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プロレスはいま、どちらの側で捉えるのが現代らしいのか?

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 プロレスはいまどちら側なのか?昔から「アイドルとプロレスは似ている」なんてアナロジーで一部で語られた果てに、今年本当にAKB48がドラマでプロレスを演じ、しかも「ガチを仕掛けろ」という意味を持つシュートサインという楽曲を歌っていたり、「1984年のUWF」にプロレス言説の限りなく正史に近い認識であろう斎藤文彦が反論を残しているのを見ながら思うのだ。

 すべて演劇で脚本があるまがいものか。思ったよりスポーティビティ(ほぼ造語。競技性があるとかそんな意味。コンペティティブな~というのも違うし、この用語で。)のあるものなのか。それとも未だに真剣勝負の幻影を見ているのか。どちら側なのか。いや、どちら側が現代的なんだろうか。




 斎藤文彦の「1984年のUWF」への反論を見て痛感させられるのは、プロレスが格闘技か?プロレスか?を問われるいわゆる真剣勝負か否かをやる側の選手から見る側のファンまで縛られ続けた時代はもう現代的でもなんでもないかもしれないな、ということだ。

 「1984年のUWF」の面白さは、書評でも書いたがプロレスラーがMMAの場に現れて、そこまでに積み上げてきた行動や発言を精算されるという、幻想でくみ上げたトランプの山が崩れていく快楽だ。日本のプロレスにおける現代性のほとんどは、真剣勝負か否か、競技スポーツ的な強度があるか否かを取り扱うことにある。2000年代はMMA(というか、PRIDE)の台頭が真剣勝負や競技スポーツ的な強度を揺るがしたことで、「もうプロレスが真剣勝負や競技性を第一にするのは時代じゃないんじゃないか」みたいに反語的に最初から演劇であることを標榜したプロレスが現れた。柳沢健の著作は2000年代当時に現代的であったその視座を引き継いでいることが現在までの評価に繋がっている。

 しかし、本当に競技スポーツ性を排し、演劇にしてしまったプロレスの面白いが味気なくうすら寒い後味を思い返すに「やっぱりスポーティビティから完全に手を切ることはないのでは」と思わされ、プロレスを演劇にする根拠になったのはWWEアティテュード路線なんだろうが実際のWWEはスポーティビティから完全に手を切ったわけではなかった。このことからあらためてプロレスは脚本があるなら演劇じゃないか、競技を見たいなら競技格闘技を見ればいいじゃないかという二元論で切り分けれられるジャンルではないという事実に戻っていくのである。

 今の新日本プロレスが獲得した現代性とは、WWEを睨みながら大雑把に観て1970年代から2000年代くらいまで取り付かれていたそんな二元論から手を切ってることが大きいとも思う。だが、柴田勝頼や本間朋晃の試合後の重体を見るにまだ90年代から2000年代のハードヒット=競技格闘技的な強度を意味してる価値から手を切れているわけではないかもしれない。(ごめん、本間はちょい違うかも)

 「1984年のUWF」に寄せられる強烈な反論や違和感の発生は、2000年代的な二元論でプロレスが回収しきれない時代にあることを意味してる気もする。いまWWE的な方向をはっきり現代的なそれだと新日本プロレスが見ている時代で、早い段階でアメリカンプロレスを書き続けた斉藤文彦の語り口はいまこそ時代にそった、プロレスの現代を捉える言葉になっているかもしれない。

正史は面白くなれるか?正史はなぜ必要なのか


 一方で斎藤文彦の正史をプロレスファンは好むのかどうかというのもある。UWFという現象を、MMAに上がってきたプロレスラーの顎を打ち抜くような暗い快楽を元にした面白く、極めてプロレス格闘技的な、スキャンダラスな歴史の面白さに比べて、虚飾を排した正しい歴史は好まれるのか。「1984年のUWF」は2万部を売り上げ、Amazonで十数個のレビューが載せられている。対して昨年、斎藤文彦が上梓した『プロレス入門』はわずかひとつだけのレビュー、『昭和プロレス正史』に至ってはまったくレビューすらついていない。 最後にアナロジーで語ってしまってなんだけど、ある意味で歴史ほど編集意図や解釈が加わるプロレス的な分野はない。

 そんなプロレスが歴史を求めた場合、やはりファンの持つの偏見や気分を取り上げるプロレス的な意図のほうが面白くなってしまう。だけど今は時代は変わっていて、プロレスの現実を2000年代的な二元論で再解釈するのは終わっているとも思えるのだ。


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テーマ : プロレス    ジャンル : スポーツ

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