オウシュウ・ベイコク・ベース廃墟


いろんなとこで高阪剛

Category: プロ格闘技   Tags: 高阪剛    
コウサカ

~作品に仕込まれた高阪剛氏に気付くとき、そこに、その作者が格闘技への愛を抱えていることに気付く~
 
 漫画やアニメや小説やゲームなどでさりげなくプロレスラー・格闘家が出現するのを見つけてしまうときがある。いま「見つけてしまう」と書いたがそれは「一般人では気付けない」という前提があるわけなんだが、格闘技を知ることによって、そんな格闘技の小ネタを仕込んだ格闘技への愛を持つ人間たちを気付くことになる。頭からなんだがそれが今回の裏テーマだ。 

 言うまでもなくこの日本のあらゆるサブカルチャーの中で数多く登場してきたレスラー・格闘家はアントニオ猪木だと思うし、「タフ」や「グラップラー刃牙」主要なプロレス・格闘技漫画などではほぼ確実に登場しているし、誰でもその顎の長いキャラが猪木を模したものだと気付くことだろうし、それはまたあらゆるプロレス・格闘技を模した作品のセントラルドグマに猪木の作り出した幻想があることの証左でもあるだろう。私たちは今だ1976年のアントニオ猪木が作り出した世界の中にいるのだ。この一節は例の本のパクリだ。

 そんな「誰もが分かる」のフックを入れることで作品の世界観の導入を補助するプロレス・格闘技メインの作品と別に全く格闘技と関係ないアドベンチャーゲームだとか4コマ漫画だとかガロ系漫画だとかに含まれた、唐突なまでの、格闘技をわからなければ確実にスルーされるだろうネタで、ここんとこ見たネタで特に引っ掛かったのが高阪剛氏の登場というのがさりげなく見かけることだ。

 まず最初の画像にあるのは「シルバー事件」というプレイステーションにて1999年に発売されたグラスホッパーマニファクチュア社製作の刑事もののアドベンチャーゲームでビタイチ格闘技の関係のない作品に出てくる脇役の警官で名前もまんま「コウサカ」なんだが、製作者が確か前田日明信者でリングス信奉者であったらしく(※参照クリック)、とりあえずモデルにしたってことに一抹の信憑性はあるだろう。役柄は実直そのもので信頼する上司の左遷先にまでついていったり、「切腹してみせろ!」というジョークで本当に腹を切るという扱いのチョイ役で、この作品におけるこのキャラの重要度はK-1におけるトニー・バレントくらいなのだがなんとなくこの1999年の時点でも高阪氏のマス・イメージたる「実直ゆえのいじられやすさ」が形成され、それがこんな風にタチが悪く拡大拡張されていたことが分かる。私は90年代当時の高阪氏のインタビューや対談などを未見なのだが、やはりそんな実直さをベースとしたいじられやすさが目立っていたのだろうか・・・2002年の紙プロの田村潔司選手との対談ではいろいろ茶化されていたが・・・


 次に「これもまたTK・・・」と思ったのは花くまゆうさく氏によるまんが「東京ゾンビ」に出てくる日本ゾンビ化で崩壊した後の世界で、一部の上流階級を楽しませるための格闘技大会「ゾンビファイト」でアフロが柔術でゾンビと闘うという作品に出てくる柔道をベースにしたゾンビとして出てくるこのキャラだ。(全く本稿と関係ないがいい年してこんな解説文を描いてて恥ずかしくなってきた。) 

五里

 「シルバー事件」のチョイ役な扱いと違い、こっちはファイヤー原田選手並みの重要人物だ。そのバイオグラフィーが「柔道の高い実績を持ってレスラーとして入団したのだが、先輩をスパーで圧倒してしまったことから片目を潰されスターへの道を断たれ、付き人として生きざるを得なかった」というもので、これが描かれた当時が1998年という、高田ヒクソン戦後のいよいよプロレスの地位に関して異論反論が顕在化していく時代であったり、そもそもの花くま氏が柔術黒帯でもあって真の実力で格が決まっていないプロレス(特に当時のUインターなど)に対してキツめの意見を残していたり(※クリックで参照)するあたりに当時のこうした不文律に対しての気分というのが高阪氏を模したゾンビを通して表現されていた気がする。ゾンビとなってかつての先輩を倒したのちに、主人公のアフロがオールラウンダー廻を超える描写でグラップリングの真剣勝負を行うがなんと圧倒されてしまう。このあたりは、花くま氏の柔道有段者との闘いか、はたまた本当に高阪氏とスパーをやったかの実体験に基づく感覚があると自分は思っている。

 そういやこのまんがの主人公のアフロは柔術技術で圧勝していても客から「つまんねえんだよ」とヤジを飛ばされまくり当のゾンビファイトの人気ファイトは全て八百長で人気ファイターが試合を作っているもの勝ちという、そんな時代の空気がパッケージングされていて、あの時代の記録にさりげになっている。(※クリックで参照)で飛べる小さいころの紙プロでの花くま氏のコラムにて、あの中井祐樹氏がゴルドーを撃破し、ヒクソンが優勝した伝説のヴァーリトゥードジャパン95の観客の様子を描いた記事にて

「俺もプロレスファンだけどさ、この日のプロレスファンは最低だよ。普通、人と会ってその人がプロレスファンだと嬉しいのにさ、この日の奴らは最低だ。てめえの真剣勝負を見る眼のなさを棚に上げ、わからないからって文句をタレやがる。ワガママすぎる。
 プロレスじゃないんだからさ、お前の思い通りにはならないんだよ。格闘技やったことない奴は観るなとは言わん。わからなくてもいいよ。進行のまずさに文句を言うのはかまわんけど、ただ試合に対しては少し謙虚になってくれよ! オナニーでしか汗を流したことないような奴が、ギリギリの闘いをしてる選手達にブーブー言うのは我慢できん(童貞の男が、あーだこーだとセックスについてウンチクたれるようなもんだ)。

 俺がケンペーくん(c.ならやたかし)だったら、この日確実に35人はブッ殺してたな。」


 これを見る限り、修斗勢やグラバカ勢がどんどんプロレスを厳しく糾弾していってしまうというのもちょっとわからないではないのだった・・・



 他にも「To-Y」や「sex」などの作品を生み出した漫画家・上条淳士氏の「エイト」と言う作品にてやはりチョイ役でジャーマンスープレックスを食らったりだったりと、なぜなのかチョイ役でしかもけっこうやられ役だったりするあたりに高阪氏の人徳というのを、モデルにした作家さんたちもうっすらと感じているのだろうと思うのだった。

 そしていまここに挙げた作品がどれも格闘技ファンはほぼ未見と思われ、しかも入手しにくかったりするマイナー勢の作品でもあることに、まさに「高阪剛」という一点を持って今回エントリを成立させたことの伽藍。だがしかしそんな伽藍すら受け止められる人徳こそ高阪氏なのであろう。

 またどこかのアングラに、高阪氏(と思われる)キャラは現れるのだろうか?それともいじられる人徳を継ぐものは現れるのだろうか?でもそれが菊野克紀選手ではないことは確かだろう。
 
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