オウシュウ・ベイコク・ベース廃墟


3人の男のおとぎ話

Category: MMA   Tags: UFC  MMA  
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 世界の様々な言葉や人種が集まるとある国に、3人の男がおりました。長らく王の席は空いたままになっており、彼らは次の王に選ばれる候補です。

 ひとりはどんぐり頭の男です。まるで樹木のように長い身長と手足を持ちながら、とても朗らかで面白く振る舞う男でした。3人の男の中で一番若く、彼の評判や活躍は国中の人々に大きな期待を持たせ、次の国王になり国を引っ張ってくれると多くの人がおもっています。

 ふたりめはアーモンド頭の男です。何を考えているのかわからない表情ですがとても力持ちです。仕事ぶりはとても感心されるものでした。ところがアーモンド頭の男の何を考えているのかわからないところは実はとても悪いやつなのではないかと思わせる行動を取ってしまうところにありました。国が決めたしきたりをなんどでも破ったのです。そのために国を追放されました。

 3にん目のくるみ頭の男はとても地味で生まじめです。とても優れた学業での実績をもち仕事をですが、いつも肝心なところで選ばれず、苦労をします。あるときには国を背負った仕事の一員に選ばれていました。しかし、身体を壊していたためにその仕事に関わることができず、それは深い後悔へとつながりました。一度は全く違う仕事へと向かいましたが、あるきっかけからこれまでに培ってきた技術を活かせる仕事へと戻れるようになりました。




 どんぐり頭の男は人々が思いもがけないような仕事ぶりを見せ、人々の期待通りにあっという間に王様の候補のトップになりました。人々はこの後に国を牽引してくれるということに疑いを持ちませんでした。ところが、国を引っ張っててくれるだろう期待をかけられるようになったときには、最初にあった楽しさや朗らかさは無くなっていき、不満や打算が態度に現れるようになっていきました。彼は3人の男たちのなかで一番若く、鮮やかなまでに成功し深い挫折もなかったからでしょうか。


 月日が経ち、国から追放されたはずのアーモンド頭の男は別の国にいました。別の国ではとある国から追放された人間がたくさん移り住んでいました。例えばとても堅実な仕事をするが人々の評価がどうしても薄く、ただ仕事ができるだけでは王の候補こそなれても、さらに国を大きく引っ張っていく人間にはならないと判断された人間がそこに追放されていました。


 別の国に追いやられていた人間たちの多くは元の国に戻りたいと願って仕事をしています。なにせその国では食料やお金が支払われないとすら噂されていたのですから。そんな中でもアーモンド頭の男はその力持ちで素早い技術を生かした仕事ぶりが評価されました。


 くるみ頭の男は、かつて自分が出来なかった国を背負った仕事の後悔を払しょくするかのように活躍していきました。これまでの王の候補を軒並み抜かしてしまう実績を上げていき、長い苦難の末に王の最有力候補にまで上り詰め、どんぐり頭の男と競い合う所にまで行き着きました。



 
 それは挫折が少ないままに最大の王の候補になった男と、高い実績を持ちながらも深い挫折をもった男の対照でした。でもここでもどんぐり頭の男が勝ってしまいます。やはりくるみ頭の男は栄光を勝ち取ることはないのでしょうか?


 もはや候補がいなくなったどんぐり頭の男は今度こそ王の座に付き国を引っ張ってくれるのでは、と思われました。ところが挫折の少ないままの若いどんぐり頭の男はそれほどの結果を残しながら、まるで多くの人々の期待の重さから逃げるかのように振る舞います。

 同じころ、アーモンド頭の男は別の国での仕事ぶりのなかで、なんと元いた国に戻ってくることができました。相変わらず何を考えているのか不気味な顔つきを崩さないままに、童顔で長身のヒゲの男といった他の王の候補をあっという間に抜き去っていきました。

 ここでついに3人の男が王の席をかけて競い合うところにまで来ました。が、予想もつかないことが起きました。どんぐり頭の男がなんと国のしきたりを破るマネをし、あまつさえ逃亡さえしてしまったのです。あまりにもな行為に人々は憤慨し、王の候補から完全に外す決定を下しました。はじめのころにはあれほど王の席に座ることを誰も疑いもしなかったはずなのに、ただの小悪党ではないか…挫折がこんな形で現れるとはだれも思ってはいなかったでしょう。

  



 王の席を争うのは不気味な表情のアーモンド頭の男と、苦しい道を歩んだくるみ頭の男が競い合う形になりました。ふたりともここまで来るのに深い挫折から立ち戻りここまできたのです。アーモンド頭の男はここまでに培った力と素早さ、そこでくるみ頭の男から差をつけようとします。ですが、くるみ頭の男はそれで揺らぐような男ではありませんでした。

 くるみ頭の男は不屈でした。アーモンド頭の男をレスリング技術で組みふせそしてリアネイキドチョークに沈め…ってもはやおとぎ話から逸脱してしまいましたが、その一連の流れの中に二人の経歴や挫折といったそれぞれが含まれていました。



 3人の男たちの中で王の席にもっとも近づいたのは、くるみ頭の男でした。全く予測さえされなかったことでしょう。でもくるみ頭の男はいうのです。不正を働きどん底へと落ちたどんぐり頭の男に戻って来いということを。



 さて3人の男のおとぎ話もどき、ここには多くの意味や教訓が隠されているかに見えます。ざっと眺めればありきたりすぎるんですが、しかしそれを見取るのはやはり一端のおしまいまで追いかけてからでしょう。お話はまだ続くのです。そして依然、王の席は空席なのです。
 
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テーマ : 格闘技    ジャンル : スポーツ

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