オウシュウ・ベイコク・ベース廃墟


ローリーマクドナルドの停滞は堪える GSPで遅延されていたそれを見せつけられるから

Category: 見立てのMMA観戦記録   Tags: ---
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ロビーローラーVSローリーマクドナルド

 ウェルター級チャンピオンシップがどんな相手も完璧に封じ込めてしまうエレガンスな時代が終わりもうそろそろ2年になろうとしている。レスリング文脈によるジョニヘンとのチャンピオンシップの、GSPはもう限界なのかどうかといった実質的な勝敗や結末の見えなかったゾワゾワする試合結果は未だ心の襞に引っかかる。

 次代のGSPと言われたローリーマクドナルド。成人する以前からMMAがMMAとして成立している時代にプロになったネイティブの選手。それゆえ素晴らしいスタンドからグラウンドの繋ぎのパフォーマンスなど、その才気は少なくないオーディエンスが期待していた。しかし頂点ギリギリのところで思った以上に期待通りにはいかない結果となってしまっている。

 ロビーローラーとローリーマクドナルドの構図は、レスリングベースを抜いたGSPとジョニヘンの構図とほとんど一緒だ。神経質いや神経症とも言えるコンプリートファイターと高いフィジカルを持つパワーファイター、エリートと雑草(雑草て…)なんて対照なんだけど、今回の2回の試合によってGSPとジョニヘンの試合によって先延ばしにされていたはずの結末が生々しく目の前に現れる。




 レスリング比重が薄い二人の喧嘩四つでの対峙、それはどちらかが制空権を取りどちらかが完封させてしまうそれではなかった。ボクシングにおいて優れた選手がラウンドを重ねた後に相手の手を完封したのちに、フィニッシュにたどり着くといった試合ではない。コンプリートファイターが完封する、パワーファイターが一撃で潰すというそれじゃあなかった。


 端的にいって静かな潰し合いだ。想像以上にマクドナルドはローラーを止められないし、ローラーの打撃はマクドナルドに当たり、静かに蝕んでいく。それは良くも悪くも予想外である。マクドナルドの完封とフィニッシュが中盤に訪れかけ、ローラーとの初戦みたいな「まさかのフィジカルで完成度の高いのがやられちゃうなんてことは」という気分がなかったものになってくれるかと思った。しかし、ローラーはしのぎ、ここまでにマクドナルドを蝕んでいたダメージを貫き、鼻を骨折させてノックアウトさせたのだった。


 この結果は意外に堪える。結局GSPの決定打的な敗戦ってのは無かった。あの神経症的な完璧さの中で自ら引っ込んでいってしまった印象があった。それは しかしGSPの後を継ぐと言われたマクドナルドのこの完全に壊される形での負けは、GSPが(マット・セラの敗戦以来)決して見せなかった、いや徐々に近づきつつあった崩壊が目の前に提示されてるようで、それが堪えた。二人ともコンプリートファイターという裏で、観ていて精神的な部分でキリキリさせられる印象があった。

 往年のウェルター級チャンピオンシップが思った以上に完璧や完封を意味する以上に神経症的なそれをオレは見取ってもいたのかもしれない。ウェルターがジョニヘンとローラーのようなフィジカルの強さで圧倒すると言う、この階級特有の完成度とパワーの揺れゆえの現実は未だ慣れない。ローラーのパフォーマンスは素晴らしかった。でもGSPが最後まで遅延させていたぎりぎりの神経症のようなスタンスが目の前で壊されるみたいな、なにか現実に人格ごと壊されるような印象が残る結末だった。


 
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