オウシュウ・ベイコク・ベース廃墟


2011年・花の21世紀(を、空想していた20世紀と、現在)

Category: プロ格闘技   Tags: ---
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あけましておめでとうございます。今年も御贔屓にして頂ければ幸いです。   

 年末の格闘技興行では「青木真也VS長嶋☆自演乙☆雄一郎」と「奥野”轟天”泰輔VS長南亮」が印象的でした。この二つの試合に共通しているのは開催までのMIXルールの設定に関しての決定やら(そもそものこの試合の意味だとか、もう散々言われていることですが)、選手が欠場したりに加え、急遽代役で出場した人間に対しての計量でのオーバーでのレッドカード提示の不可解さなどメジャー格闘技興行の運営のずさんさが課題として残る一方で、明らかに運命の方が勝者を選んだとしか思えないような試合内容と結果という意味では、事前の期待値が低かったのもあり突出していました。
 こういう運命が決定してるかのような勝敗というのはどんなスポーツでもどこかで見られると思われますが、こと格闘技に関してはそこが突出していることを再確認させられた試合でもあり、オレはこういう側面に惹かれて格闘技を見続けているのだなあと感じました。がしかし、試合までの諍いやトラブルなども選手らの心理やモチベーションに影響したと思われ、鮮やかな試合結果に驚き、歓声を上げる半面、冷静に翻った時に全面的に称賛し切れないあたりに、まさに年末にて日本格闘技の光景が端的に凝縮され、総括されたたものと言えます。

 特に「青木VS自演乙」は日本格闘技における熱狂の発生に関して、「惨敗からの復帰」「北米との再戦」「逆境との闘い」などコンテクストの深さを持っているはずの川尻VSトムソンとの熱狂の度合いと比較して観客に突き付けられていると感じるのが、結局日本における格闘技の感情移入のセクションは、厳密な競技化や社会的な正統性を獲得したのちの、スポーツ上でのナショナリズム(簡単に言ってワールドカップです。そーいや、日本VSデンマークも運命が勝者を決定したような極上のものでした)でもなく、また公に賭けが成立しているでの自分の金銭上の損得込みでの見方もでもなく(競技性と博打の関係についての考察も、いずれ書くかもしれません)、やはり一種の「見立て」として捉えているのだなあという事実であり、それにあらためて乗っ取り、当ブログの言説を総括してこの青木VS自演を評価するならば、対川尻戦で思ったときのように仲間殺しの果てに追い詰められた連合赤軍最高幹部の森恒夫の拘置所の自決の印象であり、もっとはっきり言ってしまえば自演乙の奇跡的な勝利というより、追い詰められた青木が自ら敗北(自決)を選択した、と言う風に自分はこの試合を見立てました。多分仲間殺しの後味悪くなる試合も今年からは見られにくくなると思われ、「対北米(あるいは、日本格闘技からの亡命)」というテーマがスムースに見られ、ちょっとは風通しがよくなるだろうと考えます。川尻選手は「対北米」という意味でここからが本番だと期待しますし、また今回の自演乙の勝利を見た菊野選手がK-1でリベンジしたいとの言葉を残しており、経済状況は暗澹としておりますが、今年は面白くはなりそうだという予告には満ちている大会だと感じました。

  
 次に、前のエントリの展望にて書いた、コアファンの見る北米との闘いのラインと別の、世間にコミット出来る可能性のある「アリスターVS石井」の予告編、という意味で大晦日の二人の試合を見ていて、アリスターが見事なまでに今年以降の活躍を期待できる結果を残した一方での石井の試合内容は、この二人の対戦を熱望する、とは到底至らず、「石井はもうライトヘビーに階級を絞って闘うようにしないと持たない」とか、「アリスターはジョシュやアルロフスキーとの闘いが望まれる」などというしょうもない正論以外の感想を思いつけず、テレビ格闘技としてのメジャーを続けるに当たっては厳しい結果になったように思います。しかし石井の判定での勝利が告げられた時のブーイングは、客層から逆算して格闘技バブルの廃墟の亡霊の声だな、などと思いました。


 2002年の最初のDynamite!の主要人物であるアントニオ猪木氏と石井和義氏が並んで観戦しているのが様々な試合の合間に見られ、2010年のこの大会に関して今の二人が何を思い、何を話したのか?長嶋は、川尻は、石井慧は、アリスターはどう見えるのか?が、TVで彼らがロープの向こうで映るたびに思いました。

 では「オウシュウ・ベイコク・ベース2011」、今年もよろしくお願いします。
 
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Comments

あけましておめでとうございます。
大晦日は喧騒から離れて静かに過ごしていました。自演乙の快挙を初めて知ったのは2chの格闘技でした(笑)。
K-1ルールも技術体系も一つの分岐点を迎えています。これからはよりレベルが高く、かつアグレッシブな試合が提供できる環境作りが必要になってくるでしょう。
あまりどっちかの方向性に偏りすぎると、青木みたくあさっての方向に突き抜けて天罰が下ってしまうので(笑)、マイペースに頑張っていきますので今年もよろしくお願いしますm(__)m
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
いつも訪問ありがとうございます、これからもよろしくお願いいたします。
>かかとおとし様

今年も宜しくお願いします。当ブログもK-1ファンでも唸らせられ、そして繋がる面のあるMMAの試合や選手などを紹介できるようにしていこうと思います。

>銀玉様

昨年はそちらの解説や展望にお世話になりました。
紅白ベストアクトは加山雄三でした。

>iceman5555様

はい、宜しくお願いします。 
あけましておめでとうございます
今年も宜しくお願いいいたします。

青木の惨敗を叩く事しか出来ないのなら、今のMMAファンもPRIDE.1の時代から何ら変わっていないなとも思いますね。
前後を語るのにこんなに魅力的な結果もないです。
>紫レガ様

 勝手な推測で恐縮ですが、プロレスファンもある時期から「えっなんでここでブーイング?」「なんでここで歓声なの?」という、会場のレスポンスと実際の自分の感情とのズレが起き始めるということが、意味が変わり始めた2000年以降あったと思うのですが、いよいよメジャー格闘技側でもそれが起き始めたように感じました。

今年も宜しくお願いします。 
明けましたおめでとうございます。
EAさん、お久しぶりです。
大晦日以降、青木乙でモヤモヤしてて
ツイ断ちしようかと思ったんですが
EAさんは此の余興をどう観てるのかなぁと
思いつつ、職業上この時期は忙しく
今しがたEAさんの見解を拝見しました。
お陰でモヤモヤが少し晴れました。
確かに舞台がDEEP50なら受け取り方も
違ったものになってたでしょうね。
それにしても青木バッシングの程度の低さは
なんだかなぁ~って感じです。
あと魔裟斗のアレもですが(笑)

今年も宜しくお願いいたします。
>kodomotentyou様

おお店長!お久しぶりです!

青木選手に関して言えるのは、やはり誰もが目にする真夜中のロウソクの火のように大きな目立つ的が現れた時に、語り方によってすぐに飛びつく蛾か人間かが露わになる。ということです。そしてこんなに蛾が周りにいたのか、というショックはあります。

唐突にツイッターを終了させてしまい、申し訳ありません。皆さまに宜しくお願いします。Fにしこ:り

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ビデオゲームというフィルターから俯瞰する、現代エンターテインメント総合批評
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