オウシュウ・ベイコク・ベース廃墟


PRIDE武士道世代という憑き物

Category: MMA   Tags: ---

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2か月ブログ更新が開いてマジの廃墟になりつつあるところからお送りします。

川尻達也がガブリエル・オリベイラにKOされた。40代に入ってからの下の階級への変更などが原因だったかとも言われるけど、いくつかの意味でそうだったな、と思った。序盤こそテイクダウンに成功するものの仕留めきれず、以後オリベイラがリーチ差を利用した打撃で川尻を止めてしまう。川尻のスタンド技術は高いフィジカルを武器にしたテイクダウンに特化したものだが、バンタムの舞台ではフィジカルのアドバンテージもなかったか、それとも現行のブラジルMMAでの技術の高さのせいなのか、2R以降完全にテイクダウンは封じられてしまい、完全に手がなくなった。

それよりも、いよいよ川尻が完敗することにもしっくりくるようになってきたことに時の流れを感じる。この感じは五味がUFCで1Rで完敗していくことに慣れてしまったのと同じかもしれない。国内のMMAでトップスターである彼らに対しての期待がなくなってきた。ここにはもう青木真也のやることについてあまり感情をざわざわさせられることもなくなってきたというのも加わる。PRIDE武士道世代への期待が掻き消えていく実感がここのところははっきりとしてきている。

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テーマ : 格闘技    ジャンル : スポーツ

マクレガーは言われるほどスタミナに問題なくて、ほぼメイウェザーに心理戦で完敗した

Category: 「見立て」の格闘観戦記録   Tags: ---
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廃墟では横から花火を見ています。異種格闘技戦の醍醐味とは格闘技術のコンペティティブな点というより、本当のところは両サイドの心理戦の駆け引きにこそ緊張感がある。思い返しても純粋に技術のみで盛り上がる試合になった試しがない。 

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ジョン・ジョーンズの速度4 

Category: 「見立て」の格闘観戦記録   Tags: ---
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廃墟からまだまだほんとうの廃墟にはならんぞ!最近はゲーム系などで他のメディアにも書き出してるがここはまだまだやってやるって!と吠えています。大分時間経っちゃったがいまさらチャンピオンシップ話です。

以前こんなめちゃくちゃな記事を書いたことがある。コーミエ、ジョンソン、ジョーンズの3人を中核にしてグスタフソンなどが絡んでいくという構図だけども、ファイターの経歴や性格、プロセスのすべてが相互に対照的であり、そこから垣間見えるドラマツルギーの豊饒さをライトヘビーのトップにいるこの3人以上に感じさせるのはあまりない。競技性からなにまでひっくるめて、まだアンデウソンとGSPがトップだったころみたいなUFCの強度を感じさせるのはライトヘビーの彼らの関係だ。 

しかしそんなドラマティックな関係も終わりを迎えてしまうのしれない。今年4月にコーミエとAJがライトヘビー級チャンピオンシップを争い、コーミエの一本勝ちで勝利。敗北したAJはその後引退を表明してしまう。関係や構図を考えるとあまりにも劇的な結果になった。引き続くかたちでコーミエがジョーンズと再び相まみえるというのは、どうしたって何かが起こる期待をしてしまう。

そしてその通りになった。どれだけぼろぼろのスキャンダルを振りまこうが、ジョーンズのスタイルは堅牢だった。あのリーチ差、相手を狙わせないようにスイッチしながら遠距離~中間距離での前蹴りや間接蹴りはもちろん、ジャブやちょっとタイミングがわからないところから放たれる肘やバックキックなど打撃のバリエーションの豊富さはやはり群を抜いている。

あらためてコーミエが遠距離~中間距離のジョーンズの制空権をどう制するのか。これまでかなりのリーチ差のある試合では、立ち技に限っては埋めるためにリーチの短い方が特攻してチャンスに賭けがちな試合になりがちだ。それどころか無理やりワンチャンスの何十倍の倍率になっているところに全財産をベットする戦法が目立つ試合だってあった。セームシュルト君臨時代のK-1とか技術革新が一向に行われないのもあってか、無理やりジャンプしてパンチなんてシーンさえあり特にひどいもんだった。

ここで優れているのはコーミエはジョーンズの制空権をとる行動を潰し、遠距離からの攻撃を封じながら徹底してクロスレンジでの試合に持ち込んでいることである。間接蹴りをガードすればその蹴り足にローキックを返す。サークリングさせて逃がさないようにする。遠距離では前蹴り、中間距離ではボディへの打撃をとにかくジョーンズの打撃を受けて、決して止まらないようにするという削る戦略は徹底していた。(あたりのことが海外MMAサイトなどにかかれてました)。

決してジョーンズの打撃によって下がってはならないし、蹴りを使うことでサークリングを許さないようにすることでプレッシャーから逃がさないようにする。オーソドックスから変拍子での打撃までこなすジョーンズのバリエーションに対してコーミエ陣営のディフェンスが今回のタイトルマッチを味わい深いものにしたのは違いない。しかしそこまでやってもジョーンズの速度には敵わないということが、もうなんというかジョーンズとコーミエが持ってる経歴や性質の対照的な関係を凝縮しているようだった。

あの一発のハイキックで終わってしまうとは…試合は中盤に入り、ほぼ中段の制空権掌握のキックをさばききっていた。1R、2Rはコーミエのポイントだとして、おそらくその時点でこの試合は自分のゲームだという確信を抱いていたはず。でなければ、終わった後に涙を流すわけがないからだ。

泣くに決まっている。コーミエの経歴は悲運の天才であることは確かであり、ジョーンズとの対戦は圧倒的な天才であるそれに対しての差を埋めていく闘いでもある。名誉や報酬やら地位以上の、うまく言語化できないんだがなんらかの持つ持たざる者という差(天才と凡人の差とも違う。コーミエも全然天才だし。38歳だよ?)がもしかして埋まるのか?みたいな試合はときたまある。

ここまでの試合から涙をながしたコーミエに対し「bitchみたいに泣いてるな」とか解説席にいたスヌープ・ドッグは言ったそうだがこれは持たざる者に対しての持つ側の残酷な現実を突きつけるかのようである。スヌープドッグもジョーンズも反社会的で自滅的な行動をいくらでも取るでたらめな天才が、実際捕まったりなんなりでペナルティを受けてその速度が弱まるのかと思いきや、結局そうはならないし依然として持つ者持たざる者みたいな関係を覆すことができない。覆せる可能性にまでたどり着いていたコーミエが感情的になってしまうことを、対戦する二人の背景を知りさえしなければ素直にスヌープドッグに同調して英語圏のインターネットトロールのように笑ってみていられたのかもしれない。

ジョーンズが王者に戻り、コーミエは涙を流し、AJは引退を発表した。自分はアンデウソンとGSPがP4Pの時代以降で選手のキャラクターと競技能力、それらが生み出す暗喩がもっとも質が高いと感じていた3人の関係を面白がってきたけどそれが終わりなのかもなと感じた。ジョーンズの速度は別のところにシフトし始めている。ヘビー級のブロック・レスナーの名前を出したことはもはやチャンピオンシップというよりも、一部にコナーマクレガーのやっていることに追従しようとしているし、噂レベルではミオシッチの名前も挙がっているなどもうそっちの方向が希望されているのかもしれない。

8月の光

Category: 格闘周辺時評   Tags: ボクシング  MMA  

廃墟は蒸しております。昔のプロレスや新興の格闘技イベントはボクシングやら柔道やらの社会的に評価の決まっている・ジャンルの確立されている格闘技のチャンピオンやメダリストをなんとか交渉してリングに上げ、そして負かしていくことで食い物にしてきた。その流れはRIZINが山本美憂をMMAに転向させることにみられるように、今も続いている。

国内ではついにプロレスの大興行みたいな価値以上のことにはならなかった。しかし、すくなくとも興行と競技環境のバランスが整ったUFCの土壌からはどうなんだろうか。競技環境が最大の格闘技イベントとはいえ、定期的にジェームストニーだとかをオクタゴンに呼び寄せたりしていたり、それひとつをとって「UFCは競技じゃない」みたいに言うのも一部にはいたようだったが。(ものすごく卑屈で頭のわるいヴィルなんとかってのはまだ生きてるのか 少なくともネットの言説中で絶命していればもんくはなにもない)

コナー・マクレガーとメイウェザーがボクシングでの試合が決定した。これは結局異種格闘技戦イベントの亜種なのだけどその味わいがいくぶんとねじれてる感じをうける。引退を発表したメイウェザーをひっぱりだし、現役のMMAのレインメーカーたるマクレガーが相まみえるというのはこれまでの異種格闘技イベントの構図そのままだ。基本ボクシングやら柔道のトップが一線を退いた段階で、現役の新興格闘技のトップが迎えるというやつ。

しかしここで相手の土壌であるボクシングのルールで向かうということが、なんだか今年最大の異種格闘技戦という意匠をややこしくしてる。マクレガーが類まれな打撃技術にて適正階級よりも上の選手を撃破してきたことを根拠にして、今回のような無茶なマッチメイクにまでたどり着いたあたりがポイントにある。これまでの異種格闘技興行は柔道やボクシングの本物を、本物の技術が使えないルールに挙げて負かすというのが基本なのだけれど、本物の舞台のルールで本物の技術を持つやつと相まみえるのである。歴史を振り返るとプロレス側MMA側のひとがちゃんと相手側の正式なルールで対戦なんてけっこうあるけど、そんな正統な試みは興行的にそれほど評価されたりしてなかったかもな、とも。

ことは格闘技のメインカルチャー(ここでは柔道レスリングボクシング まあプロアマの境界でいうと雑なくくりだけど)をサブカルチャーが食らいにいく構図のねじれ方の話だ。ほとんどの団体はサブカルをなんとか意味づけようとメインの価値をかっぱらって貶めることで興行にするんだけど、UFCはサブをメインにしようとなんとかしているほとんど唯一の団体であり、すでに競技能力的にもトップのそれは、もともとの競技のそれと遜色ないギリギリのところにまで来ている。マクレガーの挑発と競技能力がもたらした現実は、完全にサブからスタートしたMMAがメインカルチャーと闘う構図の新しい形である。




テーマ : 格闘技    ジャンル : スポーツ

村田諒太のプロフェッショナリズム

Category: P・M・BOXING   Tags: ボクシング  
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 廃墟なのに5月から暑いです。待望の村田諒太WBA世界戦の判定が話題になってる。例によってプロ格闘技で何度も見てきたスプリット判定のモヤモヤする感じそのままだったんで、いまさら判定の是非を問う気もない。選出されたジャッジが村田に向かなかったという運の悪いものだった、というのが簡単な結論になってしまう。

 とはいえ、MMAではなく注目度の高い国内のボクシングなのでこうした感想もやけに目立った。「ボクシングが判定基準を明確にしなければ、まともなスポーツじゃない」みたいな意見。この意見だって何度も観てきたんだけど、それが村田諒太の関わる試合に言われるのだとすると話はいささか変わって聞こえる。

 それは彼が「判定基準がかなり明確な」アマチュアボクシングのエリートだからだ。もうプロになって何年も経つけれど、プロアマの跨ぎ方の話に繋がるというか。今更ながらところがプロボクシングというのはもちろん興行であり、極端な話KOというスペクタクルをトップとして、どこかしらで試合の中でスペクタクルを生むことが優先されているはず。判定というのは結局決定的なスペクタクルで終わらなかったことに対して帳尻合わせに過ぎないからこそ、拮抗した試合による、選手の思い入れの差といった観客側の感情移入の違いによって判定が揺れたときに議論は巻き起こってしまう。そこで、先に書いたみたいな「判定基準をしっかりしろ」みたいな話が巻き起こる。

 しかしプロ格闘技が判定基準を明確にした場合、スペクタクルという目的が薄れていってしまう。 結局有効打をとるか手数をとるか、そのほかリングジェネラルシップかと拮抗している場合わからなくなることは起こる。ダウンを取ると自動的に判定で完全勝利だろって見えるかもしれないけど、要所要所でポイントを取り返されてしまうこのあたりはプロ格闘技の判定についてのクラシックといっていい「ジャッジを考えると競技がみえる」を参照されるといいと思う。

 そんなこんなを思いながら、あえて全然もりあがんないファイトスタイルのボクサーばっかり紹介していた「あなたの好奇心を刺激する、「ナシォ塩」の管理人のせ(@setyan001)さんのツイキャスを聴いていたら面白い指摘をされていた。結局どうあがいてもどこか曖昧になってしまう興行格闘技において、たとえばムエタイの判定において、チャイスー(闘う心)の強さの話を出していたのがなるほどと思った(間違ってたらすいません)。エンダムの方が後半にそれがあった、みたいな。チャイスーが見えるかどうかなんて本当に曖昧で数値化されない話なんだけど、今回の世界戦で勝敗以上の何かを見通すとすると意外に、単純にそこかもだったりしてな、なんて感じたのだった。

 こう考えて試合内容を思い返すと、もう自分の勝利パターンから変えないようにしているかに見えた。いい意味で書いている。こういう試合になった場合って足りていない部分をさしてそこを足すように言う意見(「五味!柔術やろう」とかね)がありがちだし、自分もかつては単純にそうしたらいいんじゃないのなんて思いがちだった。でも正直な話、自分の勝利パターンというのはどんなにスペクタクルなものではないにしても変えるべきではないな、と今では思っているし、いうなれば完成した勝利パターンを完遂できるように調整すべきでは。完成されたスタイルを持って勝つこと自体が実のところ限られた選手にしか持ちえないからだ。

 では完成されたスタイルをもっているはずの村田の今回の敗戦はどうみたものか。ちらほらとも見える、中盤でダウンをとり、確実にポイントリードしたゆえの少々置きに行くムードがあった、とかは敗戦したせいで言えるかもしれない。ことは、世界戦の大一番という、国内のプロとしてより飛躍するはずの村田陣営はどうなのかにあるとも思う。廃墟とは、現代では廃墟ではない顔をしているものなのです。




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