オウシュウ・ベイコク・ベース廃墟


菊と黒魔術

Category: 「見立て」の格闘観戦記録   Tags: ---


 廃墟で熱中症対策を練っています。

 菊野克紀が谷川貞治の『巌流島』に出場しているということは、なるべくしてなったという思いになる。以前にも書いたように「さまざまな格闘技が交錯する場であったMMAががちがちのスポーツ体制が整いつつある中、カウンターとしての武道風味のモンド格闘技」というのが『巌流島』の価値のほとんどで、しかもそこには骨法の堀部正史や掣圏真陰流の佐山聡らと比較して武道思想というのがおそらくない。往年の格闘技ファンのどうかしている妄想世界とまで言ってしまうと悪くいいすぎなんだろうけど、ラウンドガールが巫女の衣装をしており、半袖の胴着を着て殴り合うという奇怪な風景の腰掛けに(てきとうな)武道のイメージを借用している。




 そんな腰掛けのところに菊野が来て、そしてはまっているというのはなかなかに味わい深い。ここに来て選手の評価というのが確定され直すかのようだ。DEEP時代では空手出身からMMAにということでぜんぜん違うのに「和製GSPでは」なんて一部に言われたり、一見特異なスタイルでのDEEPでの躍進には青木真也をちょっと思い出したりもしつつ、次代の日本人選手のトップ候補と目されていた。空手出身のところにマザーテレサとマイケルジャクソンを信奉しているという唐突感はあったが、日本人MMA選手の入場曲やパフォーマンスのほとんどが露悪的なのをみているからそういうものだと流していた。(今だとなんでかドラえもんねたの内藤のび太選手の露悪さとか)

 満を持してDREAMでのデビュー戦のアンドレ・ジダ戦でのKO勝利はその後の期待を大きく持たせる内容だった。今思い出してもDEEPでの活躍、当時の菊野のファイトスタイルの面白さと試合中に笑みを絶やさない狂気的な感じなどなど、オレにとっての菊野のベストバウトだ。その後もJGカルバンやアルバレスとの試合などなど、負けはしても強豪相手に張り合える期待は続いていた。

 しかし廣田や北岡に敗戦したあたりから、段々と中堅以上のランクから上がれない競技能力なのが見えはじめた。にもかかわらず、菊野自身の沖縄空手への言及が強まっていくように、MMAの現実が進行していく一方で

 コントラストのように同じく空手出身から現代MMAの所作を身に着け、国内からあっという間にUFCのチャンピオンシップにまでたどり着いた堀口恭司と比較すると、より菊野がモンド的な武道のほうに引きずられていくかのようだった。UFCでの衝撃的な敗戦をまえに、現役で指導してる空手家の方がTwitterで苦言を呈していたのを覚えている。

 ついに「Hero's」に菊野が加わるような、ダイレクトな谷川世界(憂鬱なライトノベルのようなフレーズですね)に加わることはなかった。間接的にDREAM関わったくらいだ。だが、武道思想なき巌流島に独自武道思想を持っているだろう菊野が加わったことで生まれる力は尋常なものではないのはたしかだ。

 つまりこういうことだ。巌流島にUFCライト級の現実に跳ね除けられた菊野がいる風景は、総じてスポーツ化したMMAの現実に対するまがいもののカウンターだ。巌流島がもの凄くポップな骨法か掣圏真陰流になるのかは菊野がどう出るかにあるのではとすら思ってるくらいだ。以上、廃墟から日傘をさしながらでした・・・
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