強豪Yasubei榎本に圧倒されTKOで敗北してしまうという結果にも現れていたように思う。何かここのところ盤石の気配のあったはずのグラバカというチームの破綻による黄昏は、意外だったというか、むしろ自分の感情の動揺のほうに驚いている。

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<<ジョルジ・サンチアゴVS三崎和雄>>

<< 一年ぶりの再戦となった両者の闘い。サンチアゴ選手はノンタイトルマッチにてマメッド・ハリドフ選手にKO敗退したのを、今年3月のタイトルマッチでの再戦にて判定勝利。三崎選手は大晦日のマヌーフ戦での早すぎるストップでの敗退から8ヶ月のリングとなる。
 三崎選手のセコンドには前回の対戦の時のように、もうグラバカのメンバーが控えているわけではない。変わった環境の中での再戦。

 1Rは組みからのテイクダウンを成功させる三崎だが、前回の三崎との試合にて下から腕十時を取りかけたり、ハリドフ戦でもオモプラッタを成功させるほどの下からの攻めの能力の高いサンチアゴはそこまで無理にこらえたりはせずに序盤からのスタミナロスはしないように流れを作ろうとしているかに見える。>>


 思えば去年の三崎選手の事件あたりからか、何かこの盤石なチームの綻びが目立ってきたように思っている。それが遠因なのか、それともずっと前からチームが抱えてきた問題が顕在化するきっかけとなっていたのは判断はつかないが、その後の追い詰められたかのような状態に自分からは見えていた中での、あの中村和裕戦での鮮やか過ぎる勝ちは強く印象に残っていたのだが、それからしばらくした後での退団発表に漂っていた違和感などは今も覚えている。

<<2R終わりに、三崎選手は差しからの足をかけてのテイクダウンを防がれ、サンチアゴが前傾に体勢を崩したところに飛びついてのフロントチョーク。決まりかけたかと思いきや抜けられてしまい、ラウンドが終わる。
 3Rでの打撃の交錯の際で、サンチアゴのハイキックを受けダウンしてしまう三崎。そこからの追撃のパウンドを決定打を受けないようにしてしのぎ、立ち上がるが一端生まれた三崎の劣勢を読んでかサンチアゴがタックルを敢行し、上を取って攻め込もうとする。>>


 そうした退団からの最初の試合となったマヌーフ戦がフラッシュダウンから早いストップによって敗北し、勝手な想像だがグラバカにいた時ならば菊田らが率先してその結果に対して抗議があったろうが、特別公に抗議があったことが知らされるわけでもなく裁定は覆らないまま非常に不本意な結果で終わってしまったり、明らかにグラバカの亀裂の影を引きずってしまっているように思えた。

<<あの秋山戦のように、逆境に立たされたときにこそ、奇妙なまでに逆襲の力を発揮するという展開の試合をこれまでに幾度も起こし、この闘いにてその逆境を覆す大きな逆襲が4Rにて実行される。サンチアゴの飛び膝をバックステップでかわしてからの打撃がヒットし、サンチアゴがダウンしたところへ一気に猛烈な打撃を浴びせにかかる。そこからチョーク、ギロチンで攻め立てるのを嫌がったサンチアゴがロープから出ようとするまでに避けようとしたところを、審判にレッドカードの裁定を下される。三崎が一気に優位に立ったかに見えたラウンドだったが、ゴングが鳴りセコンドに立たせてもらうほどに、三崎は体力を消耗してしまっていた。>>

三崎_20100823173123

 秋山戦以降の三崎選手が、実人生的とも関連するかのように試合の中に垣間見える、繰り返す逆境と、そこからの逆襲というバイオリズムは、このSRCのタイトルマッチにおいては何かグラバカ退団からマヌーフ戦での不本意な敗退に象徴される現在の環境を取り巻く逆境のスパンに対し、この試合においてはその状況に対しての逆襲が爆発したように見えた。
 
 福田力選手や松本晃市郎選手など、今だコンスタントにチャンピオンを輩出するほどに盤石な体勢があるかに見える一方で、主催の菊田敗退グラバカの初期からの主要メンバーの亀裂は大きく思えた。そんな逆境に対して三崎選手が誰よりもはねのけようとしているのが、この試合に色濃く現れたように見えた。

<<5R、もはや疲労の隠せない三崎に対し、首相撲から引き倒し、パウンドを見舞い、マウントまで奪うサンチアゴ。そこから肩固めが仕掛けられるが、決めさせないようにポイントに入らせないようにしてしのいでいる。決まらないとみるやパウンドを放とうと抑え込みのバランスが崩れる隙を狙って三崎が一気に体勢をひっくり返し、下になったサンチアゴに打撃を見舞いながらパスしようとしたところでアームロックを仕掛けられ、それを回避しようと三崎の姿勢が崩れたところでサンチアゴがバックに回り、スリーパーを狙っていく。それをなんとかしのぐも、そこからのサンチアゴのパウンドが襲いかかる。満身創痍の三崎が打撃を受け続けるところでレフェリーが試合を止めた!
 セコンドからのタオル投入だった。試合終了まであと30数秒のことだった。>>
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