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川尻達也の全盛期

Category: 見立てのMMA観戦記録   Tags: ---

 廃墟隠居暮らし退居中です。

川尻達也vsデニス・バミューデス

 選手の全盛期はいつからいつまでなのか?

 修斗からPRIDE武士道、以降のDREAM・戦極にまで連なる日本の栄光の中量級のスター候補たちは、この10年の間に誰かが魔裟斗のようになるみたいな、絶対的なスターになる直前のところで鼻をへしおられたり、団体が崩壊したり、または勝利を重ねてもオーディエンスからの支持が得られないことから徐々に一線を退いていくといったことをずっと見てきた。

 今、五味隆典、青木真也、川尻達也らを見ていくというのは、全盛期のあいだにもっと得られたかもしれない栄光をずっと取り逃がしているような、そういう気分をずっと味わうことでもある。そりゃあMMAファンには超有名人なんだけど、もしかしたらもっと先はあったんじゃないかという期待は、未だに残っている。もう今の日本人選手の代表は最初からメジャー興行が崩壊し、MMAの環境もUFCがトップであることが分かっている堀口や田中、石原といった選手に代替わりしているとはいえ。

 しかしその中でも、川尻達也は特にMMAの範囲内でさえもスターになる直前のところで足踏みしてしまっているという印象がMMAファン的にも長らく付きまとっていた。その理由を考えるにファイトスタイルに限定すればやはり五味や青木と比較して、鮮烈なフィニッシュというのが無く、 基本的な勝利の構図が高いフィジカルとレスリングによる、グラウンドのトップからのドミネートという抜けの悪いものだったからだ。川尻にPRIDE武士道時代から付きまとった「負け試合の方が魅力的だった」という意見は、どうしても試合内容がそうした抜けの悪さに至るのを鮮烈なフィニッシュを持つ選手に払拭してもらうという緊張と緩和が出来てしまうゆえだ。

 だがキャリアが長期に渡るにつれ、確実にタイミングに合わせた瞬発的なアタックとか弱まっていったり、もしくは不安定なプロ選手ということで確実に稼げ、自分の評価も落ちない団体に所属したりしていく身振りから、確実に五味や青木の全盛期が終わっていっている(または終わりをごまかしていっている)のと比較すると、川尻達也はDREAMの後期からもともと持っていた強いグラウンドのトップからのドミネートから肩固めでのフィニッシュを手にし、UFCに移籍したあたりから長らく感じていた抜けの悪さは薄れていった。



 川尻達也の全盛期というのはオレにはまさに、DREAMの終結ごろから現在のUFCに至るまでではないかと思ってる。ただそれはちょっと周りのスター候補たちが落日の様相を示していることや、そもそも石田光洋など同年代の選手が引退しているという現状と比較してなんて、いささかネガティブな部分はあるにせよ。

 今更ながら選手層が異常なくらい厚いUFC軽量級戦線にてなんと37歳という年齢で、トップランカーと張り合うという事実を上げるだけでも相当なことだ。しかもあのファイトスタイルでここまで生き残れてることも含めて相当のことではないか。ライト級以下で35歳をオーバーしてしまって、ランカー周辺にいる選手というのは数少ない。

 あのクレイ・グイダをも圧倒しているデニス・バミューデスとの対戦は、正直フィジカル的にもテクニカル的にもかなり厳しいのではと思っていた。実際、立ち上がりのスタンドでの勝負を見るととんでもなくヒヤヒヤする。軽量級選手のデフォルトにはフットワーク・ステップワークからの制空権を取る打撃というのがあるのだが、川尻にはそれが無い…というか、おそらくスタンドでの戦闘は捨てている。クロスレンジでは離れるためにバックハンドを何度も繰り返し、距離をリセットしている。スタンドでの戦術はすべて組みに行くための餌にしているんだと思う。

 だがそれをフィジカルが同じくらいか、おそらく上回っているバミューデス相手にそれはかなり苦戦していた。マジでトップランカーになると、一芸で勝つのは難しくなってくるしあるセクションが上回っていたとしてもそれを普通に潰してくる相手で埋まっている。川尻の必勝のテイクダウンがここまで凌がれてしまうと、体力の消費が著しくなってしまう。

 スタンドでの危機やレスリングのセクションでの危機などなど、本当にヒヤヒヤするシーンを凌ぎながら果敢に組みに向かうのを幾度も観ながら、想像以上に健闘していて素晴らしかった。修斗~PRIDE武士道勢がいよいよレジェンド枠の評価になってしまっていることや、引退を選択してる中で、高齢にかかわらずリアルタイムのランカーとして評価される位置にいることが今は落ち着く。以上、廃墟退居作業実行中でした…
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